ビデオ通話で面接試験 自治体初、大阪・四條畷市
本日の報道によりますと、大阪府四条畷市が9月に実施する職員採用試験の面接において、全国の自治体で初めて、ビジネスチャット「LINE WORKS(ラインワークス)」のビデオ通話機能を導入するそうです。社会人や遠方の受験者に配慮してとのことですが、この取組み、公的機関の公平性を損ねているようにも思えます。
何故ならば、LINEを利用していない受験者は、たとえ四条畷市への就職を望んでいても、同サービスを受けることができないからです。LINEは、民間企業であることに加えて、親会社が韓国系であるために、国民の中には、個人情報の流出に対する警戒感から、敢えてLINEの利用を控えている人々もいます。台湾では、政府機関によるLINEの使用は禁止されていますので、何らかの政治的問題があることは確かなようです。また、LINEの利用は10代が主流ともされており、社会人になる際に‘卒業’してしまう人も少なくないかもしれません。さらには、スマホ自体を所有していない人も存在していますので、全ての人がLINEのユーザーではないのです。もっとも、それでは、LINEの非利用者である受験者は、アプリをインストールすればよいではないか、とする意見もありましょうが、あくまでもLINEは民間サービスですので、特定の民間事業者との‘契約’を強要するような措置は(無償とはいえ、LINEの利用規約には広範囲の個人情報を提供する義務がある…)、国民の自由を侵害することとなりましょう。
必ずしも全員がLINEを使っていない状況にあって、地方自治体であれ、公的機関がその利用を前提とした行政サービスを実施すれば、利用者と非利用者との間で当然に不公平が生じます。このケースでは、LINE利用者だけが、時間的制約のある社会人であっても、遠方に住まう受験者であっても、四条畷市の面接を受けるチャンスに恵まれるのです。日本国憲法第14条1項では、法の下の平等を定めておりますし、第15条2項でも、「全ての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」とあり、全国民に対して公平性を確保することは公的機関に課せられた義務でもあります。こうした憲法の諸条文に照らしても、四条畷市の措置は、LINE非利用者に対する‘差別’ともなりかねないのです。
スマホが普及し、その公共性が高まるにつれ、今般のLINEをめぐるケースのみならず、同様の問題がスマホそのものでも発生しています。例えば、地方自治体は、災害時の情報提供や行政上の申請手続き等についてスマホの利用を進めていますが、スマホの非利用者が置き去りにされる懸念があります。国であれ、地方であれ、公的機関によるスマホを介した行政サービスが拡大するほどに、全国民、あるいは、全住民に対する公平性が損なわれてゆく現象が見られるのです。
スマホの行政利用は、その運営事業者が民間企業であるだけに、私企業による社会空間の独占的、あるいは、寡占的な‘支配’という新たな問題を提起しております(逆に中国では、国家がスマホを支配の道具としている…)。今日の状況を予見できたならば、情報通信事業の民営化に際して、国民から反対や疑問の声も上がったかもしれません。スマホをめぐる様々な問題が噴出する中、社会インフラとしての情報通信事業をどのようにすべきか、抜本的な議論があっても良いように思えるのです。
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必ずしも全員がLINEを使っていない状況にあって、地方自治体であれ、公的機関がその利用を前提とした行政サービスを実施すれば、利用者と非利用者との間で当然に不公平が生じます。このケースでは、LINE利用者だけが、時間的制約のある社会人であっても、遠方に住まう受験者であっても、四条畷市の面接を受けるチャンスに恵まれるのです。日本国憲法第14条1項では、法の下の平等を定めておりますし、第15条2項でも、「全ての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」とあり、全国民に対して公平性を確保することは公的機関に課せられた義務でもあります。こうした憲法の諸条文に照らしても、四条畷市の措置は、LINE非利用者に対する‘差別’ともなりかねないのです。
スマホが普及し、その公共性が高まるにつれ、今般のLINEをめぐるケースのみならず、同様の問題がスマホそのものでも発生しています。例えば、地方自治体は、災害時の情報提供や行政上の申請手続き等についてスマホの利用を進めていますが、スマホの非利用者が置き去りにされる懸念があります。国であれ、地方であれ、公的機関によるスマホを介した行政サービスが拡大するほどに、全国民、あるいは、全住民に対する公平性が損なわれてゆく現象が見られるのです。
スマホの行政利用は、その運営事業者が民間企業であるだけに、私企業による社会空間の独占的、あるいは、寡占的な‘支配’という新たな問題を提起しております(逆に中国では、国家がスマホを支配の道具としている…)。今日の状況を予見できたならば、情報通信事業の民営化に際して、国民から反対や疑問の声も上がったかもしれません。スマホをめぐる様々な問題が噴出する中、社会インフラとしての情報通信事業をどのようにすべきか、抜本的な議論があっても良いように思えるのです。
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