マリアテレジアの独り言

日々の生活の中で見つける・・
  小さな感動をつづります。

米国らしさ・・・Ⅱ・・・「信仰心」

2008-07-16 15:03:58 | 父の日。母の日。結婚記念日。
   『行いが伴わないなら、信仰はそれだけでは死んだものです。』
                  (ヤコブの手紙2-17)

私の好きなラジオ番組があります。NHKの「心の時代」で、いろいろの方にインタビューする番組で、出来るだけ聞くようにしています。
昨日今日と二日間は、「金沢21世紀美術館長」の蓑 豊(ミノユタカ)氏とアナウンサーの対談でした。

蓑氏は、大学卒業後仕事に就き、その後米国ハーバード大学博士課程に進みます。成績が良く、2年目からの4年間は奨学金を得ることができ学費を賄うことが出来ました。しかし、貧乏生活で、本代も下宿代も食事も賄うことが出来ません。ところが、学費の奨学金と一緒に、ハーバード大学名義の小切手で生活費も送られて来るようになったそうです。勿論、学費も生活費も大学から出ていると思い受けとっていたそうです。
そして後年になってわかったことですが、担当教授が裕福なコレクターに頼み、そのコレクターが承知し、全く名乗ることなく、蓑氏の生活費を送り続けてくれていたというのです。

アメリカ国民は、『行いの伴う信仰』の強い国と、私は思っています。

全くの他人の蓑氏の勉学を支えた中国陶磁器コレクターの方が、その実例です。
知る限りでは、私もその中で本を読んだことのある、その素晴らしさは言葉に出来ない程の、ハーバード大の一番大きな図書館も、一人の人の寄付で出来上がったと聞きました。

『行いの伴う信仰』の実例は、私達の知っているところでも、沢山あります。
鉄鋼王で慈善家のカーネギーは、72歳で、カーネギホールを建てました。
石油王で慈善家のロックフェラーは、71歳で、事業から引退し慈善事業に没頭。シカゴ大学やロックフェラー大学などを建て、98歳でなくなる時、自分の手元には僅かのお金しかなかったと云います。
身近なところで、現代の世界一金持ちのビルゲーツは今年の6月に引退。奥様とビル&ミリンダ・ゲーツ財団を設立し、慈善事業に専念なさいました。

お金持ちの方々だけでなく、一般の人達も、ボランティア活動を、当たり前のように、生活の中に組み込んでおられると思います。
私が、アメリカの大学病院に入院して、2日間全く動いてはいけない状態になった時、私の歯を磨いてくれる人、体をふいてくれる人、食事を食べさせてくれる人、・・と、私の身の回りの世話をして下さった方々は、2時間交替のボランティアの方々でした。奥さん、学生、黒人の方、・・・と次々にいろいろの方のお世話になりました。
「ハ~イ!マユミ!」と病室に気軽に入り、優しくおしゃべりし、私の世話をしてくれました。
私の子供達の通った学校も同様です。働く人が殆どでも、父兄が自分の出来る何かをします。給食のデザートを大量に作って仕事前に学校に運ぶ人。昼休みに仕事場を抜け出し昼休みの運動場で子供達が事故がないかと見張る人。・・・
私が病気で、子供の送り迎えが出来ないと学校に申請すると、一人の母親が名乗り出てくれ、一ヶ月以上私の子供の送り迎えを引き受けてくれました。

中学、高校では、ボランティア活動が授業科目になっています。
アメリカの多くの人達が日常生活の中に自然に組み込んでいるボランティア活動の行いは、宗教価値観が動機になっていると、私は信じています。
アメリカで、エレベターの中での知らぬ者同士の「ハ~イ」の挨拶、気軽な「イクスキュズミー」の言葉かけ、等々・・・アメリカの素敵な行いは、『行いの伴う信仰』だと、私は思っています。

大好きなアメリカの「信仰心」の素晴らしさについて、日頃私が感じていることを書きました。