模擬授業というのは、教師たちが、「授業者」と「生徒役」にわかれて行う。 サムライ中の場合、「生徒役」の教師は20名程度。 一般の方には、なんだか「授業ごっこ」をやって遊んでいるように思われるかもしれない。 しかし、実は、結構、プレッシャーがかかる。 ふつうの授業研究会(含授業参観日)だと、参観者は、教師の指導行為と、子どもたちの学習活動(反応・作業)とを照らし合わせながら参観する。 だから、これまで冷や汗をかきつつ、「参観者」や「生徒役教師」の視線にさらされつづけてきた僕の経験からいうと、授業者のプレッシャーは半分、あるいは半分以下(30%くらい)なのだ。 しかし、模擬授業では、参観者の視線は、100%、教師そのものに注がれる。 教師の発する一言一言に、教師の指導行為の一つ一つに。 身体がカチンコチンになる(ノ△・。)。 ★大切なのは、なんのためにカチンコチンになる模擬授業をやるのか?……ということだ。 サムライ中では教師修業の中心がこの模擬授業だ。 粗くいうと、「芸」を磨くためだ。 あるいは、教師の指導行為を「芸」のレベルにまで高めるためだ。 小説家の小説も芸だ。 BLOGの日記とは異なる。 家具屋のつくる椅子も芸だ。 「魂をこめてつくりましたから座ってみてください。絶対に損はさせません」と客の前に出すものだ。 教師の指導行為も同じだ。 「大切なことを教えているんだから、黙って聞け、黙ってやれ」では通用しない。 日本の公立中学校の教師たちが、自分たちの指導行為を「芸」のレベルにまで高めると、日本は変わる。 いじめも不登校も非行も、また最近、話題になっている体罰の「暴力連鎖」問題も、すべて解決できる。 僕らのサムライ・チームでは、30人を超える不登校生を、指導行為を「芸」にまで高めることによって――正確には「芸」にまで高める努力を継続することによって――「0」にしている。
★模擬授業の進め方は、 授業者1人につき―― ①模擬授業10分間 ②2人の指定発言者からのコメント(各1分間) ③生徒役Tからのコメント(1分間) ④指導助言者からのコメント(2分間) 合計、15分間だ。 コメントは―― ①代案「ここはわたしだったらこうする」 ②「ここはこういう点でスゴイ、すばらしい」 この2種類とする。 しかし、僕たちは修業過程にあるので、③「ここは変だ、なんだか変だ……。しかし、代案は提示できない」というコメントも認めている。 代案を追究することによって技量が上がる。 代案を示さない発言は無責任だ。 これをつづけていると、修業レベルが確実に低下する。 ただ、この③(「何だか変」)に、授業力向上に関して重大な内容が隠れていることがある。 発言者が「代案」を示せなくても、他の人が示す場合もある。 教員全員の追究課題になることもある。 この②と③の「微妙さ」を、サムライ中教員が共有していれば、いいかげんな修業に堕することはないと思っている。 ★サムライ中では、授業者が4人以上の場合、「模擬授業大会」と称している。 会議のスキマ等で、1人、2人がやる場合は、ドコモ(いつでもどこでも模擬授業の略)という。 本日の授業者は、八重T(国語)、南原T(数学)、大向T(美術)、安代T(体育)の4人だから、模擬授業大会だ。 今回は、総合学校教育センターから2人の指導主事を招き、指導助言をしてもらった。 休憩のとき、指導主事が「テレビドラマを観ているようで、鳥肌が立った」と言っていた。 その場では、僕も笑ってあいづちを打ったが、「テレビドラマを観ているようで……」には心底、失望した。 指導主事のレベルが低いのか? あるいは、僕らの修業がまだ「テレビドラマ」級だということか? なお、生徒役教師は、次の4タイプのいずれかを分担している。 ①やる気があり、能力も高い。 ②やる気があるが、能力はあまり高くない。 ③やる気はないが、能力が高い。 ④やる気もないし、能力もあまり高くない。 サムライ中では男の体育教師がこの「③」あるいは「④」の役を率先して引き受けている。 模擬授業中、次々に難題、めんどうごと、ゴタゴタ、やっかいごとを引き起こす。 これをどうクリアーするのか?も「芸」のうちだ。(つづく――次回は、八重Tの模擬授業) ★読んでいただき、感謝します。ついでといってはなんですが、下のバナーのクリック、ガンガン、よろしく頼みます☆(●≧з≦●)。 にほんブログ村 にほんブログ村 ★さらにリアルな情報は小高進の公式ホームページへ★ ★小高進のWEB無人駅線ページへ |