職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

★『谷は眠っていた』(富良野塾の記録)の倉本氏が、依然、僕に強烈な刺激を与えつづけていた

2012-01-22 13:07:11 | 僕のモンマルトル日記

 

2012

01.22
模擬授業開き・トップバッターは公麿T


★1週間ほど前、TV・ウェークアップ!の新春スペシャルインタビュー「脚本家・倉本聰×岩田公雄」を観た。
 倉本聰氏については、『歸國』(2010年、TBS系※演劇作品のドラマ化)に失望して以来、やや興味を失っていて、いったんはスイッチを切ろうとしたのだが、『谷は眠っていた』(富良野塾の記録)の倉本氏が、依然、僕に強烈な刺激を与えつづけていた。
 きっと、インタビュー中に、氷点下20℃、積もった雪から顔を出す熊笹をかき分けかき分け、白樺林を行く倉本氏の姿が映し出されるに違いないと思い、TVを観つづけた。
 はたして、雪をかきわける氏が登場。
 その時の倉本氏の姿を頭の裡で反芻しているうちに、僕も、自分のカラダを雪の上に置き、ユルユルと歩ませてみたくなった(*^_^*)。
 完全防寒スタイルで、ひさしぶりに、こころはろばろ神社の森(標高68メートル)に行く。
 雪は予想していたより少なかった。






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★僕の今年の年賀状。


 いつ頃からか、年末にバタバタやるのはやめて、新しい年になってから書くようになった。
 そのうち、だんだん横着を決め込み――ま、年末年始を自宅を離れて別地域で過ごすようになったこととも関連すると思うが――いただいた年賀状にのみ返信するスタイルになってしまった。
 元のカタチに戻したほうがいいのかな?と思わないわけではない。
 これでは、やはり礼を失している。
 しかし、今年いただいた年賀状に「家内の軽減を考え、年賀を休止することにしました。一応の区切りとします。心苦しいのですが、ご理解ください」と書かれた方があった。
 ああ、そうだったのか、ここ、しばらくの、その方の賀状は奥様の手によるものだったのか……と心打たれた。
 横着している自分がはずかしかった。
 と同時に、僕にも「区切り」が近づいているのだと思った。
 元に戻す余力は、もう僕にはないかもしれない(ノ△・。)。

模擬授業開き
 トップバッター公麿T



◆ずっと「授業記録」に挑戦しつづけてきた。
 50分間の授業が終わると、通常、15分ほどの休憩をはさんで協議が始まる。
 その席上で、参会者に「授業記録(教師の指示・発問や生徒の発言・学習活動)」を配る。
 これが授業記録者の美学だ(^_^)v。
 わたしの場合、パソコン(ワープロ)の登場でこれができるようになった。
 ただ、これだと記録に専念せざるをえなくなり、肝心の授業に没入することができない。
 だから、メモの技術と記憶力をアップするとか、録音したものを聞きながらメモをとるとか、その後、いろいろやってきた。
 現在、これでいこうと思っているのは、ICレコーダーに録音したものをあとから一字一句正確に文字に起こし、そのデータを分析して「職員室通信」上などで編集するという方式だ。

◆この訓練のために、1/10模擬授業開きにおける公麿Tの授業を起こした。
 まだどのように編集すればいいのかはよくわかっていない。
 一応、条件として、ひとつの模擬授業(普通の授業も)A4版2枚(字数2000字以内)。
 画像2枚。
 前回の須藤Tの記録は、授業概略と授業批評から授業そのものを浮かび上がらせようとした。
 これも一つの方向だ。
 将来的には、授業者の身振りや息づかいや性格まで伝わるものにしたい。
 模擬授業そのものより真実に近いといわれるくらいのものにしたい。
 ま、これはまだまだ遠い、夢の夢……。
 今回はICレコーダーを愚直に文字に置き換えるところからはじめる。(ここまでに既に字数の1/4以上を費やしてしまった。)

T:3年生になってもうすべての歴史の各時代を勉強していますので、これから見せるパネルがどの時代にあるのか、どの時代なのかわかる人は手をあげて発表してください。はい(三内丸山遺跡の画像提示)。松浪君!
C:縄文時代です。
T:同じ人?(多数挙手)はい、正解です。拍手してください。
 はい(吉野ヶ里遺跡の画像提示)。須藤さん!
C:弥生時代です。
T:はい、これ、なんの遺跡かわかりますか?
C:吉野ヶ里遺跡です(須藤C)。
T:正解です。拍手。(生徒役歓声)(中略)
T:はい(東大寺の大仏の画像提示)。西塚君!
C:奈良時代です。
T:奈良時代……。
C:先生、横だと思います(松浪C画像向き指摘)
T:失礼しました。ちなみにこれは何ですか?
C:鎌倉の大仏です(西塚C)。
C:えぇぇぇ~? えぇぇぇ~?(他の生徒)
C:奈良の大仏です(西塚C)。
T:はい、正解です。奈良の東大寺の大仏です。拍手! (中略)

 テンポのよい導入だ。
 はい、正解、次……とトントンと進めるところと、突っ込むところとのバランスが絶妙。
 「つかみ15秒」というが、スタートから最初の画像を提示し、松浪Cの挙手・解答までの時間が19秒。
 まずは合格だ。
 注文を4点。
(1)合格とはいえ、冒頭の「3年生になって……勉強していますので」に10秒近く費やしている。いきなり画像を提示して「はい、何時代ですか?」とやれば、週報・研修部「つかみ10秒」が実現したのではないか。
(2)時代名を答えさせたあと、その生徒に「これは何ですか?」とたずねているが、全体への質問に切り替えると、全員の意欲が高まるし、教室全体の学習活動量も増える。
(3)対立させる、ゆさぶる画像が1枚ほしかった。
(4)「ちなみに」という接続詞の使い方はまちがっているのではないか?
 指定発言者からは「パネル提示のとき、左右の生徒にもっとていねいにみせる(中野T)」「励まし方がよい(岬教頭T)」という指摘があった。

T:今までに出てきた時代をもう1度赤で書いているパネルでみんなで読みましょう。はい、どうぞ。
C:(一斉に)縄文、弥生……奈良、平安、鎌倉、室町……昭和、平成。
T きょうは10分間で各時代を覚えるということに挑戦します。
 今からみなさんにこういうカードを1人1個ずつ渡しますので。……まだ指示があるまで、このカードのゴムを取らないでください。はい、じゃ、渡します。
 輪ゴムから取ってもいたずらしないように。では、ほどいてください。
 それでは、そのカードを、最初はこの教科書を見ながら順番に並べ替えてみましょう。はい、どうぞ。(生徒作業)
T それでは、その「縄文」「弥生」……「平成」。
 この順番を一回、自分で崩しながら、また並べ替えたりして、今から2分間あげますので、その順番を覚えましょう。時間を2分あげます。
C もうやってもいいんですか?
T はい、どうぞ。(このあと、授業者・公麿Tは学習目標を板書する。)

 何度もICレコーダを停止させながら、一字一句忠実に再現した。
 快調だった授業がここでは一転してリズムが崩れている。
 「今まで出てきた時代をもう1度……」というところなどは「復習します。みんなで読みましょう」でいいのではないか。
 あるいは「1個」ではなく「一束」ではないか、「輪ゴムから取っても」は日本語として変なのではないか……とか、文字に起こしながら何度も首をかしげた。
 生徒役もいらいらして「もうやってもいいんですか?」と逆質問をしている。
 指定発言者(中野T)は「崩しながら並べてくださいという指示はイメージできなかった」と指摘している。

 授業はこのあと、暗記のためのペア学習へと移るが、座付作者としてまだ未熟なので中途半端なところで終わらざるをえない。
 最後に重要な指摘を2点。
(1)時代順を覚える意義について触れるともっとやる気が出る。(生徒役)
(2)ペアで学習するとき「覚えているかどうか確かめます」と趣意を明確にする必要がある。(指定発言者・岬教頭T)

 ここで字数オーバー、2257字だ。


◆この日の模擬授業大会(日時=1/10 午後1時~2時30分 場所=2年3組教室)、公麿T以外の授業者について触れる。

■須藤T(理科)
 語り(説明)がスゴイ。
 あるところは、画像を見せながらサーッと流し、あるところは「10㎞というと、ここからどこまで?」「氾濫するとどうなりますか?」と質問し……というふうに、常に聞き手を語りに参加させながら説明している。
 感動した。

■田辺T(家庭科)
 デジカメで授業者の顔のアップを撮影していて、ハッとした。
 撮影しやすい。
 あっちを向いたりこっちを向いたり、小刻みにキョロキョロしないからだ。
 液晶モニターを見ながら「ポイントはこれだ!」と思った。
 そういえば、乱氏の顔も撮影しやすい。

■小和田T
 耳に届く小和田Tの英語が感動的に美しかった。専門的には「クリアーな英語(英語科教員の情報)」というそうだ。
 田辺Tと同じく、顔のアップが撮影しやすい。
 視線を生徒1人1人に0.1秒ずつ止めている証拠だ。
 皇太子の視線の配り方を想起した。
 学習活動の骨格がしっかりしている。

◆こうして記述していると、細かな部分も書きたくなるが、きょうはこれでやめる。
 わたしは今は、授業者がいるステージの、その陰でせっせと授業を記録する座付作者だが、心のうちには「授業者」のわたしが潜んでいる。
 模擬授業大会のあと、「ああ、勉強になった」と、少し興奮している、「授業者」としてのわたしがいることに気づいた。


みなみ中を熱っぽく語ろう
~ わたしたち教職員が「みなみ中」を語れていないから、生徒が語れない ~


 3学期にはいり、高校受験のための面接練習が始まっている。
 先週末からわたしも練習台に加わった。
 まだ5人(国立高専等の推薦面接)の練習をしただけだが、受験の動機や自分の特別活動歴はしっかりと語れるのに、本校のPRはうまくできない。
 ワンパターンだし、口先で言っているから、思いがこちらに伝わってこない。

 これは、もちろん、わたしたち教職員の日頃の姿勢・指導に問題があるのだと反省している。
 以前、国立高専のPRに来校された教授が、高専の教育システム、ロボコン全国大会出場、プロコン全国大会3位、携帯電話用ソフトコンテスト準グランプリ、生徒の作家デビュー……地域ふれあい祭りの実施……と、熱っぽく語られたことに快い刺激を受けたと書いたことがある。
 教授が「高専」を語るように、わたしたちが「みなみ中」を語って(語れて)いないことが問題なのだ。

 以下が、みなみのPRのための資料を集めようと、教職員からアンケートをとった結果だ。

 
環境編 

◇市内№1の校庭が自慢
 ①市内でいちばん広い。
 ②水はけがよい。
 ③星がきれい。
 ④校庭を取り囲む木々が美しい。

◇校舎がステキだ。
 ①校内が明るく、きれい。
 ②玄関がかっこいい。 
 ③バックネット側から見た校舎にキュ~ンとなる。

◇校舎から眺める風景が最高
 ①3階渡り廊下からの景色
 ②音楽室からの眺め
 ③美術室から見える風景
 ④図書室からの眺め

◇その他の環境自慢
 ①玄関前の花壇を取り囲むカリンの木。
 ②前庭のつつじがきれいだ。
 ③海のにおいがして、海が実感できる。
 ④すべての教室にキーボードがある。
 ⑤音楽室の雰囲気(音楽を愛する人たちの思いが脈々と流れている)

 
教職員編 

◇教職員どうしが仲がよく、チームワークがたいへんいい。
◇研究熱心で、教師の力量をアップしようと熱心に取り組む。
◇生徒の人格を尊重している。
◇教職員として品性・倫理・誇りにあふれ、信頼できる。

 
生徒編 

◇気持ちがまっすぐで、だれにもおもいやりのある態度で接する。
 ①気持ちがやさしい。
 ②本気・本音で人と接する。
 ③教師の気持ちをよくわかってくれる
◇行事への取り組みが、一生懸命ですばらしい
 ①応援活動
 ②体育祭
 ③文化祭
 
◇自分の役割以外の仕事にも協力し、よく働く
◇あいさつができる
◇非行がない
◇生徒どうし仲がよい。1・2・3年の仲がよい

 
合唱編 

◇歌声がいっぱい、毎日、歌声が響く学校
 ①全校をあげて合唱に取り組んでいる
 ②歌声のレベルが高い
 ③やはり合唱部はすごい
◇校歌
 ①歌詞がいい
 ②「よき師よき友」のところで、いつもしっかりしなければと思う。

 
地域・保護者編 

◇すこやかみなみネットの取り組みがすばらしい
 ①地域情報交換会
 ②あいさつ運動
 ③小中公一体文化祭
 ④巡回活動
 ⑤町内会・安協・防犯の方々の取り組みがしっかりしている
◇小中連携活動に熱心
◇参観日の出席者が多い。
 教育に対する熱意が感じられる

 
その他 

◇部活動……活動時間など、ルールがしっかり守られている。
◇校名がいい
 気品とあたたかさを感じる。




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