◆〈修了式・式辞〉 1学年のみなさんは、あたりまえといえばあたりまえのことですけれども、中学1年という1年間を、2学年のみなさんは、中学2年という1年間を、今、終えようとしています。 本日、この「修了式」は、1年間のひとつの、大切な節目です。 転校していった人もいます。 新しい土地で、今、きっと元気で、修了式を迎えていることと思います。 逆に、このみなみ中に、転校してきた人もいます。 わたしも、転校の経験があります。 転校というのは、ほんとうにほんとうに、たいへんです。 それを、よくがんばって、きょうの日を迎えました。 こうしてみんなで、無事に、きょうの日を、迎えることができ、修了証が渡せることを、先生方と、保護者のみなさまと、地域のみなさまと、いっしょに喜びたいと思います。 おめでとう。 ◆これまでたびたび、わたしは「わたしの人生独立に向けての、1段ロケットは、中学時代だった」といってきました。 この1段ロケットは、わたしという人間の、生き方の、基本・原点です。 原点の例をあげると、ひとつは、目の前の友の、いや、友だけではない、苦しんでいる人のピンチからは、絶対に逃げない。 ピンチの人を助ける。 そのために、自分のやれることを精一杯やるという精神。 もうひとつは、清貧の思想。 貧乏だけど――いや、貧乏がいいのだ――貧乏だけど、夢、希望、志は高いという清貧の思想。 できるだけ親にお金を使わせないように、心配もかけないようにして、そして、自分の夢を実現しようということです。 これが、わたしの中学のときの決意です。 人生の原点です。 ついでにいうと、2段ロケットは、高校2年のとき……。 文章を読んだり書いたりするのが好きでしたから、小説家か、新聞記者か、中学・高校の国語教師か……、このどれかになろうと決意しました。 これが2段ロケットです。 3段ロケットは35歳くらいで、それまでやめようかどうしようか迷っていた中学の教師を、よし、中学教師一本でやっていこうという決断です。 今、言いたいのは、1段ロケットがあるから、2段ロケットがあって、3段ロケットがあるのだ……ということです。 ですから、中学のときの決意が、みなさんの一生を、一生支えます。 今、こうしてステージの上にいる、わたしの隣に、中学の「わたし」がいます。 人は一生、いい意味で、中学時代から逃れることができないということです。 ◆本日、修了式の日にあたり、自分のこの1年間の一歩一歩が、真に独立に向けての一歩一歩であったかどうか、この一年間で、人生独立に向け、決意の「1段ロケット」を打ち上げることができたかどうかを、しっかりとふりかえりましょう。 反省すべきは反省しましょう。 修正すべきはきちんと修正しましょう。 そして、新年度を迎える心の準備をしてほしいと思います。 ◆まず1年生に。 昼休み、1学年の廊下を歩いていると、みなさんの中には、わたしに対して、プロ野球の、たいへんレベルの高い話をしてきたり、あるいは、文学の話をしてきたり……と、ひじょうに議論がすきで、かつ、歌の上手な、豊かで、おもしろい学年だなぁ~と思っています。 いよいよ、4月7日の入学式には後輩たちがやってきます。 ある1年の男子の人が、昼休み、わたしに「今の僕たちって、小6のときの僕が、体験入学のときに見たMINAMI中生なんですね」と言いました。 聞きながら、ほんうにそうだと思いました。 後輩たちは、あなたたちを、おっ、スゴイと思ってみています。 だから、だれかに何かをしてもらう、やってもらう……というアマエの心を去り、逆に、他のために、後輩たちのために何ができるか、どう支えてやれるか……という上級生として、リーダーとしての力強さを発揮してくれることを強く期待します。 議論の好きな学年といいましだが、本も大いに読んでほしい。 本を読まないで、高校生になったら、ダメです。 図書室の本を、読んで、読んで、読みまくってほしい。 1年生のみなさんに心から期待しています。 ◆次に、2年生に。 生徒総会の日に、生徒会長が言った言い方をマネると、あと、11日で新3年生としての1学期が始まります。 MINAMI中をよろしく頼みたい。 悪い学校にするのは、かんたんだ。 3日もかからない。 だれにでもできる。 しかし、いい学校を創るのは、たいへんだ。 生徒総会の日に、「卒業生がいなくなってから1週間たつけれども、あなたちの力で0.0001ミリでも、MINAMI中をよくすることができましたか?」とたずねましたが、先輩たちの努力を、しっかりと受けとめ、それを自分たちの力で1ミリでも、0.1ミリでもよくして、それを、次の代に伝えていく……これを、くっきりと、目にみえるカタチにするのは、ほんとうにむずかしいことです。 規律を正し、よく学び、他のためによく働き、汗を流し、力を合わせて、このむずかしいことに挑戦し、新しいMINAMI中の歴史を創ってほしい。 2学年の奮闘努力を期待します。 これからも、これからも、MINAMI中が歌声のひびく、よい心のこもった、すばらしいMINAMI中でありつづけることを念願して修了式の式辞とします。 ★関連記事 ・★日々の猛烈な疾駆感。でも、それは年度末の怒濤の渦中にいるからで、差し引きすると僕自身は退歩している ★公式ホームページへ ★WEB無人駅線ページへ |