WALKER’S 

歩く男の日日

西原のぼくとわたし (2)

2013-08-17 | 日記

 ぼくが一番気に入っている校歌は柳川高校のものです。理由は一番校歌らしくないからです。校歌としての最低限の条件をすら備えていない唯一の校歌といってもいいかもしれません。99%の校歌が持っている校歌の条件は、3拍子ではないとか短調ではないということではありません。そういう校歌は割合としては1%以下ということはないと思うし、そういう校歌があってもよい。条件として必須ということにはならないでしょう。一番の必須条件は一本調子であること、つまりテンポが変わらないこと、フェルマータやブレイクが入らないこと。大人数で歌うことがほとんどであるし練習することもあまりないはずだから、テンポが変わると合わせにくくてしょうがない。
 柳川高校の校歌は楽譜を見ていないのではっきりしたことは言えませんが、聞いている範囲ではテンポが変わるし、フェルマータがあるしブレイクもある、おまけにレシタティーボのようなフレーズもあって、なんでもありの様相を呈しています。合わせにくいことこの上ない。作曲した高木東六さんはあえて校歌を作ろうとしなかったのかもしれません。最低限の縛りすら無視して音楽を作ろうとした、音楽というのは自由であってこそ意味がある、ということを主張したかったのではないかと、勝手に想像しています。

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