8月末に遡行した勘七ノ沢のレポを作成しました。
かなりの長文になってしまいましたので覚悟して読んでく
ださい。
それと、写真が1枚もありません。撮影したのですが帰宅
した後で誤って全部削除してしまいました。
カメルーンさん、ではゆっくり読んでください。
今シーズン最初の沢登りは丹沢でトップクラスの人気を誇る
「勘七ノ沢」です。
今回の下山はクライムダウンや懸垂下降の復習を兼ねて一昨
年遡行した小草平ノ沢にすることにしました。
事前の情報収集からポイントは5mF1と15mF5である
ということが分かっていました。
F1は5mだし万が一途中で落ちても下は滝壷だから大怪我
する心配はないだろう。問題はF5です。15mってことは
落ちたらひとりでは動けないくらい大怪我をする可能性が大
きいので、もし無理そうなら巻く。というつもりでした。
さて、いつも通りバイクで荒れた林道を駆け上がり入渓点に
到着しました。車が1台止まっているだけでした。
空にはどんよりとした雲が広がっています。
沢支度をし、傍らの登山届け提出箱に登山届けをだしてから
沢へ入っていきます。
登山道が飛び石伝いに沢を渡る所が入渓地点です。
すぐ小草平との分岐があるはずですが目の前にいきなり5m
程の滝が現れました。
「あれっ?これは確か小草平のF1じゃないっけ?でも分岐
はなかったぞ。」そう思って少し戻るとちゃんと分岐があり
ました。そしてその分岐のすぐ目の前に勘七の第1関門であ
るF1が見えています。
F1は思っていたよりも小さく感じました。それほど威圧感も
ないし万が一途中で落ちても下は釜だから怪我をする心配は
ないだろうと少し安心。
早速左から取り付き、途中のボルトにスリングを掛けて難な
く落ち口に抜けました。落ち口の先にもしっかりとしたボル
トが打ってあるのでビレイする場合も安心です。
すぐに続いて7mF2が現れます。F2は比較的容易に登れる
ためボルトや残置ハーケンはありません。しかし、下から見
上げるとほぼ垂直に見えちょっとビビリます。
意を決して登り始めると手がかり足がかりは豊富なため途中
のテラスまでは簡単に到達しました。
テラスから先、左側からと右側から2通りの登り方がありま
すが先ず、最短距離の左側を試してみます。途中までは問題
なく体を引き上げられましたが最後の一手が思ったより難し
く、無理に上がろうとして失敗すると途中のテラスでは止ま
らず、一気に下まで落ちてしまうので一旦テラスまで退却。
次に右手から登ります。2mほど登り、回り込むようにして
スムーズに抜けることが出来ました。
確保されていないという点で今日一番緊張したのはこのF2
でした。
続いて現れるF3までは特に問題になるようなところはあり
ません。F3に差し掛かるところで2人組のパーティーを発
見。丁度後続の女性がお助け紐を出されて落ち口へ抜けてい
くところでした。
F3は釜を持つ mの滝で通常は右側から釜をへつり、水流
右を抜けていきます。へつりも滝もまったく問題なく通過し
ました。ただし多少つるつるしているので油断していると一
気に釜へダイブってことになりかねませんので注意が必要で
す。
この辺り、休憩する場所はたくさんありますので一息ついて
から先へ進みます。
F4手前で先程の男女2人組パーティーに追いつき、先に行
かせてもらいます。
mF4は2段になっており上段は一見直登不可能に見
えます。下段をするっと登り、上の滝の真下まで行くと右手
にまるで人工的に作られたかのようなルンゼがあり簡単に滝
上へ抜けられます。
いくつかの堰堤を越えてしばらく進むといよいよ今日のハイ
ライト15mF5です。遠目にはものすごい高さに思えてし
まいます。登れそうか、登れなさそうかを確認するため兎に
角近くへ寄ってよく観察します。
レポによると水流左側のテラスから水流沿いにまっすぐ登れ
るとあり、その通り2mほどの高さにテラスがあります。そ
こから上を見上げると2つはボルトを見つけられました。さ
らに上部へ目を凝らしますが支点があるかどうかはよく分か
りません。
手掛かり、足掛かりは豊富なのでボルトのところまで行って
ダメなら下りてくれば良いか。と思い取り付きました。
1つ目のボルトまでは簡単。スリングを通します。2つ目ま
でも簡単に上がれます。その先3つ目までが少し難しく感じ
ましたが常に確保されている状態で登れたので高さがある割
には怖くありませんでした。
これで今日のメインは終了です。
この先は小滝や小ゴルジェが続きます。基本はいずれも水流
左から登っていきます。何箇所かに残置ロープがありますが
いずれも必要ないでしょう。難所を無事乗り切った開放感も
手伝って非常に楽しく登れました。
楽しいゴルジェを過ぎると水流も少なくなり源頭部の様相を
呈してきます。
事前に読んだレポによるとゴルジェを過ぎた最初の三股は真
中、その先2つ目の二股を右に行くと難なく山小屋裏の稜線
出られる。と書いてありましたがその三股が分からずに適当
に進んで行ってしまったために明らかに本来のルートとは違
うと思われる雰囲気になってしまいました。戻るべきかその
まま突き進むべきか迷いましたが稜線も近くに見えていたた
め(目視で100mくらい)そのまま突き進むことにしまし
た。最後は急斜面の笹薮を強引に漕ぎ分けて目標よりも少し
下部の登山道に出ました。
やはり最初に迷って右手に進んだ二股を左に行かなくてはな
らなかったようです。残念。
何はともあれ無事に登山道へ出たので休憩と食事をしてから
沢装備のまま掘割山荘まで下ります。今日の下山は小草平の
沢を下ります。
堀切山荘から大倉尾根を50m程下った場所(昨年下った流
れノ沢の下降場所とちょうど同じ場所。大倉方面に向かい左
が流れノ沢、右が小草平ノ沢)から下降を始めます。最初は
明瞭な踏み跡がありましたがすぐに消えてしまいます。沢筋
ははっきりしているので気にせずそのままずんずん下ってい
くとやがて流れが出てきます。
後は落ち着いて流れに沿って進むだけです。
少なくとも2回はロープを出さないといけないだろうなと思
っていましたが実際、その通りで2箇所を懸垂で降りました。
上の滝(F5か?)は立木に、下の滝(多分F1)は落口の
ボルトに支点を取りました。
その下の滝の先で勘七ノ沢と合流していたのに気づかずに堰
堤を下り、登山道が見えてからようやくスタート地点に戻っ
たことを知りました。まったく周りが見えていなかった自分
に恥ずかしくなりました。
丹沢の沢では少し難しめの滝には必ず残置ハーケンやボトル
が打ってあるのでひとりでも比較的安全に登れる気がします。
しかし、やはり一般登山道ではないので呉れぐれも油断しな
いように十分気をつけて登りたいと思います。
かなりの長文になってしまいましたので覚悟して読んでく
ださい。
それと、写真が1枚もありません。撮影したのですが帰宅
した後で誤って全部削除してしまいました。
カメルーンさん、ではゆっくり読んでください。
今シーズン最初の沢登りは丹沢でトップクラスの人気を誇る
「勘七ノ沢」です。
今回の下山はクライムダウンや懸垂下降の復習を兼ねて一昨
年遡行した小草平ノ沢にすることにしました。
事前の情報収集からポイントは5mF1と15mF5である
ということが分かっていました。
F1は5mだし万が一途中で落ちても下は滝壷だから大怪我
する心配はないだろう。問題はF5です。15mってことは
落ちたらひとりでは動けないくらい大怪我をする可能性が大
きいので、もし無理そうなら巻く。というつもりでした。
さて、いつも通りバイクで荒れた林道を駆け上がり入渓点に
到着しました。車が1台止まっているだけでした。
空にはどんよりとした雲が広がっています。
沢支度をし、傍らの登山届け提出箱に登山届けをだしてから
沢へ入っていきます。
登山道が飛び石伝いに沢を渡る所が入渓地点です。
すぐ小草平との分岐があるはずですが目の前にいきなり5m
程の滝が現れました。
「あれっ?これは確か小草平のF1じゃないっけ?でも分岐
はなかったぞ。」そう思って少し戻るとちゃんと分岐があり
ました。そしてその分岐のすぐ目の前に勘七の第1関門であ
るF1が見えています。
F1は思っていたよりも小さく感じました。それほど威圧感も
ないし万が一途中で落ちても下は釜だから怪我をする心配は
ないだろうと少し安心。
早速左から取り付き、途中のボルトにスリングを掛けて難な
く落ち口に抜けました。落ち口の先にもしっかりとしたボル
トが打ってあるのでビレイする場合も安心です。
すぐに続いて7mF2が現れます。F2は比較的容易に登れる
ためボルトや残置ハーケンはありません。しかし、下から見
上げるとほぼ垂直に見えちょっとビビリます。
意を決して登り始めると手がかり足がかりは豊富なため途中
のテラスまでは簡単に到達しました。
テラスから先、左側からと右側から2通りの登り方がありま
すが先ず、最短距離の左側を試してみます。途中までは問題
なく体を引き上げられましたが最後の一手が思ったより難し
く、無理に上がろうとして失敗すると途中のテラスでは止ま
らず、一気に下まで落ちてしまうので一旦テラスまで退却。
次に右手から登ります。2mほど登り、回り込むようにして
スムーズに抜けることが出来ました。
確保されていないという点で今日一番緊張したのはこのF2
でした。
続いて現れるF3までは特に問題になるようなところはあり
ません。F3に差し掛かるところで2人組のパーティーを発
見。丁度後続の女性がお助け紐を出されて落ち口へ抜けてい
くところでした。
F3は釜を持つ mの滝で通常は右側から釜をへつり、水流
右を抜けていきます。へつりも滝もまったく問題なく通過し
ました。ただし多少つるつるしているので油断していると一
気に釜へダイブってことになりかねませんので注意が必要で
す。
この辺り、休憩する場所はたくさんありますので一息ついて
から先へ進みます。
F4手前で先程の男女2人組パーティーに追いつき、先に行
かせてもらいます。
mF4は2段になっており上段は一見直登不可能に見
えます。下段をするっと登り、上の滝の真下まで行くと右手
にまるで人工的に作られたかのようなルンゼがあり簡単に滝
上へ抜けられます。
いくつかの堰堤を越えてしばらく進むといよいよ今日のハイ
ライト15mF5です。遠目にはものすごい高さに思えてし
まいます。登れそうか、登れなさそうかを確認するため兎に
角近くへ寄ってよく観察します。
レポによると水流左側のテラスから水流沿いにまっすぐ登れ
るとあり、その通り2mほどの高さにテラスがあります。そ
こから上を見上げると2つはボルトを見つけられました。さ
らに上部へ目を凝らしますが支点があるかどうかはよく分か
りません。
手掛かり、足掛かりは豊富なのでボルトのところまで行って
ダメなら下りてくれば良いか。と思い取り付きました。
1つ目のボルトまでは簡単。スリングを通します。2つ目ま
でも簡単に上がれます。その先3つ目までが少し難しく感じ
ましたが常に確保されている状態で登れたので高さがある割
には怖くありませんでした。
これで今日のメインは終了です。
この先は小滝や小ゴルジェが続きます。基本はいずれも水流
左から登っていきます。何箇所かに残置ロープがありますが
いずれも必要ないでしょう。難所を無事乗り切った開放感も
手伝って非常に楽しく登れました。
楽しいゴルジェを過ぎると水流も少なくなり源頭部の様相を
呈してきます。
事前に読んだレポによるとゴルジェを過ぎた最初の三股は真
中、その先2つ目の二股を右に行くと難なく山小屋裏の稜線
出られる。と書いてありましたがその三股が分からずに適当
に進んで行ってしまったために明らかに本来のルートとは違
うと思われる雰囲気になってしまいました。戻るべきかその
まま突き進むべきか迷いましたが稜線も近くに見えていたた
め(目視で100mくらい)そのまま突き進むことにしまし
た。最後は急斜面の笹薮を強引に漕ぎ分けて目標よりも少し
下部の登山道に出ました。
やはり最初に迷って右手に進んだ二股を左に行かなくてはな
らなかったようです。残念。
何はともあれ無事に登山道へ出たので休憩と食事をしてから
沢装備のまま掘割山荘まで下ります。今日の下山は小草平の
沢を下ります。
堀切山荘から大倉尾根を50m程下った場所(昨年下った流
れノ沢の下降場所とちょうど同じ場所。大倉方面に向かい左
が流れノ沢、右が小草平ノ沢)から下降を始めます。最初は
明瞭な踏み跡がありましたがすぐに消えてしまいます。沢筋
ははっきりしているので気にせずそのままずんずん下ってい
くとやがて流れが出てきます。
後は落ち着いて流れに沿って進むだけです。
少なくとも2回はロープを出さないといけないだろうなと思
っていましたが実際、その通りで2箇所を懸垂で降りました。
上の滝(F5か?)は立木に、下の滝(多分F1)は落口の
ボルトに支点を取りました。
その下の滝の先で勘七ノ沢と合流していたのに気づかずに堰
堤を下り、登山道が見えてからようやくスタート地点に戻っ
たことを知りました。まったく周りが見えていなかった自分
に恥ずかしくなりました。
丹沢の沢では少し難しめの滝には必ず残置ハーケンやボトル
が打ってあるのでひとりでも比較的安全に登れる気がします。
しかし、やはり一般登山道ではないので呉れぐれも油断しな
いように十分気をつけて登りたいと思います。