職員室通信・600字の教育学

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★彼女が「これで、お・し・ま・い」と本を閉じたあと、僕のほうを見て自分の決意を短く語った

2011-07-31 11:46:12 | 僕の「異人たちとの夏」


2011
07.31
今、目をつぶったら、僕はピースの中に吸い込まれる


★本校には「授業力向上の5原則」(=「指導力向上の5原則」)がある。
 粗い言い方をすると、ま、これさえマスターすれば、教師として、ま、なんとか独り立ちできるだろう……そして、なによりも本校の学力がアップするだろう……というものだ。(5原則の項目については上の画像を参照)。

★あまり数があっても、結局は、お飾りに終わってしまう。
 しぼりにしぼった。
 研修部で議論し、僕自身も悩み、「原案」が研修部と僕との間を何度もいったりきたりした。
 たった5つだが、ひとつひとつは奥が深い。
 じっさいにやってみようとすると、結構、むずかしい。

★本通信では、参観日の授業に向けて、この「5原則」についての「念押し」をやっている。
 保護者が授業をみていて「ああ、ここは、目標を明確にしているんだなァ」「ああ、ここは、達成状況を確認しているのだなァ」と、はっきりとわかるくらいにやらないとダメだぁ~……と(^_^)v。

 「念押し」号は2号あって、これはその2号目だ。



★けさ、また桜山招魂社境内の「森のおとぎ会」に行く。
 何者かに引き寄せられるように、足が、いや、僕の魂が、勝手に招魂社境内に向かっていった。
 主催者に叱られるかもしれないが、ふと、映画『異人たちとの夏』を想起した。
 近づいてはいけない場所に通うことによって、僕は死に近づいていく……というイメージだ。

★念のために、映画『異人たちとの夏』のあらすじ――。
 主人公の原田が偶然に浅草で、死んだはずの両親に会う。
 両親は、原田が12歳の時に交通事故で死亡したが、なぜかその時の年齢のまま、浅草に住んでいる。
 懐かしさのあまり、両親の家へたびたび通う。
 しかし、異人(幽霊)に近づき、原田の体は徐々に衰弱し……。

★境内の木陰から、観客席の子どもたちの後ろ姿を、ステージの語り手を、森の木々を眺めやっていると、風景がゆがんで、ジグソーパズルのように小さく切り刻まれていった。
 ひとつひとつのピースに、異なった時空間の僕や僕の周囲にいた人々が登場する。
 ああ、今、目をつぶったら、僕はピースの中に吸い込まれる……あるいは、ピースの隙間に消えるぅ~という恍惚。

 ちなみに、きょう、2人目に登場した語り手は、僕の昔の知人だった。
 まったく予期していなかった。
 ドキドキした。
 彼女が「これで、お・し・ま・い」と本を閉じたあと、僕のほうを見て(と、僕には感じられた)自分の決意(覚悟)のようなことを短く語ったとき、また風景がゆがんだ。

 桜山招魂社境内「森のおとぎ会」。
 僕にとっては、恐い場所……だ。


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