職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

長年生徒会活動に携わってきた者からすれば、今の生徒会活動はかなり?である。にもかかわらずこんなに高い

2006-11-25 15:44:36 | Weblog




■「教務通信53号(文責 志塚聡)」に、教職員による学校評価の結果が掲載されている。
 評価の数字は、4段階評価を100点満点に換算したものだ。
 だから、上位にランクされた項目の点数は妥当性が高いが、中位~下位は20~30点ほど減点してみなければいけない。

研修の推進 90
研修体制の確立 90
小学校と中学校との接続 90
学校行事の充実 85
経営方針の確立 83
体育の充実 83
生徒指導体制の確立 83
研修成果の蓄積と活用 80
児童会・生徒会活動 80
安全指導 80
情報の共有・発信 80
授業の実践 78
保健指導 78
問題行動発生時の対応 78
安全管理と事故防止 78
総合学習指導体制の確立 78
学級活動の充実 75
授業の実践 75
生徒指導の充実 75
学年・学級経営の充実 75
教育相談活動の推進 75
適正な組織・運営 75
教育課程の実施と管理 75
教育環境の整備 75
授業計画の作成 75
評価の工夫 73
  (中略)
環境教育の推進 55
幼・保と小学校との接続 53
        (『教務通信53号』文責 志塚聡)




■73点「評価の工夫」以下はアウトだと考えてみれば、おおむね妥当な評価結果だと思う。
 ただ、上位の項目にも2、3、疑問に思うものがある。

 列挙する。

①「小学校と中学校の接続」……社会教育(含PTA活動)における小学校と中学校の接続は優れている。
 しかし、学校教育に限ればまだまだである。
 前者に眩惑された評価結果である。

②「学校行事の充実」……本校のお家芸「合唱コンクール」の印象が強すぎるのだろうか?

③「生徒会活動」……長年生徒会活動に携わってきた者からすれば、今の生徒会活動はかなり?である。
 にもかかわらず、こんなに高い評価になってしまうのは、生徒会活動とはなにかがよくわからない教員が増えてきた結果である。
 責任を感じる。

 ④「保健指導」……もう少し高い評価をしてもいいか……。






■画像は、みなみ小中連携事業・すこやかみなみネット杯ソフトバレーボール大会とその後の懇親会。

2006/11/25(土)10:36〕


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発行したものを「読む人々」が「観客」だと考えると、わたしはいわば、劇場の座付作者ということになる

2006-11-25 14:04:38 | Weblog




■教師にとって教室は舞台だ。

 わたしは、その舞台の裏で、毎日、せっせと授業を記録し、A4、2枚にまとめ発行していきたい。
 発行したものを「読む人々」が「観客」だと考えると、わたし(=小高)はいわば、劇場の座付作者ということになる。

 これまでもポツポツとは発行してきた。
 でも、ポツポツとではダメなのだ。
 ポツポツと発行する「スタイル」は既にできている。
 しかし、毎日せっせと発行しつづける「スタイル」はできていない。
 今年じゅうに完成させたい。

■11/13 2時間目、須藤裕美Tの学活の授業(1年2組)を参観した。

 座付作者として、その日のうちに、即「発行」しなければいけなかったのだが、せっせと……どころか、10日たっても発行できなかった。
 弁解になるが、出張がつづいたし、参観日の準備、教職員の定期異動事務に追われた。
 どんなことがあっても、劇場の座付作者として、ビクともしない、ぐらつかない、しっかりとした「スタイル」にたどりつかなくてはならない。

 題材名は「自分の特徴を知ろう」(3時間計画のうちの2時間目)。
 エゴグラム(←この検査の説明は省略する。ご存じない方はインターネットで検索をかけて調べてみてほしい)を使い、自分で思っている「自己」と、他者からみられている「自己」の相違から、自分を分析し、さらに高めるために必要なことを考えよう……という授業だ。

■いい授業だった。

 わたしは、今は座付作者だが、元々は授業者だから、参観していると、からだが自然に反応する。
 マズイ授業だと、フリーズしたり、汗が吹き出たりする。
 これは比喩ではない。
 ほんとうに、こういう現象が起こるのだ。

 この点、きょうの須藤Tの授業は、参観していて(自分のうちに浮かびあがったことばをそのまま記述するとすれば)自分の精神が心地よいリズムで歩行&ダンスしているのがわかった。

 今、手元に『教務通信57号(文責 志塚聡)』(現在は、朝の校長、教頭、教務主任の打ち合わせ時にしか登場しないが、やがて職員室にも配られる予定。以下、〈教57〉)がある。
 ここでも、今回の授業が取り上げられていて「発問・指示等の基本が基準レベルを超えているので授業が安定している」「教師の表情がよい。笑顔がすばらしい。生徒の表情もとてもよく、楽しい雰囲気で授業が行われていた」(志塚)とある。

 わたしの感覚を裏付ける記述だ。
 「発問・指示等の基本が基準レベルを超えている」の具体例として、
 ①作業内容、作業時間等、作業開始時の指示が的確だ。
 ②「達成状況をきちんと確認している(志塚)〈教57〉」。挙手の数え方も「2、4、6」と数えるために速い。
 ③「終わった人は、グラフを……」と次の課題を提示し、空白をつくらない工夫している。(ただし、はじめに指示しておくべき。)

■もう1つの要素が「語り」だ。

 「語り口調がやわらかで聞きやすい(古館)〈教57〉」。
 同感である。
 夏期休業中の模擬授業では、声質がやや高く、かつ大きいという印象を受けたが、きょうは、かなり抑えられ、やわらかく、かつメリハリがきき、リズムがあった。

 生徒への感謝、ねぎらい、感動のことばも自然だ。
 もちろん、「あの~」「えぇ~ッと」などは一切ない。
 ふと一瞬、授業の名人・野口芳宏氏の語りが、わたしの頭をかすめた。

 また〈授業の展開前半〉自分がよいと思っている点をチェックカードに書かせる場面で、「はい、1分たちました。まだ書いている人がいます。書きあげた人は手を置いて……もう少し待って」という指示を出すとき、通常よりぐっと声量を落としている。
 これだと作業を継続している生徒はほとんど気にならない。

■課題を2点。




★1つが「青い山脈型」に流れることだ。

 〈教57〉にも同じ指摘がある。
 (もちろん、青い山脈型がすべて悪いとは思わない。青い山脈型で、流したほうがいいという場面もないことはない。)

 導入の場面だった。
 まず、
 ①生徒に教師(=須藤T)のよい点をあげさせる →
 ②そのあと教師自身が自分でよいと思っている点をあげる →
 ③この両者を比較して、自分が思っている自己と他者からみられている自己に相違があることを気づかせる……という場面(2分間)だ。
 須藤Tは、ここを、いわゆる青い山脈型でサラッと流したのだが、もっと鮮明に「違い」を印象づける工夫が必要だ。

 わたしだったら「わたしが自分でよいと思っている点」を3つ書いた張り物を用意し、黒板に伏せておく。
 生徒には30秒間考えさせたあと、列指名などで発表させて、その発表内容と対比して、「違い」を鮮明にする。

★もう1つが、生徒が主役になる場面が一度もなかったことだ。

 もちろん教師が主役でいいし、授業は教師が主役でなければならないと考えている。
 だが、生徒が主役の場面も創出しなければいけない。

 「黒い線(自己評価)、赤い線(他者の評価)を見くらべてどう思うか?の発問に対して何人かに発表させるべきだ(舘田)〈教57〉」は、このことを指摘している。
 同じく「終末が説教みたいな感じになったが、それでいいのか?(志塚)」もそうだ。
 作業内容の密度が高い授業なので、説明→作業→説明→作業……という流れはやむをえないが、生徒が主役になる場面を設定するとすれば、舘田T、志塚Tが指摘する場面だった。

(文責 小高 進)

■画像は、須藤T。

[2006年11月25日(土)]


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「ほにゃららと言えば」というHPで、堂々の1位。ここ数年の自分の生き様を象徴していて誇りに思いまっせ

2006-11-20 13:07:31 | Weblog




■どういうハズミだったかは思い出せないが、偶然、奇妙な……というか「世の中には、ホンマ、物好きな人もいるもんやなぁぁ……」というHPに出くわした(*^_^*)。

 「ほにゃららと言えば」というHPだ。

 たとえば「教育」と言えば、
 ①寺脇研
 ②西沢
 ③北村弥枝
 ④大内正夫
 ⑤石井勲……と出てくる。

 当然、私の名前はない(>_<)。
 実績が、全然ないのだから、当たり前なのに、こんなふうに自分の名前がないという事実に直面すると絶望してしまうところがわたしにはある。

 ところが、あったのだ。




■「有家駅」と言えば……。


 ①小高進
 ②南昌一……(以下、省略)。

 「南昌一」をYahoo検索で調べてみると、有家地区の会長さん(76歳)。
 おお!
 なんと、わたしは、有家地区会長・南昌一さんを抜いて堂々の1位なのだ!(^^)!!(^^)!。




 まだある。
 「八木駅」と言えば……。
 名前でないものも2、3混じっているのでカットすると……。


 ①小高進
 ②阪本
 ③株式会社山晃
 ④アリアン
 ⑤林崎松江
 ⑥米田政史
 ⑦八木眞……(以下、省略)小高進
 




 まだまだある。
 「無人駅」と言えば……。


 ①鉄子
 ②すずきさちこ(『電車でひゅるるん無人駅』の作者)
 ③小高進
 ④奥泉
 ⑤園山多賀子……(中略)
 ⑱宮本輝……(以下、省略)
 


 鉄子とは女性の鉄道ファンの俗称だからカットすると、これは2位。
 宮本輝に勝っているというのがうれしい(●ノ□ヽ●)。




■ちなみに、このHPのトップに、「順位の決め方」が紹介されている。
 一部、抜粋する。

・Yahoo!のAPIを使って、検索エンジンのヒット数、各ページのタイトルとサマリーを取ってくる
・ヒット数を有名度とする
・CaboChaを使って、形態素解析と固有表現抽出をして、タイトルとサマリーに含まれる人物、組織、場所、名詞を抽出する
・各単語ごとにTF-IDFを計算して、上位50件をキーワードとして表示する。

 


■タウンミーティングやらせ問題、いじめ予告対応の問題、教育過程未履修問題、加えて自身の過密なスケジュール(過密なスケジュールがイヤなのではない。そのために真にやらなければならないことができないという状態が、自分の精神に打撃を与える……)で、ずっと鬱屈していたが、このHPをみて、ひさしぶりに笑ってしまった。

 決して自虐的な笑いではない。

 ここ数年の自分の生き様を象徴していて「誇りに思いまっせぇぇぇぇ~!(^_^)v(^_^)v(^_^)v(^_^)v(^_^)v(^_^)v(^_^)v(^_^)v(^_^)v(^_^)v」という笑いだ。

■画像は陸中八木駅。

[2006年11月20日(月)]

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自分が精魂込めて築こうとした学社連携・融合都市八戸が崩壊しかけているというのに、黙って、事務的に決裁

2006-11-08 10:45:06 | Weblog



■すこやかみなみネット副主任Tが校長室にやってきた。
 すこ副T「これ、どうしましょう?」
 これというのは、11/28に開催される八戸市学社連携・融合事業担当教員等連絡会のことだ。

◇場所 八戸市総合教育センター大研修室
◇目的 学社連携・融合の推進を図るため、プログラム開発状況を各種団体の事例発表を通じて検証する。
◇次第
 ①開会
 ②教育長あいさつ
 ③事例発表
 ・島守小学校=地域との連携
 ・駒沢幼稚園=地域との連携
 ・東公民館=東地域子ども教室
 ④質疑応答
 ⑤閉会

 すこ副T「はっきりいってメニューに魅力がありません。」
 わたし「同感です。文書を決裁したとき、わたしもショックを受けていました。」
 すこ副T「このメニューからは、八戸市の教育のこういう状態をこのようにしたいという理念もストラテジーも感じられません。」

■すこ副Tは、大切なところを突いている。
 指摘は、その通りだと思う。
 弁解になるが(弁解……というのは、わたしが市教委の前任者だったから……)、以前はこうではなかった。

1.教育長あいさつ
2.青森県学社融合事業の推進法策と現状について
  ①県生涯学習課主任指導主事 石田一成
  ②県生涯学習課指導主事 中嶋 豊
3.八戸市・名川町学社連携・融合事業の推進方策と現状
  ①八戸市総合教育センター指導主事 留目 守
  ②名川町社会教育課社会教育主事 中村貞雄
  ③八戸市教育委員会社会教育課主事 伊藤桂子
4.学社融合推進モデル校実践発表
  ①八戸市立新井田小学校
  ②八戸市立吹上小学校
  ③八戸市立白山台小学校
  ④八戸市立白銀南小学校
  ⑤名川町立名久井小学校
  ⑥名川町立剣吉小学校
  ⑦八戸市立東中学校
  ⑧名川町立名久井第一中学校
  (文書発表校=八戸市立柏崎小、小中野小、白銀小、下長小、町畑小、種差小、番屋小、中居林小、根城小、江南小、明治小、第一中、根城中学校)
5.青少年団体の活動状況と今後の方針
  ①八戸童話会
  ②八戸市子ども会育成連合会
  ③ガールスカウト青森県第4団
  ④八戸海洋少年団
  ⑤ボーイスカウト八戸地区協議会
6.質疑応答、情報交換


 これは今、手元にある13年度の次第で、学社連携・融合連絡会がスタートして2年目のものだ。
 まだまだ手さぐりの状態で、次第をみてもヒヨヒヨとしている。
 しかし、これが土台になって14年度、15年度とホンモノの学社連携・融合会議へと展開していくのだ。




■わたしは今年度の案内文をみて、あまりにやせ細り、比喩ではなく泣いてしまった。
 市教委がこれでは八戸は、もう、どうしようもない、♪おっとこ~の人生、ひとりたび、ひと~りた~び~♪と……ふてくされ、あきれていた。
 しかし、すこ副Tは、怒っている。
 やせたメニューに対して、学社連携・融合都市八戸が壊れると怒ってくれる人がいる。
 うれしいことだ。
 うれしいことだが、しかし、すこ副Tひとりが怒ったところで、真っ暗闇の状態が変わるわけではない。

■わたし「わかりました。参加を見合わせましょう。会議の内容がこれではあなたに出席しなさいという職務命令は出せませんから」
 すこ副T「はい、わかりました」

 自分が精魂込めて築こうとした学社連携・融合都市八戸が崩壊しかけているというのに、黙って、事務的に決裁している自分が、いちばん問題なのだ。




■湯船に浸かって自分をバラバラにしよう、そのうえで、もしエネルギーがうまれるなら、ネット通信にも書いたように「山小屋暮らし」と「砂利道」と「戦争詩」と「智恵子抄」……を組み合わせたところの「魂の置き場所」から再出発しよう……と、近所の銭湯〈森の風〉にいく。

 9月末に温泉を掘り当てたらしく、長根公園温泉と名前が変わっていた。
 「長らくご迷惑をおかけしました」という店主のあいさつ分の隣に張られた「成分分析表」をみると、温泉の定義、ぎりぎりセーフ。
 近所に温泉が湧いたと思うと、スゴク豊かな気持ちになる。

■画像は、不審者対処法訓練。

[2006年11月08日(水)]

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「山小屋暮らし」と「砂利道」と「戦争詩」と「智恵子抄」……を組み合わせて、自分の「魂の置き場所」を

2006-11-07 08:20:20 | Weblog



■〈すこやかみなみネット通信11月号〉がきょう発行になった。
 いつもより1週間遅れ。
 職員会議が10/30、学年会議が11/1という設定だったからだ。

■通信は、臨時号を除いて、通常A4版12ページはめこみ式だ。
 今回の各ページの見出し。

(1)教育改革は学校・家庭・地域の連携から
(2)(参観授業後の)思春期子育て講座のご案内
(3)~(4④ブレないで可能性を信じて教育実践を積みかさねよう(本校の経営の重点と教育再生会議)
(5)1学年通信 特集 盛況だった親子レク
(6)2学年通信 特集 職場体験学習始まる
(7)3学年通信 特集 八戸市合同音楽祭感動のステージ
(8)保健便り〈ほっと〉冬じたくは進んでいますか?
(9)部活動など大会結果 科学部県大会で好成績
(10)部活動実施計画
(11)教務月報
(12)600字の教育学




 この最後の「600字の教育学」コーナーで、9月号から「2学期始業式・式辞のつづき」として「魂の置き場所を求めて」を連載してきた。
 ずっと書きつづけたいのだが、いつまでも2学期の始業式・式辞をつづけるわけにはいかない。
 今回で終わることにする。

     ◇

■600字の教育学=2学期始業式式辞のつづき。
 前回は、S27年、高村光太郎が、十和田国立公園記念碑・智恵子夫人像の完成後、再びこの小屋(光太郎山荘)に帰るつもりで、(栄養障害と結核で)血を吐きながら東京に向かうところまで書いた。



■山荘駐車場の脇に赤いレンガづくりの小さな食堂&売店「詩の森」がある。
 メニューの中に「光太郎そば」「冷やし光太郎そば」というのがあった。
 せっかくだから、冷やし光太郎そばを注文する。
 「よくかき混ぜて食べてください」と女主人がテーブルに運んできたそばの上には、ネギ、納豆、卵、ワサビなどが盛りつけてあった。
 20歳の頃、一度やってきたことがあるが、この店のことはまったく記憶にない。
 たぶん、「詩の森」は、まだなかったのだろう。
 そのときは、案内してくれた土地の人がもってきてくれた弁当を、光太郎山荘の裏山にある、クリや松、コブシ、コナラ、ハンノキなどに囲まれた「智恵子展望台」で食べた。








■軽い食事を済ませたところだと言われましたが、おむすび一個を呈上し、たくあんの漬物でいっしょに食事をしました。(『言葉はどこからどこへ』(宮地裕)から引用)
 光太郎がお茶を入れてくれました。
 「夏を越すのは二度目だが、夏は疲れるから、日中は仕事に出ない。
 畑は五畝ほど。
 野菜などの副食物を自給するつもりでいるが、なかなかできない。
 耕具・肥料・殺虫剤、みな不足で困る。
 しかし、いずれは一反までは耕作して、アトリエも近くに建てて、農業と彫刻を両立させたい。
 一年の耕作の予定はよく組むが、思うようにはいかない。
 夜のランプの油が悪いから本が読めない。
 ろうそくは高くて買えない。
 彫刻の材料も木もない。
 今はただ刀がさびないように研いでいるが、近く、小さい物から彫りたいと思っている。(中略)
 それにしても夏は体が弱る。
 冬、小屋の北側はすっかり雪にうずもれる。
 南側にも三尺ほど雪が積もるが、私は血色がよくなって元気が出る。」
 

■照れくさいが、転記しながら、わたしは、光太郎の「一反までは」を、あるいは「アトリエも近くに」を、あるいは「近く、小さい物から」を、これからやろうとする自分の教育の仕事に置き換えている。
 すなわち「山小屋暮らし」と「砂利道」と「戦争詩」と「智恵子抄」……を組み合わせて、自分の「魂の置き場所」をつくりだし、そのうえに「自分の教育の仕事」を築いていこうと決意しているのだ。
 ここを再訪してよかったと思った。
 ここを離れなければいけない時間が近づいている。
 ここに最初にやってきた青年(=過去のわたし)と案内者のことを、もう少し書きこまなければならないとも思うが、青年も案内者も、ここに立っている、頭髪が減りはじめ、鬢に白髪が目立つようになった「男」には気づかないだろう。
 だから、もういい。




■帰路は、光太郎の山小屋から、はなむけ号で花巻駅まで。
 来るときはゆるやかなのぼりだったから、逆にここから花巻駅へは快適なくだり10㎞になる。
 そして、花巻駅から16:02発のJR快速はまゆり、盛岡駅から16:34発の IGRいわて銀河鉄道と乗り継ぐ予定。
 と思っていたら、突然の僥倖。
 光太郎山荘前のバス停に、岩手県交通の、これまでに見たことがないようなすすけたバスが止まっている。
 これにはなむけ号をのせる。

■画像は上から、①光太郎山荘に到着したはなむけ号&山荘周辺の風景&光太郎畑 ②食堂内&食堂のメニュー ③小屋の障子 ④智恵子展望台からの眺め ⑤岩手県交通バスに乗り込む直前のはなむけ号。

[2006年11月07日(火)]

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大西ユカリと新世界の「天王寺」がよかった。出だしの歌詞で、現在のわたしの重心が、トロトロッと溶けだし

2006-11-04 14:16:25 | Weblog



■昨夜、NHK「わが心の大阪メロディー」をみる。
 大西ユカリと新世界の「天王寺」がよかった。
 出だしの歌詞で、現在のわたしの重心が、トロトロッと溶けだしてしまった。

 ♪大阪みなみの玄関口は、
 通天閣がそびえ立つ天王寺。
 坂を下って新世界、動物園に茶臼山。
 おっちゃん、おばちゃん、アベックさんと、
 家族連れまで気楽に過ごす。
 これがおいらのふるさと、天王寺。

 大阪の生野区生まれ、生野区育ちのわたしにとって、天王寺は宇宙への出口、あるいは入口だった。
 わたしのうちにある、あこがれ、あきらめ、幻滅、自棄、絶望、希望……人生の感傷の原点だ。




■この♪「天王寺」が、きっと、明け方の夢に初速度を与えたのだろう。
 いつもの「生野の地図づくり」の夢をみる。

 バリバリと音をたて、わたしは、テーブルの上に白い模造紙をひろげていた。
 まず、真ん中にマジックで、大阪環状線・寺田町駅のプラットホームを描いた。
 次に源ヶ橋の交差点から、生野本通商店街、生野中央商店街、生野銀座商店街……と緑色の太線を引いた。
 わたしの隣には喫茶&居酒屋「太子」のマスター(通称「おっさん」)がいた。
 露地のこまかな部分は、このおっさんが手伝ってくれた。
 「喫茶太子の筋向かいが駄菓子屋や。おっさん、小さい頃、よ~、たこ焼き買いに行ったんや」
 「ここをまっすぐ行くと、肉屋の井上はんとこでっしゃろ。井上はんとこの3兄弟は、おっさんの幼なじみやんか」
 おっさんは地図づくりとは直接、関係のないことをベラベラしゃべるが、露地の隅々まで、よく知っていてホンマ、頼りになる。
 疎開通沿いに生野中学校(母校)、その隣に西生野小学校(母校)、勝山通のそばには勝山小学校(母校)……と書き込んでいった。
 気がついたら、空が白みはじめている。
 「おっさん、もう夜が明けるでェ。ピッチをあげんとアカンなァ」
 と、顔をあげると、おっさんの姿はなくて、おっさんが使っていた赤マジックだけが揺れている。
 仕方がないので、ひとりで天王寺公園付近を描き始めたが、谷町筋、上町筋、勝山通がこんがらがって、よくわからない。
 汗をかいて、途方に暮れているところで、目が覚めた。

 この夢の目覚めは、いつも悲しい。
 


■悲しい夢から目覚めたあと、しめきりが迫り、2、3日前から気になりだした、原稿に向かう。
 午前中で400字詰め原稿用紙換算で10枚。
 パワーが途切れかかっている、最近のわたしとしては、もう狂瀾怒濤の執筆とゆーてもええと思う(*^_^*)。

■〈亜紀さん宛にBBSに返信〉

 「失意の放浪」は継続中ですが、体調はやや復活。
 4月~5月は、身体的>精神的――不調。
 これが、7月~9月は逆転して、精神的>身体的――不調。
 この「精神的>身体的不調」状態というのは、わたし、実は、経験の量が少なく(^_-)、ホンマ、なんとも不安定、身の置き場なく、揺れる屋台上で原稿用紙にむかっている気分。
 今も、この精神的>身体的――不調……という状態に大きな変化はありませんが、共にやや軽減されつつあります。
 というか、ま、投げやり……自暴自棄……と言い換えてもいいかもしれまへん……。
 本日、早朝より、しめきりが迫っている原稿に向かい、午前中で400字詰め原稿用紙換算で10枚。
 パワーが切れかかっている、最近のわたしとしては、もう狂瀾怒濤の執筆とゆーてもええと思います☆.。.:。
 原稿用紙5枚のええモンよりも、原稿用紙100枚のアホなモンを創りだそうという「勇気」です。
 その間、あきらめ、幻滅、自棄、絶望の感情は、すべて忘れていました。



■画像はみなみの夕焼けとみなみの花梨。

[2006年11月04日(土)]

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