米国の故ケネディ元大統領の長女、キャロライン・ケネディ駐日大使(55)が19日、天皇陛下にオバマ大統領の親書を手渡す信任状奉呈式に臨み、大使としての仕事が始まった。翌日、高揚した口調で熊本の母から電話があった。母は三十数年前、婦人会活動で皇居奉仕団に参加、ボランティアで皇居で清掃活動をした。そのさい、今回ケネディ大使が皇居に向かった時に乗った儀装馬車の掃除をしたのだという。84歳になった母の弁舌は沿道の皆さん同様、興奮冷めぬようで長く続いた。
ケネディ元大統領が暗殺されたのは1963(昭和38)年11月22日。私は61年生まれの幼児。だが私は少年時代、元大統領を描いた映画を見て、少しだけ知っていた。ケネディ元大統領は第二次世界大戦時、魚雷艇艇長として日本軍と戦っていたが、日本海軍の駆逐艦と衝突し、南太平洋の大海原に投げ出された。それでも強じんな精神で、生き残った部下を助け、国難を乗り越えて生還した──という物語だった。真珠湾攻撃の前、日本海軍は真珠湾に似た錦江湾で攻撃訓練をしている。
奄美群島は12月、本土復帰60周年。現代においても、西之表市・馬毛島への在日米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転問題がある。ケネディ家の父子、鹿児島と米国もさまざまな面で関わっているのだ。
ケネディ大使は早く鹿児島に来てもらい、桜島を見て、鹿児島産黒毛和牛を食べてほしい。カリフォルニアのワインの発展には薩摩人が大きく貢献している。鹿児島の芋焼酎はお口に合うかな。ぜひ、農業を誇る鹿児島で環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について語ってほしい。大戦時、米軍機の空襲で多くの県民が犠牲になった歴史も知っていてほしい。
当然、ご存じのはずだが。ところで、米国に砂蒸し温泉はあるのかな。
鹿児島支局長 三嶋祐一郎 2013/11/25 毎日新聞鹿児島版掲載
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