15時42分、お宿日和佐に到着しました。今日も三つの接待所でゆっくりしてしまったのでこの時間です。最初の阿波海南駅近くの接待所には初めて入ります。リポDがクーラーボックスに入っていました。そこに先にいたのが野宿の青年、彼は萩森リストも持っていなくて通夜堂の情報も全く知らない。時々は宿にも泊まるというので宿案内を渡して通夜堂のある札所も無理矢理教えて書き留めるよう促します。最初は乗り気ではなかったようですが、ぼくがいろんな解説をするうちにそれもいいかと考えが変化したようできっちり書き留めてくれました。前にも行き当たりばったりを良しとする野宿の青年と話したことがありますが、客観的に観れば実に貧しく愚かしく勿体ないことです。歩いて野宿してだけの出会いも少ない重い荷物に難渋するだけの旅、そこからでも得るものはあるし始めからそういう旅を希望しているのだと彼等は言うかもしれない。でもぼくは敢えてお節介をする、知識や情報をを得れば得るほど豊かな旅ができると信じているから。
今日出会った歩き遍路さんは日本人15人、外国人8人で予想をおおいにはずれた形ですが、岬から野根までの区間でみると日本人7人、外国人7人でした。実際甲浦から来るバスの中にお遍路姿の二人を確認しました。5人と立ち話をして4人に宿案内を渡しました。渡さなかった一人はゴロゴロを1㎞ほど過ぎたところで出会う、ここから一番近い宿でも16㎞先、どこに泊まるのかと聞けば、佛海庵だという、そしてその発音を聞いて韓国の人だと確信、韓国からですか?そうです。ではチェサンヒさん、ヒーさんを知っていますか?そこで彼の顔色が変わる、逆に、ヒーさんを知っているのかとぼくに訊く。1度お遍路のオフ会でお話ししたことがあると答えると、大感激、一緒に写真をと頼まれ初めて自撮りツーショットに収まりました、すぐにヒーさんに送りますと興奮覚めやらず、ちょっとしたお節介がこんなに人を喜ばせることもある、勿論ごくまれなことですが、こちらとしてもこんなに嬉しいことはありません。