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ぼつぼつ、終点が見えてきたか&英国の出版業界事情

2008年02月22日 | 編集・営業ふらふら雑記

 昨日、今日と校正作業の最後の追い込み中。3校なのだが結構赤が入っている。何度目になるかわからなくなったが、今、もう一度全文に目を通しているところ。読めば読むほど見えてこなかったものが見えたりして困ったものであるが、誤植、校正漏れの率は下がっていくのでここが踏んばりどころ。表紙デザインもできたので明日朝には現場へ修正に戻せる見込み。エイヤッ!!


 昨日の『朝日新聞』の出版関連記事から。
 95年に書籍の価格を拘束する再販制を撤廃したイギリスでは大型スーパーの大量仕入れ大量販売、そして超値引き合戦が始まり「町の本屋」さんが次々につぶれているという。ロンドンのある大型スーパーでは昨年7月『ハリーポッター第7巻』を出版社希望価格から7割引きで販売、3時間で2500部を売った。店長曰く「もちろん赤字だがこの店は安いという印象を残したのが大事」。『ハリー』の販売部数は全国で400万部以上になったがその平均販売価格は半額以下だった。ほかの本でも大型書店では、3冊を2冊分の価格でといった表示がついたベストセラーが平積みされている。


「本の全体の販売冊数は変わらないが発行点数が半分になり、テレビと連動したタレント本など売れ筋本中心の品揃えとなり、小部数発行の本は書店の棚から姿を消し『質より量』へ変わった」(業界に詳しい出版社幹部)。大型チェーン店が市場シェアの5割を握り出版社側に値引きを迫り、出版社も売れ筋商品出版に傾斜するという悪循環が起きているようだが、一方でこうした状況に対抗して中小書店が共同して仕入れを行ったり、大手書店が3ヵ月で棚から撤去する本でも1年間は必ず置き、短命化を防ごうと努力をして少しでも本好きの読者の要望にこたえようと奮闘する書店もあるようだ。


 消えていく「町の本屋」、縮小する市場規模、増え続ける出版点数と増大する返品・・・・。出版不況に苦しむ日本の出版業界でも再販制の弾力運用ということで、売れ残り本の値引き販売やバーゲンセールなどがあちこちで行われるようになったが、このイギリスの先例を見る限りでは再販制廃止の先には大変な事態が待ち受けているように思えてならない。出版文化は崩壊、もちろんウチのような零細出版社の存続は無理になるだろう。うーん、暗い話になった。

コメント
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