そろそろ梅雨明けかと思わせる炎天下日曜日の京都、円山音楽堂の第28回宵々山コンサートに今年もでかけた。阪急河原町下車、地上に出てすさまじい暑さの中、「寄るな触るな近寄るな、はじけて飛ぶぞ」と叫びたくなるほどの人、人、人をかき分けながらクーラーバッグを引っさげて八坂神社方面へ向かった。まだ本宮ではないのに大変な人出である。例年の如く神社前のローソンに立ち寄りビール、氷、食べ物を購入しバッグに詰めこみいざ出発。神社を抜けて右に曲るといつものように人力車のあんちゃんが声をかけてくる。そして音楽堂をぐるりと囲む入場待ちの行列の最後尾に加わった。幸いに木陰である。シートを広げて座り込みとにかくビール、ビール。飲まずにはいられない暑さなのだ。まあ、こうやって気分よく待つというのも一つの楽しみなのですが・・・。
振り向くと後ろにどんどん行列が伸びていく。コンサートの世話方のメンバーが時々様子を見に来たり、空き缶やゴミの回収にやって来る。世話方長老の三宅さんもメガホン片手に挨拶かたがたコンサートの説明に来られた。聞くと以前末期ガンになっていたが、ホノルルマラソンに参加してガンの進行が止まり、今は元気になったと話されるではないか。うーむ、不思議、不思議。実は、今こうして宵々山コンサートが行われ続けているのはこの人のおかげなのだ。1985年の第13回を最後に宵々山コンサートはその後8年間開かれなかった。どんな経緯があったのかは知らないが、それでも必ずや再開されることを願って毎年この音楽堂を自腹で予約し続けてきたのが三宅さんだったそうである。そして三宅さんの熱意に打たれて再開されたのが1994年の第14回からで、それ以後再び毎年開かれ現在に至っている。
そうこうするうちに時間が来て開場されたらしく列が徐々に前進しだした。呼び込みばやしに迎えられながら入場、前から10列目ぐらいの中央やや右寄りの座席スペースを後から来る友人夫妻の分も合わせて4人分確保。確保といっても公園のベンチのようなプラスチックの長いヤツなのでどうにでもなるのだが・・・。西日がジリジリと差し込む中、いつものように元締めの永六輔さんがステージに登場、開演前30分間の時間待ち用の小噺をしてくれた。実にいろんなことを知ってらっしゃる方でその時は勉強になるのだが、1年も経つと前回何を話されてたのかすっかり忘れてしまっているのだが。やがて日が少し傾き始めた4時、開演時間がやってきた。
今年のコンサートのテーマは「なかなか、そこそこ、まあまあ」。
歌を聴いても、サイコー。
映画を観ても、サイコー。
美味しいものを戴いても、サイコー。
最上級のほめ言葉が空しいこの頃です。
まあまあのB級映画、そこそこの新人の演奏、なかなかのベテランの芸・・・。
そんな味わい方の基本に戻りたい平成二十年です。 ともや
(コンサートパンフレットより)
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なぜ2千円札は消えたのか…など「さるお方」のことから不思議な計算式まで小噺いろいろの永六輔さん。
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永さんの筆になる幟
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西国三十三所巡礼で33曲を奉納、久々のソングブックを完成した高石ともやさん。
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少年の頃、ラジオで聞いていた憧れのフォークシンガーたちと共演できる喜びを語った三上寛さんは13年ぶりの出演。
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永六輔氏をして「この人の歌詞に出会ったため、私は作詞を辞めました」と言わしめた笠木透さん。
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笠木透と雑花塾のみなさん
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関西初登場のだるま食堂。会場に知っている人は10人くらいしかいなかったが、なんと関東では人気爆発中の超ボイン3人組。しっかりとしたコーラスと言葉のコントがおもしろい。
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ヨイトマケの歌の熱唱が素晴らしかったパギやんこと趙博さん。浪速の歌う巨人。
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炎天下の会場
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どう見積もっても平均年齢は50歳か・・・。
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西国巡礼歌を歌う高石ともや一行
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なんと、桂米朝氏の突然の登場に会場が沸いた! 左から高石ともや、桂小米朝、坂本スミ子、桂米朝、永六輔の各氏。
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「コンサートやっているんなら行ってみようか」と突然やってこられた。
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中津川フォークジャンボリーに出演した3人の揃い踏み。三上寛、高石ともや、笠木透。
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歌い続けて50年。熊本の幼稚園園長15年の坂本スミ子さんが初めてのCDアルバム「夢で逢いましょう」を引っさげて参上。次々と繰り出される大阪弁がきれいなのだ。歌唱力は若かりし頃とまったく変わらずの健在ぶりであった。
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出演者総出でリズムに合わせる
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八坂神社の灯りをもらってきて会場全員で火入れ式。舞台の提灯に灯を入れると、コンサートは終わりに近づく。
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フィナーレ
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「街」を歌いながら会場の人たちとお別れ・・・