職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

★緊急課題:日本の公立中学校のアウトソーシング計画(プロ教師塾シリーズ・職員室通信)

2014-05-14 15:16:13 | 僕のモンマルトル日記

 

職員室通信
★緊急課題:日本の公立中学校のアウトソーシング計画(MINAMIネット事業ブレスト)
2014
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  ◆5/7、6時間目は、体育館で「交通安全教室」  

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★5/7、6時間目は、体育館で「交通安全教室」(生徒指導部担当)を開いた。
 〈内容〉
 ①交通安全ビデオ――交通事故防止シリーズ「交通事故はなぜ起こるか(人的要因、車両要因、環境要因に分類)」
 ②交通ルール&マナーの基礎基本
 ③校区の交通事故発生状況

 ①=交通安全ビデオの内容は、質も高いし、生徒の実態にも即していた。
 ②=ここでは、自転車と歩行者の事故で、数千万円の損害賠償を請求されている事例も提示した。
 担当の安Tが「5000万円」と説明したら、あちこちから「えっ?!」という声があがった。
 ③=最近5年間で本校区で発生した交通事故の事例を提示した。
 校区は、狭い道路(歩道がない)、勾配の急な坂道、急カーブ(特にホタルの里付近)、見通しのきかない交差点・三叉路・T字路が多い。
 今回の交通安全教室では相当に力を入れた部分だ。
 パワーポイントのスライドを使った安Tの指導がよかった。

 〈2学年生徒の感想文からピックアップ〉
 ・「今まで信号が青だと安全だと思っていたけど、青信号でも注意しなくてはいけないということがわかった」
 ・「T字路が恐い。これからは必ず一度止まって、車や人がいないことを確認しようと思った」
 ・「自転車も自動車と同じように左側通行だということを初めて知った」

★今回の迷い。
 ①実技か? 座学か? 座学を選択。
 ②公的、あるいは民間、あるいは地域団体との連携。
 模索はしたのだが、プログラムと時間が合わず、本校単独で実施。
 各団体が提供できるプログラムの詳細が、一目でわかるHPがあればいいと思った。
 ③本校の経営の重点№3=「自他のよさや可能性を認め、互いに高め合う生徒の育成をめざし、生き方の原理・原則を重視した心の教育」との関連で、幼児、児童、高齢者および身体の不自由な人に対して自ら進んで保護することや、交通安全活動への参加等にも触れたかったが、時間の関係で見送らざるを得なかった。
 別なチャンスをねらうことにする。


  ★MINAMIネットの今後の課題(ブレスト)  

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★4月末~5月はじめの連休中、僕の宿題のひとつに「学校要覧」の原稿があった。
 僕に割り当てられたのは「本校の概要」のうち、(Ⅱ)「学校経営の方針」と、(Ⅷ)「MINAMIみネット事業」だった。
 パンフレットタイプの要覧だから、厳しい字数制限がある。
 書きたいことが書きたいように書けるわけではない。
 しかし、この「字数制限」が僕にはよかった。
 summary風に短くする作業(=削除)過程で、結構、いいブレストができた。
 連休中の最大の収穫(^_^)v。
 ここでは、(Ⅷ)「MINAMIみネット事業」についてブレストした内容をアップする。

★MINAMIネットの今後の課題(ブレスト)

(1)連携・融合のコーディネート力のアップ。
 MINAMIネット設立以来、学校と地域団体、PTAと地域団体、地域団体と地域団体等とのあいだで、新しい連携・融合活動が加速度的に創出されている。
 これを地域の個人や私的なサークルにもひろげていきたいと考えている。
 とすると、やはり、コーディネート力のアップが課題になる。
 これまでは「MINAMIネット事業推進委員会」が担ってきた。
 ブルドーザー的な活躍だ。
 MINAMIネットがあるのは、この推進委員会のおかげだといってもいいすぎではない。
 しかし、コーディネートの対象をさらにひろげようとすると、やはり限界がある。
 超・難問だ。
 OB会も設立されているのだが……。

(2)児童・生徒(学校の外だから、「在学青少年」)の地域行事への参加の推奨。
 青少年期といわれる年代に、同年代の友人や教職員以外の、地域の方々と交流させたい。
 地域活動・地域行事などを通して、思いやり、協調性、感謝の心、連帯感、地域の一員としての自覚を育て、さらに大きく成長させることができる。
 現在、MINAMIネット事業の一環として、地域団体と学校が協力し合い、部活動等との調整を行い、地域の行事(例=運動会等)への参加を推奨している。
 しかし、思ったほど参加率は高まっていない。
 ま、学校部活動と地域行事との調整くらいではダメ……僕の自己満足にすぎないということだ。
 他にやれることは何か?
 ただ、学校は地域活動に対して過度な口出しは慎まなくてはいけない。
 しかし、家庭に対してなら、PTA活動の一環として、ある程度は可能だ。
 これも難問。

(3)MINAMIネット・サポータークラブのさらなる充実。
 教育コミュニティづくりをするとき、粗く、①ボランティア活動から教育コミュニティづくりをめざす方法と、②学校・家庭・地域間の連携のしくみづくりから教育コミュニティづくりをめざす方法とがある。
 ルートは異なるが、ゴールは同じ。
 合わせ技として、ボランティア活動がやりやすい環境をつくるために、学校・家庭・地域間のおおざっぱな枠組みをつくるという方法もある。
 僕らは、今、学校・家庭・地域間の連携のしくみがほぼ完成して、ボランティア活動を充実していこうという段階に至っている。
 現在、どんどん増えつつあるサポータークラブ(例=ホームページ作成、環境づくり、図書整備、総合文化部支援、おやじの会運営等々)が充実すれば、新しいつながりの創出が期待できる (註①→)
 現在は、各サポータークラブの代表者がコーディネーター役を担い、MINAMIネット事業推進委員会と連携して活動を進めている。
 先の(1)とも関連するが、このコーディネート力がポイントだ。
 コーディネート力アップのために、専門の方を呼んで、コーディネート研修会を開くことも考えたい。

 註①=MINAMIネットでは、現在、「サポータークラブ」(=ボランティアサークル)事業を展開している。
 保護者、地域の人々、教職員等を対象に――
 「やってみたい人が」
 「やれるときに」
 「やれることを」――をモットーに登録者を募っている。(註①、以上)


(4)小中連携のいっそうの推進。
 僕の持論だが、学社連携・融合のポイントは、小中連携だ。
 学校教育である小学校と中学校がきちんと連携できていないと、社会教育との連携はほとんど進まない。
 小学校と社会教育(地域の教育)がうまく結びついているが、中学校はさっぱりだという例がよくある。
 やらないよりはいいと思うが(←いや、はっきりいうと、やらないのと同じ)、労多くして功少なし(せっかく苦労してもそのかいがない)……となるケースが多い。
 この点、本校区の小・中連携の実績は、他に誇れるものの1つだ。
 これまでのように「いっしょにやれるものはやる」という姿勢を大切にして、小と中のいっそうの連携・融合を推進していきたい。
 前にも述べたことだが、そのためには互いの「ニーズ」に互いが敏感になることが大切だ。

(5)MINAMIネットの中核エネルギーの充実。
 MINAMIネット設立に際しては、他地域のいろいろなネットワークのしくみを参考にした。
 その際、いちばん注目したのが、ネットワークの中核エネルギーの役割をだれがはたしているのか?……だった。
 学校・家庭・地域の個人や団体という、地域の教育を構成する点と点と点……とが連携・融合し、それぞれの立場で、自由に、気軽に参画できる教育システムをつくるためには、学校・家庭・地域の教育を総合的にとらえ、それぞれの活動や、あるいは気持ちや努力を、つながりのあるものにする、中核となるエネルギーが必要だ。
 歩く人が多くなれば、道ができる。
 しかし、最初に歩く人がいないと、なにもはじまらない。
 多少の困難はあっても、まず、わたしが歩く、歩きつづけるという「中核」が必要なのだ。
 ただ、その中核エネルギーが「学校だ(多くは教頭センセ)」あるいは「行政だ(多くは非常勤の公民館職員)」というのでは、お話にならない。
 また、一部のスーパーマン、あるいはスーパーウーマンに支えられているというのも心配だ。
 その人が不在になって、ネットワークが崩壊するという例に何度も接してきた。
 MINAMIネットの最大の特徴は、この中核エネルギーの役割をPTAが果たしているという点だ。
 どうしてPTAか?という点にはついては、ここでは省略するが(サイドのスライド参照)それゆえに、PTA役員には相当な負荷がかかっている。
 これ以上の負担はかけられない。
 また、活動したくとも活動できない環境にある一般会員の方々にも負担はかけられない。
 では、いったい、どういう活路があるのか?
 僕は、実は、(3)のサポータークラブのさらなる充実に期待している。
 学校・家庭・地域という垣根を越えた、多様な活動を通して、コーディネートのスキルとパワーをもった人々が、自然に育成される仕組みづくり(サポータークラブ)が難題を解決する方策のひとつになる可能性があると考えている。

(6)現在、すこやかみなみネットのターゲットは「子どもの健全育成・安全確保」に限定している。
 このテーマだと地域の諸団体が合意しやすいし、あまり広げないほうが取り組みやすいからだが、やはり、次の段階として、このテーマと並行しながら、新たなテーマにも取り組んでいかなければならないだろう。
 ただし、ターゲットを変えると、すなわち、「荷の軽い協働」から「荷の重い協働」にギアを切り替えると、ネットワークの質が変わっていく。
 この設定はよほど慎重にやらないと、一瞬のうちにネットが崩壊することもある。
 僕は過去にあせって崩壊させた経験がある。
 だから、慎重になりすぎるのかもしれない。
 そろそろ具体的な一歩を踏み出さなくてはいけない時期だ。

(7)アウトソーシング計画の企画。
 先の(6)との関連で、教育に関していちばん荷を抱え込んでいるのが学校だ。
 僕がいつもいう「教育の学校丸抱え体制」――「なんでも学校」、家庭もそう思い、地域もそう思い、教師自身もそう思いこむ「体制」――をつくりだし、結果として、学校がパンクし、力を失い、同時に、社会の教育力も弱めてしまった。
 だから、この学校がダムの水を徐々に放流するように、アウトソーシング計画をもたなければ事態は改善しない。
 日本の中学校は、これが遅れている。
 教職員の意識改革が必要だ。
 教職員がそれぞれの持ち場において、「アウトソーシング計画」を企画し、それが、すこやかみなみネットのターゲットになるという筋道を拓いていかなければならない。
 各教科、各校務分掌を動かし、具体的な一歩を踏み出したい。



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1 コメント

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目的合理性 (古室尚樹)
2014-06-15 08:32:46
国語の先生が、「私は国語を教えることしかできません。それ以外の点はみなさん協力してください。」って頭を下げれば、協力してくれると思います。
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