まいど、日本機関紙出版です。

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ある著者の大病からの復帰に嬉しくなった

2015年04月24日 | 編集・営業ふらふら雑記

そう言えば昨日はとても嬉しいことがあった。

それはある著者からの電話だった。

電話口から聞こえてくる実に懐かしい声。

ああ、あの人の声だ! そしてとても驚いた。

というのも、1年以上前だったか、その人がある大病に冒されているということを聞いていたからだ。

それは不治の病といってもいいもので、それを聞いた時は正直、もう会えないのだろうなあと、残念で悲しい気持ちになった。

とてもお見舞いに行けるような感じではないと皆が思っていて、書庫に在庫しているその人の本を見るたびに、どうしてはるのかなあと思いながらいつの間にか時間だけが過ぎていた。

それが今日、本人から突然の電話があったのだ。

ええ? ◯◯さん? 本当に◯◯さんですか? 聞こえてくる声は、まさにその人の声で、実に元気な昔と全く変わらない声だった。

話を聞くと、幸い治療に成功し生還したそうで、今は自宅で療養中しているとのこと。

おそらくご自身はもちろん、家族ともに決して諦めることなく、たいへんな努力をされてきたのだろう。

とにかく生き延びてこられたことが嬉しい。

これからまた、以前のようにこの人の本を通じて一緒に仕事ができるのだ。

薄暗い書庫に眠っていた本に光が注がれ、再び命が吹き込まれたように感じた。


 

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これは面白い。都留民子先生と唐鎌直義先生の「ぶちゃけ対談本」、ただいま鋭意編集中!

2015年04月23日 | ただ今、編集作業中の本

今作っている本、と言ってもいくつかあるのであれですが、その中の一つに都留民子先生と唐鎌直義先生の対談本があります。

お二人はどちらかというと今の日本の社会保障研究者の中ではメインストリームには属されていません。

言いたいことをズバズバとまさに正鵠を射た発言をされますから、そういう主流派?の先生たちからは疎んじられているそうです。

でも、私は今こそ、これからの日本の社会保障のためにはお二人の発言に耳を傾けないといけなんだと思っています。

そんな都留先生と唐鎌先生のまあ、言わば「ぶっちゃけ対談」的なものですが、えっ、先生、そこまで言っていんですかああああ?というようなことも含めて、日本の社会保障と運動について「本当のこと」をおしゃべりしていただきました。

うーん、読みたい、読みたい・・・と思いません?

そんなことを思いながら、都留先生の『失業しても幸せでいられる国』について、5年前に書いた以下のブログを読みなおしてみました。

以下、再録~『失業しても幸せでいられる国』(都留民子著)のこと

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 この書名を見た人なら誰だって、日本もそんな国であったらいいなあときっと思うでしょう。この本はそんな人にぜひ読んでほしいのです。

 この10年間、日本社会は「自己責任」という考え方が、すべての物差しの基本になってきたように思います。もちろんこの考えは支配者側から押しつけられたものですが、特にそれは社会保障の分野で顕著に広がり、医療や教育はもちろん、国民の暮らしの中にまでその考えが持ち込まれてきて、その結果、実に悲惨というべき事柄が私たちの身近なところで起こっています。

 しかしここにきてようやくというか、まだまだ一部ですがこの思潮に対する反省も生まれてきつつあります。昨年秋の政権交代もその表れと捉えることができると思いますが、しかしまだまだ、果たしてこのままでいくと日本の行く末はどうなるのか、という思いが強くなるばかりの毎日です。

 そんな時に出会った1冊の本がありました。『誰もが幸せになる1日3時間しか働かない国』(マガジンハウス、2008年)です。昨秋、大阪社保協学校で記念講演をされた都留民子先生に薦められて読みました。具体的にどこかの現存する国のことを書いているのではないのですが、衝撃を受ける内容でした。これだ!と思いました。日本のこれからに必要な未来社会イメージはこれではないかと。ではどのようにすればこのような国が実現可能になるのか? それを考えるためのヒントがどこかにないかと思い、フランスの社会保障に詳しい都留先生にインタビューをお願いしました。フランスは日本同様に高度経済社会の国であり、社会保障制度がとても充実している国だったからです。

 都留先生の専門は社会保障論で、フランスや日本の失業問題などの研究です。毎年秋には、フランスに1カ月余り滞在され友人たちとバカンスを共に過ごされます。その話しっぷりが実に明快で爽やか、時に鋭い発言には目を覚まされることが多く、この本もそうした先生の語り口を読者のみなさんに楽しんでもらえることができるように編集しました。

 では、フランス社会とはどんな社会なのでしょうか。1週間の労働時間は35時間/パン屋さんは土日月はお休み/定年後に働く人はいません/失業者もバカンスに行きます/出生率向上は子育てが無料だから…。そして先生は語ります。

「社会保障っていうのは『働かなくても食べられる権利』です。高齢、病気、子どもにしても、働けない人に働かなくいてもいいよ、失業したら働かなくてもいいよと言えるのが社会保障です」

 どうでしょう、この発言! 実に刺激的です。そして先生は続けます。

 「でもね、私の話はなかなか理解してもらえないんですよ。労働組合でバリバリやっている人たちには、こういう『失業の権利』というのは受け入れられないんでしょうか?」

 とにかく働けることが第1、失業なんてとんでもないこと。失業者=決して自分はなりたくない存在、というよな考え方が支配的な今の日本では、想像すらつかない発想の転換を誘うとても刺激的な内容の本です。

 そして今、この『失業の権利』が保障されているフランスの労働者たちの闘いは巨大です。この秋、年金制度改悪に抗議するストライキは国民の70%が支持し全土に広がり、その中には学校閉鎖を行って労働者に連帯する大勢の高校生たちの姿もあります。そして若者たちは叫びます。「単位よりも未来を!」

 大規模なストライキがなくなって久しい日本ですが、フランスはなぜ、このような社会を作ることができたのか? そんな質問にも都留先生は答えてくれています。ぜひお読みください。 

 

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「五憲の会ニュース」のご紹介!

2015年04月21日 | 書評・紹介記事

『ガイドブック 五日市憲法草案』の著者、鈴木富雄さんが事務局をされている「五憲の会」のニュースに大きく紹介されました。

ありがとうございます。

 画像クリックで拡大して読めます。

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「ガイドブック 五日市憲法草案」の出版について~「戦前の出版物を保存する会ニュース」への投稿から

2015年04月17日 | 新刊案内

『ガイドブック 五日市憲法草案』について、関西の「戦前の出版物を保存する会」ニュースに書かせていただきました。

6月には学習会も開かれるそうです。

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「ガイドブック 五日市憲法草案」の出版について
   日本機関紙出版センター 丸尾忠義

 このたび出版した『ガイドブック 五日市憲法草案~日本国憲法の源流を訪ねる』(本体1700円)について以下、ご紹介します。

 実は私自身、この憲法草案については数年前まではそれが明治初期の自由民権運動の中で作られた数多くの私擬憲法の一つとしてその存在を知っている程度でした。ところが憲法改正を掲げる第2次安倍政権が発足、基本的人権、民主主義、平和主義の原則が壊されるかもしれないという危機感が広がり、あらためて日本国憲法について考えることが多くなりました。

 そんな時、一昨年の秋ですが、皇后美智子さんが誕生日に際し発表した発言の中に「五日市憲法草案に感銘した」と触れていることをニュースで知りました。(本誌読者の中にはもちろん天皇制否定の考えをお持ちの方が大勢おられるでしょうから、なぜ皇室のことに触れるのかと不審に思われるでしょう。しかしその当時、そして今現在の安倍政権の立ち位置を考えると、表に現れる部分だけですが、日本国憲法に対する天皇・皇后の考えや思いのほうが安倍政権よりもよほど私たち国民の気持ちに近いものが感じられるというのが率直な私自身の思いです)

 皇后がどのように五日市憲法草案を評価したのかは、その発言を本の帯に一部引用していますのでお読みいただければいいのですが、この発言であらためて五日市憲法草案に全国的な関心が集まったことは、私たちにとってもとても意味があることであり、それゆえもっとこの憲法草案が広く注目されてもいいのではないかと思ったのが出版の動機でした。

 五日市憲法草案が誕生した地は、現在の東京都あきる野市です。あきる野市は旧秋川市と五日市町が合併して出来た東京都心部からずいぶん離れた武蔵野台地に位置する市です。昨年7月、新宿から約2時間電車に乗り、JR五日市線終点、武蔵五日市駅に降り立ちました。正直、ずいぶん山の中に来たんもんだなあと思ったものです。著者の鈴木富雄さんに五日市憲法草案について説明を受けながら、ゆかりの場所を約半日かけて訪ねました。こうした歴史を訪ねる行動はじつに楽しいです。話を聞きながらそれぞれの場所で遥か昔を想像していくと、目の前にこの憲法草案を起草した千葉卓三郎らしき人物が現れ、多くの若者たちが民権運動の中で熱く自国の未来を議論した様子が浮かんでくるのです。

 五日市憲法草案は今から134年前の1881年(明治14)に、当時29歳の五日市の青年教師だった千葉卓三郎が起草した全文204条からなる憲法草案です。千葉は彼の援助者だった20歳の青年・深澤権八らとともに欧州や米国の政治、経済、思想、憲法などを徹底して学び、その当時すでに世界的に到達していた「立憲主義」の考えにもとづいた憲法草案を書きあげました。その人権や自由の規定は、数多くあった私擬憲法の中でも最も革新的、立憲的と言われており、その条文は日本国憲法と対照表ができるほどのものです(くわしくは本書をお読みください)。

 この憲法草案が発見されたのは1968年で、日本国憲法制定後かなりの年数が経っていましたから、五日市憲法草案が日本国憲法制定に影響をあたえることは不可能でした。しかしこの本の副題には五日市憲法草案が「日本国憲法の源流」と書きました。これはどういう意味なのでしょうか。

 実は憲法制定に大きな影響を与えたのが憲法研究会の「憲法草案要綱」を起草した鈴木安蔵ですが、彼がその民主的条項に関する部分で参考にした私擬憲法が当時最も進んでいると言われた植木枝盛の草案でした。ところが後に発見された五日市憲法草案にはその植木枝盛案にまさる自由や人権規定があったのです。この点が、五日市憲法草案が源流であると言われている所以です。これは私の思いですが、日本国憲法制定当時に五日市憲法草案が存在していたら、おそらく鈴木安蔵はこの草案を何よりも参考にしたことでしょう。

 ところで、五日市憲法草案を発見したのは東京経済大学の色川大吉教授が指導する色川ゼミナール学生たちの調査でした。本書にはその時に、薄暗い土蔵の2階の梁から草案を発見した張本人である新井勝紘さん(現専修大学文学部教授)からもメッセージをいただいています。ぜひお読みください。

 最後に、第3次安倍政権はまずは解釈改憲により実質的憲法改正を、そのうちに真正面から日程を上げた憲法改正を目論んでいます。こんな計画を許してはなりません。鈴木富雄さんは、長い間にわたって五日市憲法草案の保存運動に関わり、現地見学会ガイドや講演会に取り組んでおられます。この機に全国の人にぜひ本書を読んでいただき、あきる野市を訪れて日本国憲法の源流に触れてみていただきたいと願っています。きっとそれは私たちの日本国憲法への思いをさらに深めていくことになるでしょう。


 

 

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最新刊『ガイドブック 五日市憲法草案~日本国憲法の源流を訪ねる』が出来!

2015年04月03日 | 新刊案内

新刊の『ガイドブック 五日市憲法草案 日本国憲法の源流を訪ねる』が出来上がってきました。

最初に著者の鈴木富雄さんに出版を持ちかけてから1年以上かかりました。

振り返れば、この1年あまりの間の憲法をめぐる動きのなんとあわただしかったことかと思います。

昨年の7月の暑い盛りに、東京の中心から電車で2時間近くかかったでしょうか、JR武蔵五日市駅という終点に降り立ち、出版交渉をしたことがつい昨日のように思い出されます。

半日かけて五日市憲法草案ゆかりの場所を案内してもらいました。

今から134年前、この地は武蔵野台地の山村でしたが、新しい時代にむけた若者たちの意欲あふれる学びの中で、この憲法草案が誕生したのです。

そんな歴史に触れることも、今、あらためて日本国憲法の価値を見出すことに繋がるかなと思います。

今日、さっそくこの本を購入したというある団体の方から電話があって、そこの機関紙にこの本の紹介を兼ねて原稿を書いてほしいと嬉しい要請をいただきました。

ということで、本の内容はこちらで御覧ください。

 

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