朝は4時前に目が覚めました。
一度トイレに起きましたがぐっすり眠れ、夜は星がきれいに見えました。
思ったより気温が高く、寒さを感じることはありませんでした。
朝食はそうめんを茹で、山菜パックと生卵を入れました。
準備を済ませ、5時30分に出発。
今日歩く、常念岳~蝶ヶ岳~徳沢は始めて歩くコースです。
先ずは登り慣れた常念岳への登りです。
ウォーミングアップをかねてゆっくり、約1時間かけて山頂に立ちます。
今日は西からの風が強く山頂に着いた時には展望が全くなくなっていました。
山頂には何度も来ているのでそのまま通過します。
ここから先は初めての道となるのでちょっと緊張します。
まずは大きな岩がごろごろと転がっている斜面を下っていきます。
ひたすら長い下りです。結構飛ばして歩いているので足にはどんどん疲労が
溜まっていきます。おまけにザレザレの急な下りもあり転ばないように注意が
必要です。
こんなに下っちゃっていいの?ってくらいに下ると次は樹林帯の登りが始まります。
蝶ヶ岳はまだまだ先です。
登りの手前にはいくつかのテント適地があります。
30分ほど登っていくと樹林帯の中ではありますがピークらしいところに到着し、
地図で確認してもこのあとは下りになるようなので少し休憩をしました。
この時に常念岳方面に走っていくトレイルランナーとすれ違いました。
3000m級の稜線でトレランなんてかっこ良い!
私もいつかやってみたいと思いました。
再び歩き出すとすぐに展望が開け左手の斜面にニッコウキスゲなどの
高山植物が咲き乱れる小さな丘のような場所に出ました。
見事です。花に全く興味のない私が感動するくらいですから反対方向から
歩いてきたおばちゃん達は、当然大声で花の名前を叫びカメラを向けていました。
地図上で見た本当にピークは実はこちらだったようです。
こっちで休憩したほうが良かった・・・。
ここでちょっとしたミスをしてしまいました。
足元の大石に赤ペンキで「×」と書かれていたにも関らず、それに気づかないまま
間違った踏み後に突っ込んでしまい、50mも歩かないうちにハイマツの密集に
行く手を阻まれ行きづまってしまいました。
どう考えてもこれ以上進むのは無理だと考えて来た道を戻り、自分の間違いに
気付きました。
正しい道はピークから左手方面の斜面に降りていきます。私の間違えた道は
真っ直ぐ直進するように踏跡が伸びていました。
よく見れば間違いようは無いはずなのですがそれ程はっきりとした踏跡でした。
先ほどからかかっていたガスもきれいに晴れ、この先の蝶槍が良く見えます。
ここから再び下りです。
最初は草地、下るにつれて低木帯を進みます。
この辺りにもテントを張るのに都合の良さそうな場所が何ヶ所かありました。
それからすぐに蝶槍への最後の登りが始まります。見上げると結構急な斜面で、
うーん30分くらいで登れそうかと見当をつけて登り始めます。
傾斜はきついですがやはり30分かからないくらいで蝶槍の山頂へ到着しました。
遠くからはとんがって見えましたが山頂は意外と広く、鉾のように積み上げられた
ケルンがありました。
この先は右手に明神岳を見ながら緩やかに下り、緩やかに登ったところが
蝶ヶ岳ヒュッテです。
ようやく到着したという感じです。
大休止をして昼食を食べました。
かなり体が疲れていましたがここまで来れば後は下るだけなので精神的には
かなり楽になります。
ここのテントサイトも大変眺めが良くいつかテントを張ってみたい場所のひとつです。
十分に休憩してから「蝶ヶ岳山頂」と木標が立っていなければどこが山頂だか
分からない蝶ヶ岳山頂を通り過ぎて長塀尾根の長い下りにかかります。
ずっと樹林帯の下りになるので展望は全くありません。
景色を目に十分焼き付けてから樹林帯へと突入。
徳沢までのコースタイムは2時間40分となっていたので2時間もあれば楽勝で
行けるでしょう。と甘く見ていましたが、ここまでのコースで体力を消耗していた
ために一向にペースが上がりません。
おまけに靴擦れで足の指やかかとが痛くなってきました。
下っても下っても徳沢に到着する気配がまったくなく、加えて急な下りに
耐え切れなくなり、とうとう休憩をしてしまいました。
木々の間から梓川が見えてきてもなかなか着きません。
徳沢園の屋根が見えたときには本当にほっとしました。
痛い足を我慢してやっとの思いで徳沢に到着。
思いザックをどかっと投げ出して座り込みます。
徳沢のテントサイトは開放的な芝生の広場でとても気持ちの良い場所です。
テントも多く張られており、強い夏の日差しの中、非常に多くの人が
思い思いの時間を楽しんでいます。
根っこが生えてしまう前に出発します。
疲れた体にムチを打って歩きます。
徳沢~上高地間はアップダウンもなく観光客も大勢歩いています。
前の人をどんどん追い越して歩きましたが上高地に着いた時にはもうヘロヘロ
でした。
河童橋周辺は休日の銀座のような混雑振りで悪い予感がしました。
そしてその悪い予感は的中。上高地のバスターミナルに着くと沢渡の駐車場へ
向かうバスは長蛇の列。1時間半~2時間待ちとか。
私の乗る新島々行きのバスも1時間近く待たなければいけない混雑振りでした。
この混雑は余計なおまけでした。
3日で予定していた行程を2日で歩き終えたため食べなかった食糧などにより
良い歩荷トレーニングになりました。この重い荷物さえなければ長塀尾根を
もう少し楽に下れたのに・・・。
いつかこのコースを厳冬期に歩くことが当面の目標です。