職員室通信・600字の教育学

小高進の職員室通信 ①教育コミュニティ編 ②教師の授業修業編 ③日常行事編 ④主任会トピックス編 ⑤あれこれ特集記事編

わたしの人生と霧とは密接不離の関係にある(?_?)(?_?)

2008-06-03 20:46:30 | Weblog

      

★海霧が立ちこめる岬台。ずっと昔、この近くの労災病院に入院していたことがある。早く退院したくてしたくてしようがなかったが、海から押し寄せてくる霧をみていると、不思議と気持ちが落ち着いた。わたしの人生と霧とは密接不離の関係にある(?_?)

◆きょうは全校朝会の日。
 わたしのスピーチを、記憶と手もとのメモから、文字化すると……。

〈全校朝会のスピーチ〉
 新学期がスタートして、4月、5月と、2ヶ月が過ぎた。
 きょうは、ちょうど、1学期の中間点だ。
 始業式や入学式で話したように、中学という時代は、人生、独立に向けて、一歩一歩前進していく時代だ。
 独立に向けて一歩一歩前進するというのは、育ててくれている人にかける心配の量を減らしていくこと、悲しませる量を減らしていくこと、使わせるお金の量を選らしていくということだ。
 そして、逆に、喜んでもらう量を、どんどん増やしていくことだ。
 1学期の中間点にあたり、自分が、そのことができているかどうかをチェックしてみよう。
 そして、きょうからまた、気持ちを入れかえて、一歩一歩をスタートしよう。

 そのスタートにあたり、わたしが、今、みなさんについて、かなり気にしていることがある。
 そのことを話します。
 人生、生きていて、ド~~~ン!と落ち込むことがある。
 特に、人生独立に向けて、一歩一歩前進しはじめたときには……。
 ド~~~ン!と落ち込んで、もう生きる意味もなにもわからなくなるということがある。
 わたしは、この落ち込むことが、むしろ人生にとって大事なことだと思っているし、さらに、その落ち込みから、どうはい上がるか、これはもっと大事なことだと思っている。

 友人の励ましで、はい上がることもある。
 親の励ましで、はい上がることもある。
 先生の励ましで、はい上がることができたということもある。
 わたしも、それは経験があるし、また、たいへん貴重なことだと思っている。

    

★海霧につつまれる白銀台

 しかし、これだけでは、ダメだなんだ。
 はっきりいうけれども、これだけでは、あまい。
 あまえている。
 そうではなく、自分で自分を励ます、自分で自分を励ますことによって、はい上がっていく力をもたなければいけない。

 「では、自分で自分を励ます力って、どうすればつくんですか?」と質問する人があると思う。
 これは……しかし……やはり、自分で見つけだす以外にない。
 そういう方法があるなら、わたしも聞きたいくらいだ。

 ただ、君たちの人生の先輩として、ヒントなら与えることができる。
 それは、ただ、だれかが励ましてくれるのを待つのではなく、自分から「先生、今、わたしはこういう状態です。どうしたらいいでしょうか?」と、たずねることだ。
 「お母さん、どうすればいいでしょうか」と、自分からたずねることだ。
 「おじいさん、どうすればいいでしょうか」と。
 それに、もうひとつ、自分の苦しみにこたえてくれる書物をさがしてみるのも、いい。

 6月、いや、6月、7月、みなさんが、自分で自分を励ます力をつけることに挑戦してくれることを、強く望みます。

 話は、これで終わりです。
 話は、いったん終わって、はずかしいが、少しだけ、自分のことを話す。
 わたしが25歳か、26歳の頃、すごく落ち込んでしまったことがある。
 昭和50年の春だった。
 落ち込んでしまい、春の連休は、もうだれにも会わず、ずっと寝ていた。
 仕事もやめようと思っていた。
 そのとき、す~と伸ばした手に触れた書物がある。
 偶然というのは、ほんとうに不思議なものだ。
 それを読んでいるうちに、わたしは元気になった。
 その書物が、そのときのわたしの心の状態に、ピッタリだったんだろうね。
 「だいじょうぶだよ。生きていると、きっといいことあるよ」と、わたしを励ましてくれた。

 きょう、出かけに、その書物を持ってきました。
 これです。
 書名は『○○○○○○○○○○』
 作者は、○○○さんです。
 今は、もう絶版になっています。
 図書担当の苫米地先生に頼んで、図書室に置いてもらいます。
 図書室に寄贈します。
 読んでみようと思う人は読んでください。

 以上で、わたしの話を終わります。

◆4校時、2学年職場体験学習報告会に出席する。
 最後に「講評」を述べる。

    

★2学年職場体験学習報告会。知的な成長ぶりに感動(@_@)

(1)考えてみれば、普段、みなさんといっしょに同じ学校にいながら、また、毎日、授業を参観しながら、しかし、こうして一定時間、2学年のみなさんと、じっくりと同じ時空間に存在するというのは、ひょっとすると、今回がはじめてかもしれない。

(2)したがって、今までわからなかった、みなさんのよさについて、いろいろと気づくことがあった。
 学力が高い、そして、グングン向上しているということは知っていたが、きょう、発表する内容と態度、それを聞く態度に接し、こんなに成長していたのかと、変な言い方だが、その知的な成長ぶりに感動した。

(3)冒頭のスライド発表から、職場体験学習における、みなさんの活躍ぶりが、よく伝わってきた。
 わたし自身は、本が好きだから、「わたしだったら、本屋にいきたい」、あるいは、列車が好きだから、「駅もいいなぁ」などと思いながら見ていた。
 発表のなかに、「大人のあいさつに接した」「表からは楽そうに見えていたが、今回、見えない部分に接し、ほんとうはすごくたいへんな仕事だとわかった」「質問をいくつか用意していったが、体験しているうちに質問項目が増えた」等とあったが、こういうコメントを聞きながら、ほんとうにいい体験をしたと思う。
 中学時代としてはもちろん、人生のなかでも貴重な体験になったことと思う。

◆きょうのブログは、子どもたちへのコメントばかりになってしまった。
 全校朝会のコメントは、本番は、もう少しいい感じではなかったかと思っているが(^_-)、文字にすると、ま、この程度だ(^O^)。
 「書物をさがしてみるのも、いい」については、直接に説明することは避け、いったん話を終わるという、ひとつのクッションをおいて、補足・体験話(昭和50年)にリンクさせるという、わたしとしては、とても珍しい?工夫をしてみた。

 2学年職場体験の「講評」は、実は、まったく別な話を用意していた。
 しかし、それこそ、講評のなかでも言ったように「知的な成長ぶり」に感激し、すべてキャンセルしてしまった。


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