■給食大好きの恒太くん
このごろ子どもたちから「お腹へった」とか「ああ、うまかったあ」という声を聞くことが少なくなったように思います。
さまざまな課題を抱えていて学級が落ち着かないところでは、給食がどっさり残るということも考えさせられています。食は、身体や脳だけでなく、人格まで作ると言われています。
恒太くんのような子どもに出会うと「よっしゃあ! この子は育つ」とうれしくなります。
給食うまい
四年 今西 恒太
うまかったなあ。きのうの給食シチューやった。最高やったわ。
きのうだけちがうで、毎日毎日うまいねん。学校の給食一番うまいわ。でも肉とかが出るとき、いつもパンやねん。これ最悪や、あんなときは、ごはんがいい。
ぼくの好きな物はシチュー、カレー、エビフライ、カリフラワー、黒とうパン、ジャム、みかん、カリフラワー、まだまだあるけど全部うまいからわすれたわ。あっどんぶり系も好きやなあ。
好きな物は、おかわりしまくる。最高で三杯は、おかわりする。ほんま給食うまいで。ちがう学校の人もぼくの学校の給食食べに来たら。ぼくもちがう学校の給食食べてみたいな。でも、一番好きなのは、やっぱりお母さんの味がいいわ。二位が学校の給食。
三時間目の終わりなんか、もうおなかぺこぺこや。光矢なんか二時間目の最初ぐらいに「はらへったなあ」とか言うねん。ぼくが「朝ごはん食ったか」と言ったら「食った」と言う。ぼくが「それやったら、かまんと食べてるんちがうか」と言うと、光矢が「なんでやねん」と言って、言い合いになってしまった。
その後、ぼくもすぐはらへってきた。はらへったら、なんかむずむずするねん。気持ち悪いで。
でも、給食を一口食べれば、パワーUPみたいな感じで、生き返る。だから、いつも給食には力もらってるねん。
はらへってるときは、給食当番いややで。だって、はらへって力がぬけて、こぼしそうになるからいややねん。ぼくは、大おかずの係やから重たいし、三階やからきついで。
でも、教室に着いておかずを見るだけで幸せ。食べるときは、どれから食べようかなとついついまよってしまう。
食べたときには、ほっぺたがいたくなる。
これからもおいしい給食つくってください。あー今日の給食、楽しみー!
学級だよりにのったわが子の作文を読んだお母さんからたよりが届きました。
「もう笑ってしまいました。なんだか給食にジェラシーを感じるなあ。ますます給食に負けないように、おいしい母の料理を作らなくっちゃと思いました」
「百回勉強しろと言うよりもおいしいごはんを」と先輩から学びました。母が食べる楽しさとぬくもりを届けてきたからこそ、恒太くんはこんな作文が書けるのでしょう。(とさ・いくこ 大阪市立加賀屋小学校教諭)