2012
04.09 |
きょうは中学3年間の、山あり谷あり、非連続の連続、その「基点」だ |
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◆始業式・式辞 3月の卒業式、修了式、離任式……ときて、4月に入り、先日の新任式、新クラス発表(4/6)、そして、きょうの始業式、入学式。
〈始業式・式辞〉
1年間、毎日、毎日、生活していた教室を離れる。 いつもいっしょにいた友人と離れる。 お世話になった先生と離れる。 転校という大きな変化があった人もいます。 自分とつながっていたものから離れて、ポツンとひとりになる――これって、独特の雰囲気ですね――さびしいといえばこれほどさびしいことはない、さっぱりしたといえばさっぱりしたともいえる……(*^_^*)、この今のみなさんの「感覚」を大切にしてほしいと思います。
ひとりになることによって、普段はあまりに意識しかなった「自分の今の姿」「心のカタチ」が、鮮明に見えるようになる。 また、これまでの自分の一歩一歩が、夜、雷がピカッと光ったとき、パァ~ッと風景が見えるように、自分の足跡が見えるという時期です。 今の自分の、心のカタチと、これまでの一歩一歩を点検しながら、大切にしながら、今年度の1学期、新しい一歩を踏み出しましょう。
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改めて、新2年生への進級、おめでとう。 新3年生への進級、おめでとう。 ここに、こうしている、みなさんで、力をあわせて、「MINAMI中生でよかった」「MINAMI中生であることを誇りに思う」と、心から思える――わたしもそうです、「MINAMI中の教職員であることを誇りに思う」と、心から思える、よい学校にしていきましょう。 よい学校というのは、「在る」ものではありません。 ころがっているものではありません。 先輩たちから、しっかりと受け継ぎ、それを1㎜でも0.1㎜でもよくして、それをしっかりと伝えていくという、ギリギリの努力をして、いい学校を創り出していくのです。 こういう意味で、新2年生、新3年生の役割は大きい。
◆きょうの始業式にあたり、「上級生」として心がけてほしいことを1点、そして、「中学という時代を生きる人間」として忘れないでほしいことを1点、お話しします。
まず、「上級生」として。 いばる上級生にならないでほしい。 いばる上級生ほど、みっともないものはない。 下級生がいばるのは、かまわない。 いい学校や、いいチームは、下級生がいばっています。 上級生は、絶対にいばりません。 わたしが、ず~っと、大切にしている、ひとつのエピソードがあります。 明治大学の野球部の話です。 もう今はお亡くなりになりましたが、有名な監督がいました。 島岡監督。 37年間、明治大学の監督をしました。 明治大学の野球部は、全員、寮で合宿しています。 その寮を島岡寮といいます。 この寮のトイレ掃除は、だれがやるか? 島岡寮では、最上級生がやることになっています。 大学ですから、1年生、2年生、3年生、4年生がいる、その4年生がトイレ掃除する。 それも、キャプテンが先頭になって、責任をもってやる。 今、楽天の監督・星野仙一さんも、明治大学の野球部出身で、キャプテンでしたから、毎日、毎日、トイレ掃除をしたそうです。 今のようなトイレではないから、たいへんだったそうです。 そのトイレを素手で、ピカピカに磨きあげたそうです。 いやなことは、下級生にやらせない。 いやなことは、「わたしたちがやるよ」という、やさしくて力持ちの上級生になってほしい。
◆次に「中学という時代を生きる人間」として、忘れないでほしいこと。 これはなんどもなんども言ってきたことなのですが、中学という時代は、どういう時代かというと、いろいろあるけれども、いちばん大切なのは、親の保護、親べったりから、人生、独立に向けて、一歩一歩踏み出していく時期だということです。 では、独立に向けて一歩一歩踏み出すとは、具体的にどういうことか?
「お父さん、あるいは、お母さん、ここまでほんとうにありがとう。まだまだ心配をかけるけれども、これからは自分でやれることは自分でやり、お父さん、あるいは、お母さんに心配をかける量を減らし、悲しませる量を減らし、また、もう中学生だから、お金を使わせる量も減らしていきます。そして、なりたい自分をめざして、いっしょうけんめいに、がんばります」ということなんですよ。 これが、独立に向けての一歩一歩です。 だから、逆に、親に心配をかける量を増やしている人を、中学生とは言わない。 親を悲しませる量を増やしている人を、中学生とは言わない。 お金を使わせる量を増やしている人を、中学生とは言わない。
悲しませる量を増やしているという人は、わたしのところに来なさい。 叱るのではありません。 わたしも、あなたといっしょになって考えたいと思っています。 ぜひ、来てください。
新しい年度の1学期、MINAMI中生、ひとりひとりが、真に独立に向けて一歩一歩、踏み出してくれることを強く期待します。
最後になりますが、歌声が響く学校、日本一を実現しよう。 品格日本一を実現しよう。 学力日本一を実現しよう。 そして、大いに読書しよう。 月、火、水、木、金、5回の昼休みのうち、1回でもいいから、図書室に行って、いっしょに本を読みましょう。 本を読まないで高校生になってしまったら、たいへんだ……と、わたしの願いを述べ、式辞とします。(始業式式辞、以上)
〈入学式・式辞〉
春の光りがふりそそぐ、このよき日に、日頃、本校に何かとご援助を賜っております、多数のご来賓のご臨席を得まして、入学式が、このように、盛大に行えますことを、心より感謝申しあげます。
新入生のみなさん、入学おめでとう。 今、みなさんが見ているステージの上のほうに、本校の校章があります。 ステージの奥の壁にもあります。 みなさんに向かって、うみねこが、力強く羽ばたいています。 これは、本校の教育目標、①心豊かで、②自ら学び、③健康なMINAMI中生を表しています。 新入生のみなさんが、この校章のうみねこのように、元気に、はつらつと、未来に向かって、力強くはばたいてくれることを強く願っています。
また、校章のコバルトブルーは、太平洋の海の青、空の青をあらわしています。 この海の青、空の青の中を、群れをつくらないで、何にも染まらないで、たった一羽で、たったひとりで飛んでいます。 中学という時代は、親の保護、親べったりから、人生、独立のための第一歩を踏みだす時期です。 このうみねこは、こう言っています。 「お父さん、あるいは、お母さんのお陰で、ここまで、元気に生きてくることができました。 ほんとうにありがとうございます。 まだまだご心配をおかけしますけれども、これからは中学生ですから、自分でやれることは自分でやるようにがんばり、お父さんやお母さんに心配をかける量をへらしていきます……」と。 このうみねこは、人生の独立に向け、力強くはばたく、MINAMI中生を表しています。
今、独立の第一歩を踏み出すみなさんに、ひとつ、わたしの体験を話します。 わたしが、ちょうどみなさんと同じ年齢のときに、わたしは、その後の、わたしの人生・生き方に、強い影響を与えた、一冊の書物に出会います。 それは『シートン動物記』です。 この中の「灰色熊の一生」を読んで、ポロポロとわたしは涙をこぼしました。 「伝書鳩アルノーの物語」というのも、よく覚えています。 しかし、わたしに強い影響を与えたのは、動物記そのものではなく、書物のいちばん最後についている「シートンという人はどんな人かという解説文」でした。 解説文に、こんな場面が出てきます。 大人になったシートンが、お父さんとお母さんに向かって「お父さん、お母さん、わたしをここまで育ててくれて、ほんとうにありがとうございました」 と言って、テーブルに包みを置きました。 「これは、お父さんとお母さんが、わたしをここまで育てるために使ったお金です。ほんとうにありがとうございました。お返しします。このお金は、お父さんとお母さんで使ってください」 これを読んで、わたしは、2つのことを考えました。 ひとつは、「そうか、こうして返すものなのか。よし、僕も、お父さん、お母さん、これが、お父さんとお母さんがわたしを育てるために使ったお金です。お返ししますとやってやろう、そうしなければいけない」……と思いました。 もうひとつは、「大人になって返すとすれば、たくさん返すのはたいへんだ。だから、今、あんまり使わないほうがいいなぁ」(*^_^*)と考えました。
わたしの体験の話は以上です。
もちろん、みなさんはまだお金を返すことはできませんけれども、これまで育ててくれた親に、あるいは、お世話になった方々に、おじいさん、おばあさんに、感謝の気持ちを強くもってほしい。 加えて、「心配をかける量」を減らし、安心してもらえる、喜んでもらえる量を増やしてほしい。 このようにして、一歩一歩、前進・成長していくのが中学という時代です。
みなさんが、毎日の勉強に、生徒会活動に、行事に、部活動に、このMINAMI中で、先生方と、友人たちと、ご家族と、地域の方々と、いっしょに、人生の貴重な、1分1秒を刻みながら、大きく成長することを願っています。 新入生のみなさんへの、わたしの話は以上で終わりです。
さて、保護者の皆様、お子様の中学生としてのスタートを心よりお喜び申し上げます。 私ども、教職員一同、お子様をお預かりした、大きな責任を果たすべく最大の努力をいたす決意でございます。 短く4点申しあげます。 1つ目、これは2月の保護者説明会でも申しあげましたが、知的で楽しく、かつ、トップレベルの学力がつく、授業を創ります。 2つ目、生徒の心と身体の安全のために、安全管理と事故防止を徹底します。 3つ目、「困っている人に親切にしよう」「ゴミを拾おう」「他のためにがんばろう」など、生き方の原理・原則を重視した教育を行います。 4つ目、地区の安協、防犯、町内会、子ども会など地域の諸団体、あるいは公民館、Minami小など、地域一体となって展開しております「すこやかみなみネット事業」を通し、学校と家庭と地域のバランスがとれた教育システム、学校と家庭と地域がそれぞれの立場で自由に、気軽に、参画できる教育システムを開発していきます。
いい学校というのは、そこ、ここに、ころがっているものではありません。 学校と家庭と地域が協力し合って創りだしていくものです。 こういう強い決意で、これまでも地域のみなさまと一体となって取り組んできました。 どうか保護者のみなさまにも、PTA活動、すこやかみなみネット事業に、それぞれ、やれる範囲、参加できる範囲で結構ですから、……たとえば、休日だったらいいでよ、あるいは、夜だったらいいですよ、インターネットだったらいいですよ……と、できる範囲で結構ですから、いっしょにやりましょう。 よろしくお願い申し上げます。
地域のご来賓のみまさま、MINAMI中の新入生が、これから3年間、このMINAMI中で、このMINAMIの地域で、貴重な1分1秒を刻んでいきます。 どうぞ成長を見守り、ご支援を賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。(入学式式辞、以上)
◆午前中、始業式のあと、隣のMinami小の入学式に出席した。 小学校6年間、山あり、谷あり、涙あり……非連続の連続の大冒険。 くわえて、中学3年間の、これもまた、非連続の連続、山あり、谷あり、涙あり、晴れたり、曇ったりの大冒険。 きょうが、その「基点」だ。 式場に身を置き、胸がいっぱいになる。
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