河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

保健福祉研究所と大学、大学院との関係3

2008-09-09 | 保健福祉研究所
文科省に提出したオープンリサーチセンター構想調書の内容を受けて、吉備国際大学保健科学部学生、保健科学研究科大学院生、卒業生などリハビリテーションに関わる人材に広く呼びかけて、ORCを活用した人材育成のための『リハビリテーション高度専門職業人養成公開講座』を開催することになった。
これまでに本学卒業生からも大学において講演会や講習会を開いて欲しいという要望が寄せられており、研究所が稼働した事によりこれに応えることができるようになった。
大学にとっても卒業生と密に連携が取れると言うことは臨床実習を抱える保健科学部にとっては非常に意味がある。
今後、学内の教員にも順次講師を依頼する予定である。

第1回 平成20年9月23日(火)理学卒業生中心
理学療法における手技療法の第一人者である松永秀俊(まつながひでとし)先生をお招きし、「触診」というテーマでご講演いただく。
日時:平成20年9月23日(火)祝日15:00~17:00
場所:健福祉研究所(15号館)1階

第2回 平成20年10月24日(金)花岡正敬君(ピラティスの理論)
日時:平成20年10月24日(金)19:00~21:00
場所:健福祉研究所(15号館)1階

第3回 平成20年11月(未定)
第4回 平成20年12月(未定)

(参考:ORC健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究構想調書)
3.人材育成計画
1)研究者の養成
 各プロジェクト研究を通じて保健・医療・福祉分野における若手研究者育成を図る。そのために、次のような人材育成計画を持つ。
1.研究プロジェクトに共同研究者として積極的にPD、RAなどを参加させて、幅広く人材養成を行う。
2.本学保健科学研究科大学院生を研究プロジェクトに参加させることによって、若手研究者の養成を図る。
3.病院、施設、リハビリ機器メーカー、福祉機器メーカーや製薬会社など関連する企業の研究者を積極的に受け入れて広範な産学連携を展開するとともに、研究者養成を図る。これまでに企業との共同研究は多数行ってきており、連携は容易である。
2)高度専門職業人養成型
 保健科学研究科に所属する理学療法士・作業療法士・看護師の資格を有する大学院生においては各プロジェクト研究を通じて高度な専門知識を有する職業人として育成を図る。
 本学が設置されている高梁市を中心として地域の健康づくりのための計画策定や、その後の実践活動、評価に協力できることは多い。専門職(保健師・栄養士等)や行政関係者に研究所の利用を開放し、共同研究を進める中で地域でのリーダー的な人材の養成を図る。

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ネットのごたごた

2008-09-07 | 研究・講演
最近では仕事のやりとりはもっぱらメールで行う。
送られてきたメールには忘れないうちにすぐに返信するようにしている。
放置しておくとすぐに埋もれてしまうからだ。
いろいろ仕事をしていると、過去のメールを掘り返して探すという作業が頻繁に起こる。
先方から来たメールに「以前お送りしました」などと書かれていたらそれを探さなければならない。
同じメールアドレスならたやすいが、そういう人に限ってアドレスを変更していたりする。
MacのMailにはスマートメールボックスという便利な機能があり、簡単に同一のアドレスから来たメールをまとめることができる。
日頃から整理しておけば迷うことは少ないのだが、ついつい後回しにして整理していなかった。
今日はこのことを真剣に反省した。

最近、リハ学会の編集委員会では近い将来、オンライン査読システムを実施するための予行演習を始めた。
編集委員が投稿者や査読者になって、実際に作業ができるかどうか予行演習を行うのである。

ところが、この大事な時期に委員長からのメールが私の大学のメールアドレスに届かないという事態が起こった。
原因は今のところ不明だが、先方がGmailを使用しているのが原因かもしれないという。
しかたなく個人用のyahooのアドレスに送っていただくようにお願いした。

忙しくて2日ほど前に送られてきた予行演習のメールの指示をそのまま放置して、日曜日の今日になっておもむろに作業を開始したのだが、オンラインで予行演習の作業を進めようとしたらIDとパスワードを求められる。
編集部から送られてきたメールを読み返すと、以前メールで送付したと書いてある。
過去のメールを全て当たってみてもそれらしきものは見あたらない。

メールで問い合わせても、今日は日曜日なので返信は来ない。
どうしようもなくて途方に暮れている。

たまの休みなのに、こんなことで時間がつぶれるのはたまらない。
メールやいろいろな資料は普段からきちんと整理整頓しておかないと、後で膨大な時間が無駄になる。

最近は仕事の量が物理的にものすごく増えてきているので、能率良く仕事を片付ける方策を見つけないと破綻しそうだ。



ここまで書いて、念のためもう一度過去のメールを見直してみた。

あった。8月28日に、コンピュータから自動配信で送られてきていた。
アドレスが違うのでわからなかった。

何でこんな面倒なことを日曜の休みにしなくてはいけないのかと本当にいやになった。
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鈍感力

2008-09-05 | 研究・講演
本を読むのは中毒と言って良いほど大好きだ。
だけどあまのじゃくな性格からかベストセラーを読むことはあまりない。

鈍感力という渡辺淳一氏の本は良く聞くが読んだことはなかった。

今日、貼付材(湿布)で有名な某企業の記念講演会があり、渡辺淳一氏が「鈍感力」のテーマで講演をして下さった。

脱力系のしゃべり口調で、最初はどういうまとめ方をされるのか少し不安な気持ちで聞いていたが、そこは経験豊富な作家なので最後はきちんとまとめて1時間の講演は無事終了した。

氏の鈍感力という言葉の意味もよく分かった。

岡山ではなかなかこういった著名人の講演を聴くことはできないので、楽しいひとときであった。
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岡山済生会病院で研究スタート

2008-09-04 | 研究・講演
今日は午前中、大学で倫理審査委員会を開いていただき、秋以降行う人を対象とした研究の審査をしていただいた。
何度も開催してもらうことはできないので、私が直接指導している大学院生の研究を4件まとめて審査していただいた。
どの課題も特に危険性があるわけでもなく、以前であれば倫理審査などと言う大げさなことは必要なかったのだが、現在の情勢からすると倫理審査にかけておかないと論文投稿はおろか学会発表すら制限されかねない。
労力も時間もかかるが致し方ない。
審査していただいたのは以下の4課題である。

保健福祉研究所を利用した高梁市老人クラブ健康教室

Closed Kinetic Chainにおける二関節筋抑制現象の解析と臨床応用

前十字靭帯再建術患者における等尺性閉運動連鎖時の筋出力様式

表面筋電図と3次元動作解析による移乗介護動作の局面化



夕方から、岡山済生会昭和町健康管理センターにおもむき、前十字靭帯再建術を行った患者さんの筋萎縮を改善するための研究の第1号となる実験を行った。
これは7月に倫理審査を受けた課題で、大学外部で実験を行うためにこれまで何度も打ち合わせを行ってきたものであり、やっと実験にこぎつけたものである。

荷重立位周期的水平揺動刺激と筋電気刺激による筋力増強法の研究

前十字靭帯再建術を受けた患者さんの大腿の筋肉の萎縮はすさまじいものであり、多くがスポーツ選手であることから非常に大きな問題となっている。
今回の患者さんもサッカーをしている若い男性であるが、筋萎縮はかなりのものであった。
患者さんにとって今回のような電気刺激を用いたトレーニングは初めてであり、おっかなびっくりという様子であったが、萎縮した筋肉に久しぶりに刺激が入り、これから3ヶ月に渡るトレーニングも頑張ってやり遂げてくれそうで安心した。

今回の実験には済生会整形外科の若い先生も二人立ち会ってくれて、わいわいと盛り上がりすこぶる楽しい雰囲気で行うことができた。

これから長期にわたり研究が続くが、結果が非常に楽しみである。
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保健福祉研究所と大学、大学院との関係2

2008-09-04 | 保健福祉研究所
文部科学省が実施している私立大学学術研究高度化推進事業の一つであるオープン・リサーチ・センター整備事業に平成19年度採択されて5年間に渡る『健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究』がスタートした。
オープン・リサーチ・センター整備事業では研究所を建設する予算も半額補助される。
2007年6月20日、保健福祉研究所の起工式が行われた。竣工が2008年3月なので平成19年度はハードとしての研究所がない状態での5年間の補助事業の初年度となった。

研究所がないと言うことはデメリットでもあるが経費の面ではメリットもある。年間数百万円と予想される光熱費、清掃費などの経費が生じないという点である。
研究費としては研究員の個人研究費や研究科予算をかき集めて、それと同額の補助金が期待できるため年間総額2500万円の予算を計上した。この中から上述の初年度節約できる経費を利用してZebrisFDM-Tトレッドミル・システム(トレッドミル式歩行解析装置)を導入した。これはドイツ製で、全国でも初めての導入となり、研究所の目玉の一つと位置づけた。

平成19年度には補助金を利用してリサーチアシスタント(RA)を2名雇用した。
『健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究』は2つのプロジェクトから構成される。
「細胞・分子レベルでの加齢・疾患障害の予防治療法の開発」(プロジェクト1・基礎研究)と「健康増進と障害予防のためのバイオメカニクス・臨床研究」(プロジェクト2・臨床研究)である。
そこで保健科学研究科博士課程の学生を基礎・臨床のプロジェクト毎に1名雇用した。
RAで雇用された博士課程の学生にしてみれば研究をしながら学費をある程度稼ぐことができるのでかなり助かることとなった。
もう一つのティーチングアシスタント(TA)は修士課程の大学院生が本来であれば対象となるのであるが、研究所は研究をするのが務めであり、大学生の授業を行うのは本来の役割ではないため、補助事業を利用してTAを雇用することは不可能であった。

平成20年度になり、研究所が稼働し始めると年間数百万円の光熱費、清掃費などの経費が生じる。これは1年が終わってみなければ総額いくらかかるか分からないが、1年中エアコンを動かし続ける細胞培養の研究室や動物飼育室などを抱えているので莫大な額になることは最初から覚悟している。
その一方で、人的には今年からポスドク(PD)を1名雇用した。ポスドクはプロジェクト1・基礎研究に今年度初めて卒業生を出した保健科学研究科博士課程から井上君が採用された。基礎の研究能力と人柄が評価されたのである。
ちなみにPDの採用は吉備国際大学では今回初めてのケースであった。
昨年に引き続き、リサーチアシスタント(RA)は博士課程の学生からプロジェクト2・臨床研究に1名雇用した。

このように、オープン・リサーチ・センター整備事業の補助金を活用することでRAやPDを雇用することができ、これは大学院生にとっても経済的に望ましいことである。

一方ハードの面では先にあげた歩行解析装置のような研究機器だけでなく、保健福祉研究所の建物が建設されたと言うことは計り知れないくらい大きな意味を持つ。

研究所は既に先行した文化財総合研究センターと臨床心理相談研究所のある13号館の隣に15号館として建設されたため、建物自体が吉備国際大学の研究エリアとしてシンボル的意味を持つこととなった。
本年4月以降、学外からの見学のコースには必ず組み込まれ、大学のアピールに貢献している。

基礎研究の面では、これまで基礎の研究室というものが正式には存在しなかったので、研究所ができたことは画期的である。
とくに細胞や動物を扱う基礎研究は近年各省庁から厳しい制限が指示されるようになってきているので、この研究所ができなければ基礎研究は大学院でもできないという事態が予想されていた。
きちんと規定を満たす研究所ができたと言うことは、大学院の発展のためには非常に大きな意義があった。

臨床研究では1階の広大なワンフロアを活用して動作解析や健康教室の開催などが自由自在に行えることとなった。
プロジェクターとスクリーンも整備されているので多人数を集めて公開講座も行える。
床にマットを敷けば実技を取り入れた講習会も開催できる。

こうしてみると研究所の存在意義は大学・大学院にとって非常に大きいことがあらためて認識される。

(参照)保健福祉研究所のホームページ
http://kiui.jp/pc/hokenfukushi/





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平成21年度科学研究費補助金の公募要領が発表

2008-09-02 | 大学
平成21年度科学研究費補助金の公募要領が発表になった。

http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/index.html

私は今年度で基盤研究Bが終了するので次の研究の応募をしなければならない。
研究所もできたし、現在の研究成果を次にステップアップしなければならないので科学研究費は絶対に必要だ。
これから少しずつ書き始めて約2ヶ月で完成度の高い申請書を書き上げなければならない。
だいぶ経験を積んだので書き方のポイントは分かっているつもりだが、十分に時間が割けるかどうかが問題だ。
しかしこれは最優先事項なので何としてでも良い申請書を書くつもりだ。

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