月に一回。
近くの小学校の児童センターで読み聞かせをしている。
最初は別のメンバー三人が行っていたのが、ひとり欠員が出たということで わたしも誘われた。でも毎回出席しているわけではなく お休みすることも多かった。
木曜日の午後ということもあり、他のこととぶつかったり 健康上の問題だったり 家庭の事情だったり・・・ということで 皆勤賞からは程遠いわたし。
そこでの読み聞かせはかなり大変で 子供たちが落ち着かず読むほうも あれこれ悩みが多い。どうしたらちゃんと聞いてくれるのだろうか?とメンバーが集まるたびに その問題に頭を抱えていた。
人間というものは勝手なもので、自分がしていること(この場合は読み聞かせ)があちこちであると 見比べてしまう。あっちの学校や保育園の子たちはちゃんと読む姿勢ができているけど こっちの子は・・・という具合に見てしまう。そして見劣りがすると 自分の読みの力量には思いをよせないで 子供たちが悪い?施設の担当職員がしっかりしていない?といった方向に考えが向いてしまう。
わたしたちも会えば そのことに考えが行っていた。終いには あそこでの読み聞かせは無理なんじゃないの?とか 職員でもないわたしたちが注意できることってある?とか そういうことに終始した。それが当然だとばかりに。
でも 10月の読み聞かせのときのことだ。その日は先に行っていたメンバーひとりがもう絵本を読み始めていたので、そっと狭い図書室に入り、子供の隣に腰掛けた。相変わらず落ち着きのない子も多かった。
わたしが長いすに腰掛けたら、後ろの女の子が「見えないよ」とささやいたので、後ろを振り返り「じゃ あなた こっちに座る?」といって前に座らせた。
ところがわたしが後ろに座ると それまでわたしの隣に座っていた女の子が
「はるかちゃん 隣にきちゃいやだ。先生のとなりがいい!」とごねだした。そこで急遽 わたしがその○○ちゃんを抱っこして 隣にはるかちゃんが座るということにした。
それがよかったのか ○○ちゃんも静かになり、はるかちゃんもそのまま座ることになった。
わたしが読んだのは 一冊。「だんまり」という本。
飼い猫のだんまりの後をつけていったら 猫の町に行くはめになるというお話し。
それまでうるさかった子供たちも 少しは大人しく聞いていた。最後には少し拍手も出たような(笑)拍手なんて ここではありえないと思っていたので、内心びっくりした。
そんなこんなで 何冊か読み聞かせをし30分が無事終了。帰り支度をしていたときのことだ。
わたしの上着のすそをツンツンと引っ張る子がいた。
振り返ると そこにあのはるかちゃんがいた。
そして 小さな声で
「先生、この次も来てくれる?」と言うのだ。
「毎月1回やってるからね。また来るよ。」というと
「必ず来てね」と 安心したような顔をして行った。
その言葉を聞いて わたしはハッとした。
間違っていた・・・わたしは間違っていたんだ・・・
わたしが読み聞かせをしようと思ったのはどうして?
ここの子供たちは「聞けない」と勝手にレッテルを貼って、どうせ読み聞かせをやっても・・・と最初から諦めていなかったか?職員がしっかりしないからだとか そういうことで責任転嫁していなかったか?
どんなにうるさくても いいお話や心をこめた読み聞かせを続けていけば きっとこの子たちには伝わるときが来る・・・そう思って続けることが大切なんじゃないかと はるかちゃんの言葉に気づかされた。
ありがとう、はるかちゃん。
ほんとうにありがとう。
来月 また行くからね。今度はどんなお話がいいかな。
おばさん 楽しみにしてるからね。
ところで 先生って呼ばれるの なんかこそばゆいなー。お話のおばさんでいいんだけどね♪あはは。
近くの小学校の児童センターで読み聞かせをしている。
最初は別のメンバー三人が行っていたのが、ひとり欠員が出たということで わたしも誘われた。でも毎回出席しているわけではなく お休みすることも多かった。
木曜日の午後ということもあり、他のこととぶつかったり 健康上の問題だったり 家庭の事情だったり・・・ということで 皆勤賞からは程遠いわたし。
そこでの読み聞かせはかなり大変で 子供たちが落ち着かず読むほうも あれこれ悩みが多い。どうしたらちゃんと聞いてくれるのだろうか?とメンバーが集まるたびに その問題に頭を抱えていた。
人間というものは勝手なもので、自分がしていること(この場合は読み聞かせ)があちこちであると 見比べてしまう。あっちの学校や保育園の子たちはちゃんと読む姿勢ができているけど こっちの子は・・・という具合に見てしまう。そして見劣りがすると 自分の読みの力量には思いをよせないで 子供たちが悪い?施設の担当職員がしっかりしていない?といった方向に考えが向いてしまう。
わたしたちも会えば そのことに考えが行っていた。終いには あそこでの読み聞かせは無理なんじゃないの?とか 職員でもないわたしたちが注意できることってある?とか そういうことに終始した。それが当然だとばかりに。
でも 10月の読み聞かせのときのことだ。その日は先に行っていたメンバーひとりがもう絵本を読み始めていたので、そっと狭い図書室に入り、子供の隣に腰掛けた。相変わらず落ち着きのない子も多かった。
わたしが長いすに腰掛けたら、後ろの女の子が「見えないよ」とささやいたので、後ろを振り返り「じゃ あなた こっちに座る?」といって前に座らせた。
ところがわたしが後ろに座ると それまでわたしの隣に座っていた女の子が
「はるかちゃん 隣にきちゃいやだ。先生のとなりがいい!」とごねだした。そこで急遽 わたしがその○○ちゃんを抱っこして 隣にはるかちゃんが座るということにした。
それがよかったのか ○○ちゃんも静かになり、はるかちゃんもそのまま座ることになった。
わたしが読んだのは 一冊。「だんまり」という本。
飼い猫のだんまりの後をつけていったら 猫の町に行くはめになるというお話し。
それまでうるさかった子供たちも 少しは大人しく聞いていた。最後には少し拍手も出たような(笑)拍手なんて ここではありえないと思っていたので、内心びっくりした。
そんなこんなで 何冊か読み聞かせをし30分が無事終了。帰り支度をしていたときのことだ。
わたしの上着のすそをツンツンと引っ張る子がいた。
振り返ると そこにあのはるかちゃんがいた。
そして 小さな声で
「先生、この次も来てくれる?」と言うのだ。
「毎月1回やってるからね。また来るよ。」というと
「必ず来てね」と 安心したような顔をして行った。
その言葉を聞いて わたしはハッとした。
間違っていた・・・わたしは間違っていたんだ・・・
わたしが読み聞かせをしようと思ったのはどうして?
ここの子供たちは「聞けない」と勝手にレッテルを貼って、どうせ読み聞かせをやっても・・・と最初から諦めていなかったか?職員がしっかりしないからだとか そういうことで責任転嫁していなかったか?
どんなにうるさくても いいお話や心をこめた読み聞かせを続けていけば きっとこの子たちには伝わるときが来る・・・そう思って続けることが大切なんじゃないかと はるかちゃんの言葉に気づかされた。
ありがとう、はるかちゃん。
ほんとうにありがとう。
来月 また行くからね。今度はどんなお話がいいかな。
おばさん 楽しみにしてるからね。
ところで 先生って呼ばれるの なんかこそばゆいなー。お話のおばさんでいいんだけどね♪あはは。