WALKER’S 

歩く男の日日

篠山を越えて (3)

2016-07-13 | 16年四国の旅


 林道に出て完全に迷ってしまったと自覚してからは写真を1枚も撮っていませんでした。もちろんそれどころではなくて、今日宿に着けるかもおぼつかない状態、やっとのことで県道に出てきても、写真のことまで気は回らなかったし、時計も止まったままでどれくらい山の中を彷徨っていたのかもメモに書き留めていませんでした。
 やっと先が見えて落ち着いたところで撮ったのが上の1枚です。県道に出て歩くべき道を教えてもらって、2~3km歩いたところ、コミュニティバスのバス停を見つけて、まだ時間が大分あるので次のバス停まで歩いたところで、自動販売機があったのでアクエリアスを買って一休みしていると、近所の奥さんが声をかけてくれた。バスの終点が宿のすぐ近くであることは判っていたけれど、ここからどれくらいかかるか見当がつかないので尋ねたら、16時前には着くということでした。カンカン照りだったので、陰になるところで休んでいきなさい、と自宅の前のガレージまで案内してくれたのです。

 椅子も出してくれて、大きな夏みかんも二つ。ここはお遍路さんが絶対通らない場所なのに普通にお接待してくれました。山の中で大変な思いをしたことより、今となってはこの蜜柑のありがたさの方が強く印象に残っています。