◆うわさを聞いたときから気になってしようがない調査だった。
10/6、内閣府の規制改革・民間開放推進会議は「学校制度に関する保護者アンケート」の結果を発表した。小・中・高校に子どもを通わせている保護者を対象に、学校や学校の教師への評価、教員養成の在り方などについて聞く内容。
子どもが通う学校の設置者別内訳は、国立21人、(1・7%)、公立1085人(85・4%)、私立159人(12・5%)など。保護者の最終学歴は、中学校・高校28・7%、専門学校 11・6%、短大14・5‰、大学・大学院43・0%などとなっている。
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内外教育 |
◆塾70.1%VS.学校4.3%……。学校=43%ではない。4.3%だ。なんというデータだと思うが、この学区で調査をしても、ほぼ同じ結果がでるのだろうか?
この結果について各教育誌の論調は(教員が購入することによって成り立っている関係からか←と、わたし=小高はひややかにみているが……)学校側に同情的である。
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教育誌 |
◆こういう弁解めいた論を読んでいるうちに、以前、ベストセラーになった『学校崩壊』(河上亮一)の一節〈……勉強はみんながみんなやればできるようになるわけではない。授業はだいたい半分から少し上の生徒たちを基準にして行われるものだが、生徒全員が理解したとか、テストをやってみんなが百点取れるようにすることなど不可能なことである。〉〈もともと、義務教育の小・中学校で行っている教科教育は、きわめて基礎的なものであり、どんなやり方をしても「面白くない」ものだと思ったほうがいい〉を思い出してしまった。
わたしはA誌、B誌の論調や河上氏のアマ的・ゴロ的な主張には組しない。
クラスの平均点が90点を突破する
~ 教育技術学的常識 ~
◆〈データ★(省略)〉塾70.1%の背後には、「みんな100点でないこと」への不満がある。自分の感覚に即して素朴にいわせてもらえば、わたしも「みんな100点でないこと」は、「変」だと思っている。
はじめて小学生を指導したのは根岸小学校5年2組、6年2組(ともに児童数47名)で、年度末に実施した算数NRTのクラス平均はSS69。ほぼ全員90点以上だった。これがあたりまえで、河上氏の主張はまちがっているとわたしは思っている。
わたしだけではない。今、話題の「向山型算数・数学」の授業では、「教科書通りに授業する」「教師は、ほとんど説明しない」「リズムとテンポのある授業」で、「クラスの平均点が90点を突破した」「中学校でもクラスの平均点が80点を突破した」「昨年までクラスで一番数学が苦手だった生徒が70点を取るようになった」「生まれて初めて、算数・数学で100点を取った生徒もいる」……などの実践が報告されている。
河上氏の主張とは異なり、指導者に技術と情熱、それに教養があれは〈算数など、かなりの学習遅延時児でも、60点 NRT・SS55 はいく〉というのが、今、教育技術学的な常識になっている。蔭山氏の実践もそうだ。
多様な機能を要求されている学校とはいえ、プロなのだから、限定された狭義の学力において、塾に負けてはいけない。
ちなみに、根岸小6年2組の国語NRTのクラス平均はSS64(←たいした成績ではない。ときどきこれに近い数値を目にする)。当時のわたしの力では、国語の全員100点はむずかしいかった。その後に勤めた根城中でも、3年かかって「全員80点以上」が限界だった。
塾関係者が授業のやり方を教えてくださいと訪ねてくるようなみなみ中学校にしたい。みなみ中教師の奮闘努力に期待したい。
◆スペースがあるので、内閣府調査のつづき。こちらもおもしろい。
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