WALKER’S 

歩く男の日日

2日目 やまさ(吉野川市)~歩き遍路宿びざん(徳島市)

2017-05-28 | 17年四国の旅


 やまさの親父さんに車で送ってもらって11番札所藤井寺に到着したのは6時18分、朝食が大分早めに用意できてしまったのでした。でもこの時間でもちょうど3人の歩きの人といっしょになりました。朝食はたぶんキャンセルしたのでしょう。お参りも前日に済ましているようで、すぐ山道に入っていきました。3人目の男性とは境内で少し話ができました。何回か巡っているようでお気に入りの宿のことも話してくれました。ぼくが今日泊まるびざんのこともよく知っていて、明日泊まるそうです。ぼくはお参りがあるので10分ほど遅れて山登りです。いつもならここまで2kmほど歩いてからの山登りですが、送ってもらったので朝食後いきなりの山登りで、全然調子が出ません、明らかに身体が重い、ザックもキャラメルとチーズが大分入っているので重い。


 自覚通り長戸庵まではベストより6分以上の遅れになってしまいました。身体が動かないのは分かっていたのでスピードはもう意識しないようにしました。昨年は焼山寺の日の気温が異常に高くて汗がだらだらで全然駄目だったのですが、長戸庵までは気温が上がる前で珍しくベストタイが出たのですが、今年は最初から駄目の日になってしまいました。先に出た3人には早々に追い越して、しばらく休んだのですが、まだまだやってきそうな雰囲気はありません。


 長戸庵を出て6分、見晴らしのいいところに出てきました。午前中から雨の予報ですが、まだ全く降る気配はありません。天気は良くないですがこれはこれでなかなか幽玄な感じもします。


 8寺20分、柳水庵に到着、やはりベストより5分遅れ、まだ桜が残っています。ここは標高500m、


 一本杉の手前の急坂もいつになく苦労しました。昨年は暑くてタイムは出なかったけれどそれなりに身体はよく動いていましたが、ことしはまだ動きは良くなくて何度か休みそうになりました。ここで足を止めるか止めないかで体調の善し悪しがはっきりします。この手前の石段のところでちょうど野宿の男性に追いつきました。柳水庵に泊まっていたのだとしたら出発時間が遅すぎるから、長戸庵の先のヘンロ小屋に泊まっていたのかもしれません。
 ここに上がってくるとご夫婦が休憩中、この時間にここまで来られる訳ないと尋ねたら、逆打ちでした、しかも別格も全部。あと3日ほどで結願です。何年か前にもここで逆打ちの人と会ったことを思い出しました。


 10時17分、12番札所焼山寺に到着、タイムはとっくに諦めて堅実に立ち止まらないようにだけしてなんとかたどり着きました。朝食が早かった分、歩きは遅かったけれどほぼ予定時間に到着したので気分的に余裕はあります。
 納経所の横の休憩所でおにぎりをいただきます。昨日法輪寺の山門でいっしょだった人たちとまた山門でいっしょになりました。むこうはもちろん車ですが。

 焼山寺ではお参りと休憩で35分ほど滞在して、10時54分に出発。この時間だと、予定していた入田小学校に14時45分というのがちょっときびしい感じ、きびしければその手前の行者野でも広野でもバスの時間に合わせて行けるところまで行けばよい。でも、ここまでいつになく苦労して登ってきたので、もう玉ヶ峠に向かう気持は完全になくなっていました。ぼくは四国の山道の中で玉ヶ峠が一番嫌いです。4寺間近くかけてやっとこさで12番に到着、そのあと急な坂道を1時間近くかけて下ったと思ったら今更ながらの山登り、しかもその道はあまり整備されていなくて無理矢理造ったような急な山道。元々遍路道ではないですからね。昔のお遍路はみんな神山の町の方へ下ったはずです。遠回りは遠回りだけれど、これだけしんどい思いをしたあとはゆっくりのびのび歩きたい。神山の方に行くと入田まではとても間に合わないけれど、広野までなら楽勝でしょう。
 焼山寺の下り、バスターミナルの少し手前で若い女性に追いつきました。昨日は柳水庵ですか、と訊くと、どうして分かるんですか、と少しびっくり。この時間ここを歩くにはそれしか考えられない。女性で野宿はあまり感心しないけれど、通夜堂や善根宿や時には普通の宿にも泊まるのかもしれません。今日はもう雨が降りそうなので神山温泉の宿に泊まると言っていました。橋を渡る手前でばあちゃんが出てきてあめちゃんをいっぱいお接待してくれました。前には同じ家の若い奥さんに缶コーヒーをお接待して貰ったこともありました。
 昨年は同じように神山の町の方に出て寄井から外国の若い男性とバスに乗って広野で降りた、今回は広野かできれば行者野まで歩くつもり。
 神山高校の少し手前で雨がきっちり降り始め、一時はかなり激しくなったけれど、風はあまりなくて傘だけでもほとんど問題はありませんでした。阿保坂の少し手前の集落におあつらえ向きのバス停があったので20分ほど休憩、いっそのことここからバスに乗ってしまおうかとも一瞬考えたけれど、時間がありすぎるので、やっぱり広野までは歩こうと思い直しました。


 14時32分、広野に到着です。地図を持っていないのでここから行者野までの距離が判らない、怖いのでやっぱりここでバスを待つことにしました。もうすでに6時間半以上歩いているから十分でしょう。そして、明日はここまで戻ってくるのではなく予定通り入田から歩き始めます。今年は全歩きではないのでフレキシブル。


 バス停佐古五番町を降りて少し西に戻って国道の南側沿いにありました。バス停の位置がどこか判らなかったので少し迷いましたがきょろきょろして何とかすぐ見つけることができました。前年に歩いているときにその外観は見ていたので助かりました。15時39分、今日の宿泊はぼくだけです。


 食堂は2階、部屋とトイレ洗面は3階です。部屋は洋室ベッドです。夕食は酢豚が熱々でボリュームもあってすごくおいしかったのですが、熱々を熱々のまま食べられないくらい、食事の間中ご主人といろんな話の絶え間が全くありません。ゆっくり味わいたいけれど話も聞かなきゃいけない、こちらも答えなきゃいけない。食卓の前に50インチほどの特大モニターがあって、その横でご主人がパソコンをいじるとその画面がすぐモニターに映し出される、ぼくが石鎚に登るんだというと、一番最近登ったという人のレポートがすぐ出てきたり、登り口の地図がすぐに出てきたり、明日バスで入田まで戻るというと、バスの時間がすぐ出てきたり、ぼくがブログをやっているというと、検索してすぐ出てくる、自分のブログをあんな大きな画面で見ることはないのでちょっとうろたえる。ぼくがいろんなところを歩いていると判ると、じゃあ吉野から金峯山寺を経て高野山に入る道が最近整備されたようだからそこを歩いてみてはと奨められたりしました。ご主人は紀伊山地(山の名前は忘れました)の山小屋で働いていたことがあるそうです。オフシーズンにはお遍路も続けていて、いくつかの遍路宿の人は泊まりに来てくれるし泊まりにも行くそうです。食事はもちろん全部頂いたのですが、本当にゆっくり味わう余裕がないというか覚えてられないくらい喋りっぱなしでした、
 2食付き6500円、この宿はかなり特別です。もうはずせなくなってしまいました。朝食の撮影は忘れてしまったのですが、朝食の時も喋りました、バスの時間ぎりぎりまでゆっくりコーヒーを頂きながら落ち着いてしまいます。来年も距離は全然合いませんがバスで往復します。今度は同宿の人がいて料理をゆっくり楽しみたいと思います。

   Unknown(日傘)2017-07-15 17:23:44
       びざんさんのお料理すごそうですね!
       地図で確認すると今回もびざんさんの前を通りましたが
       こちらのお宿は気が付きませんでした。

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