万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

厚労省の感染者国籍非公開への疑問

2020年01月29日 15時00分53秒 | 国際政治

 日本国の厚生労働省は、今般、全世界を震撼させている新型コロナウイルスの国内発生事例について、国籍や人種・民族的属性を公表しない方針で臨んでいます。確かに、同省のホームページを訪問しても、国籍等に関する情報は掲載されていません。公開されているのは、年代、性別、居住都道府県、症状、滞在国、滞在国での行動歴のみです。

メディアによっては、‘神奈川県に居住する中国人’、‘武漢から来日した中国人観光客’といった表現で中国国籍の中国人であることを仄めかしていますが、政府としては、公式に感染者の国籍等については明らかにしていないのです。因みに、昨日報じられた奈良県で確認された二次感染者のケースでは、武漢からの訪日した中国人団体客を乗せたバスの運転手であったことから、日本国籍の日本人であることが伺われます。国内感染者の国籍を公表しない日本国政府の対応について、‘人権への配慮が徹底している’など、中国のネット上では称賛する声が寄せられています。しかしながら、この日本国側の対応、事が感染病という国民の命に関わる問題なだけに、適切であるのかどうか疑問なところなのです。

第1の疑問は、国民の命と健康を護るためには、できる限り詳細、かつ、正確な情報を提供すべきではないか、というものです。日本国政府としては中国への配慮から国籍を伏せたのでしょうが、日本国政府が、中国政府と同様に情報を隠蔽しているようにも映ります。国籍や民族性が不明では、日本国民は、確認された国内感染者が、中国国籍の中国人なのか、同国籍の日本人なのか、日本国籍の中国人、もしくは日本人であるのか、それとも、これら以外なのか、全く分かりません。自らの身を自らで守らなければならない日本国民からしますと、感染者の属性に関する情報は、感染予防に役立つはずです。

第2の疑問は、既に全世界において武漢発の新型コロナウイルスが中国全土に拡大している事実が報じられている以上、同情報を隠しておく必要性が低い点です。感染者の人権への配慮が指摘されていますが、氏名や住所が公表されているわけでもなく、個人も特定はされません。それとも、全体主義国家である中国にとりましては、感染者が中国人であること自体が、国家に対する侮辱と見做しているのでしょうか。何れにしましても、感染者の属性を頑なに隠そうとする日本国政府の態度は、国民からしますとその不自然さの方が目立つのです。日本国政府は、中国国民を守っても、一般の日本国民は守らないのでしょうか。

第3に疑問を抱く点は、人種や民族的属性によって、ウイルスへの感染度や症状の重さに違いがある可能性がある点です。一般の感染症でも、特定の人種や民族にのみに多発するケースがあります。特に今般の新型コロナウイルスは、人工的に作成された生物兵器が何らかの理由で外部に流出した可能性が極めて高く、このことは、同ウイルスが、特定の人種や民族的属性に強い感染性を示す可能性を示唆しています。言い換えますと、どの国がターゲットなのか、すなわち、中国人のみならず日本人が感染するか否かは、人民解放軍の生物兵器に関する戦略を日本国民が知る上でも重要な情報のです。中国人の間で爆発的に感染が広がっている現状を見れば、中国は、自国民をも対象に生物兵器を開発していることになる一方で(体制維持のため?)、日本人、あるいは、他の人種や民族も罹患したとなれば、それは、外国への使用を想定していることとなりましょう。

新型コロナウイルスに関しては、中国政府の隠蔽体質、あるいは、虚偽の公表に対して内外からの批判が高まっております。隠蔽が感染を拡大させた元凶であるとする…。日本国政府もまた、隠蔽に伴う様々なリスクの方を重くみるべきであり、徹底した情報公開に努めるべきではないかと思うのです。

コメント (2)
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