千駄堀村の坂道の逍遥は終わったのだが、
その日の目的は「21世紀の森と広場」の紅葉や秋草であり、
エピローグ(終章)として公園内で撮ったものなどをまとめた。
21世紀の森と広場にある千駄堀池や、
そして周囲に広がる松戸市千駄堀の住宅街は、
道のりを間違っていなければその地域が、
200年以上前からある旧千駄堀村とは気付かなかったわけで、
偶然の迷い道から学んだことは面白く楽しかった。
園内の紅葉は最盛期だったが、
紅葉初期に発達した低気圧の通過で強風に煽られたため、
カエデは疵付き、橡などの葉もほとんどが落下していた。
下の写真左側のカエデは葉が縮み茶色に変色してしまっているが、
紅葉を阻害されたカエデは他にもあって、残念な状況だった。
「散紅葉」に期待したいが地表は橡などの茶色の葉で覆われていてた。
14時過ぎからは斜光と山陰で変化する千駄堀池を中心に撮影した。
この時間帯に公園に居ることは少なく、
光と影の綾なす光景が物珍しくしかも面白かった。
背の高い茅だけに光線が当たっているのも面白く、
背景の明かりで浮き出てくる「紫式部の実」には過疎けさが漂いはじめた。
21世紀の森を塒としているハシボソガラスが帰ってきて、
騒々しく上空を飛んでいた。
カラスが帰ってくると日没も近い。
番のカルガモも塒へと急いでいるようだった。
今までは公園の景色には邪魔な存在だと思っていた、
迷い道の道しるべとなった高圧線の鉄塔は、
夕日を受けて頼もしげに輝いていた。
16時丁度に「帰り支度を促す園内放送」が流れた。
冬場は16時30分が閉園時間だがこの日はすでに日没を過ぎていた。
下の写真は日没直後に撮ったこの日最後の写真である。
久し振りに心身ともに充実した、在り難い(そうあることが難しい)一日となった。