職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

★深浦町のコーヒーの味&日本で一番いい公立中学校

2013-08-22 12:23:01 | 僕のモンマルトル日記

 

茫漠特急
深浦町のコーヒーの味
2013
08.22

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★午前3時半起床。
 コーヒーを淹れる。
 マンデリン(手鍋焙煎・ミディアムロースト)。
 65℃のお湯を注ぐ。
 お盆に、90℃、80℃、70℃、60℃と試してみて、今、自分が求めている味は「65℃」だと分かった。
 昔、深浦町の喫茶店で飲んだ味が、これだった。
 昔、大阪・生野区の喫茶店で飲んだ味が、これだった。

 口にふくむと、夜、カミナリがピカッと光り、万象の輪郭がクッキリとみえるように、僕の人生がみえる(ノ△・。)。

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職員通信 2013/08/22号
★日本で一番いい公立中学校
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★この図は、前回提示した本校「経営の重点」の「達成基準」だ。
 なんでも数値化すればいいとは思っていない。
400人の中学生全員に、朝、起きたとき「社会の授業が楽しみだぁ~!」「国語の授業が楽しみだぁ~!」と家を飛び出してくるような学校経営というのは――当然、そうでなればいけないと僕はとらえているけれども――なかなかむずかしい。
 しかし、「むずかしい、むずかしい」といっていては、なにもはじまらない。
 「教育の成果は見えにくいもんだ」といっていては、日本の中学校教育はいつまでたっても変わらない。
 具体的な「目標」を設定し、「この1ヵ月で、ああ、これだけよくなったんだ」と――逆に「こんなに悪くなったんだ」と――教職員全員で確かめ合いながら前進していく方法はないか?……と、僕たちが可能性を信じる実践を、勘を頼りに、微調整しつつ、手探りで模索するうちに、この「達成基準」にたどりついた。
 「公立中学校の教職員として、なにがなんでも、最低、これだけは達成する」という目標である。
 「これが達成できると、他はあとから着いてくる」という目標である。
 そして、それに迫るための基準である。

★あえて粗い思考をした……ともいえる。
 「262の法則」がある。
 教育の論理ではない。
 あえてこれを教育にあてはめてみる。
 たとえば、学校の定期試験週間(定期試験前の1週間をさす)でいうと――
 20%は、「やるな」といっても試験勉強をやる。
 60%は、教師の働きかけ次第で「やる」生徒にもなるし、「やらない」生徒にもなる。
 20%は、どんな働きかけをしても絶対にやらない。
 この全員を対象に試験勉強をやらせようとするのはなかなか骨の折れる話だ。
 しかし、今回の試験は、「60%の半分」と、いちばん最後の「20%の生徒」に試験勉強をやらせることに全力をあげる……と考えると、対策は立てやすくなる。
 本校には朝自習の時間がある。
 また、定期試験週間は、昼休みに「試験週間・基礎学力アップ特訓教室」(試験直前特訓学習会)がある。
 この朝自習と特訓教室を――たてまえとして全員を対象に実施はしているのだが――中味ははっきりと最後の「20%の生徒」にしぼる。
 あるいは、本校では「⑤全員に50分間の学習活動を保証する」ことが原則になっている。(「授業力向上の5原則」のひとつ)
 必ず全員が活動(作業)する――手遊びしたりあくびをしたりする生徒がひとりもいないように――授業プログラムを組んでいる。
 このプログラムを――もちろん、全員を対象に実施はしているのだが――中味を「60%の半分」にしぼる。
 これを家庭学習につなげる。

 「達成基準」は、こういう「粗い思考」の延長線上にある。

 「3.生き方の原理・原則」、「4.安全管理」、「5.教育環境」については、説明を省略する。

 この達成基準において「オール5」になれば、ま、日本一ではないかもしれないが、相当にいい学校だといえるのではないかと考えている。

★もちろん、決定版ではない。
 本校の「達成基準」が、すぐれた教育思想の具体的な表現か?と自問すると、けっして「そうだ」とは言えない。
 まだまだ、これから長い時間がかかりそうである。
 僕らが(教育史上の)歴史的存在であることを自覚しつつ、ひとつひとつ修正し、いいものにしていきたい。

★画像=「試験週間・基礎学力アップ特訓教室」(試験直前特訓学習会)の様子

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★補足1
 本校の「経営の重点」――
(1)(本校の教員は)学びの喜びと確かな学力の保証をめざし、知的で楽しい授業を創る基礎・基本の修業を徹底します。〈プロ教師への道〉
(2)学校・家庭・地域が協働できる教育システムづくりをめざし、MINAMI小・中PTAを核にすこやかみなみネット事業を推進します。
 この2つは、密接不離、表裏の関係。
 日本の教育危機の元凶は、学校の教育独占体制、あるいは学校の教育丸抱え体制にある。
 学校は、抱え込み、抱え込み――たとえば、理科の教師は肝心要のあすの授業の実験の準備に割く時間も見出せないくらい抱え込み、抱え込み――もうパンク寸前、いや、パンク状態で、教育力が極端に低下している。
 また、学校が(好むと好まざるとにかかわらず)どんどん抱え込んでしまうものだから、当然のこととして、家庭・地域の教育力も低下する。
 これを修正し、学校・家庭・地域、それぞれの教育がバランスよくならないかぎり、どんな施策を打ち出しても、あまり、いや、ほとんど効果はあがらない。
 逆にいうと、バランスさえよくなれば、日本の教育はまだまだだいじょうぶだ。
 「知的で楽しい授業を創る」(重点1)ためには、なんとしても「学校・家庭・地域のバランスがとれた教育システム」(重点2)を開発しなくてはならないという発想である。

★補足2
 前回も述べたが、学社連携(重点2)の達成基準の設定はむずかしい。
 学校教育は計画的、系統的な特性をもつ。
 社会教育は、反対に、無計画的、非系統的な特性をもつ。
 だから、連携&融合すればいいのだが、その達成基準となると頭を抱えてしまう。
 ホンマ、むずかしい課題である。

★補足3
 文中に「授業力向上の5原則」が登場したが、その5つとは、次の通りである。
 ①授業の目標、ねらいを明確にする
 ②指示・発問は全員に、短く限定して述べる。
 ③達成状況の確認をして授業を進める
 ④1人1人の生徒のがんばりに気づき、認める
 ⑤全員に50分間の学習活動を保証する

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★補足4
 「達成基準表」の中にある「非行」とは次の内容を指す。
 非行=①窃盗等(万引き・占有離脱物横領)②暴力行為(対人・器物破損)③金銭物品強要 ④薬物乱用 ⑤無免許運転 ⑥不良行為(喫煙・飲酒・深夜徘徊・無断外泊・家出・授業抜けだし・授業妨害)⑦いじめ ⑧その他

★補足5
 文中に「すぐれた教育思想」が登場したが、本校では次のように考えている。
 〈教育思想①〉教師は、一人残らず、すべての子どもの可能性を信頼すべきである。
 〈教育思想②〉教師は、一人残らず、すべての子どもの個性力量に依拠すべきである。
 〈教育思想③〉教師はすべての責任をまず自分自身に帰すべきである。常に謙虚に。
 〈教育思想④〉教師は、一人残らず、すべての子どもに生きる勇気を与えなくてはならない。
 〈教育思想⑤〉教師は、一人残らず、すべての子どもに知識と知恵と技を育てなくてはならない。


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