★昔、ここで道に迷った。
職場の宴会のあと、上司をタクシーで自宅に送り届けた。
再びタクシーに乗って、帰宅するつもりだったが、それほどの距離があるわけでもない。
鬼火。
狐火。
ほたる。
すすき。
葛の葉。
夜道を鞍馬天狗歩きで酔いを覚ましながら歩くことにした。
だが、記憶はここでプツンと途切れる。
「役目は終わった」という安心感から酔いが怒濤のように逆流したのだ。
どこをどう歩いたのか?
歩いても歩いても目指すポイントにたどりつかない妖しさ。
外灯に照らし出された地蔵さん。
寺院の長く連なる板塀。
その板塀とお地蔵さんが無限ループのように何度も現れた。
★車が来た。
社名表示灯がぼんやり見える。
手を上げると、僕の脇で停車した。
ホッとした。
あのときはタクシーに助けられた。
最近、毎日のエクササイズ=【一に足腰、二に文体、引き明けの街・八戸&大阪を走る!】のとき、ときどき、このあたりを走行するようになった。
「迷い道」にもう一度迷い込みたいという衝動が僕のうちにある。
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