はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

今年最後の取材

2012-12-21 20:58:43 | アカショウビンのつぶやき


ボランティアパーソナリティとして、コミュニティFMの番組制作に関わって、7回目のお正月を迎えます。
毎週1本のラジオ番組を作るのは、少々しんどくなってきました。
でも、楽しみにしてくださる方々のために、今年も頑張りました。
そして今年最後の取材が終わりました。
市の公共施設、リナシテイ鹿屋のサテライトスタジオでの収録でした。
いつも編集係のOさんが、魔法の手で、番組を見事にまとめ上げて下さるのです。

高校の英語教師を十数年前に、リタイアしたMさんは、この番組の常連さんです。
今年は4本作らせて頂きました。

さあ来年はどんなテーマが登場するのかな…楽しみです。

クリスマスメッセージ

2012-12-21 20:42:02 | アカショウビンのつぶやき


 私が関わっている、コミュニティFMの小さな番組「心のメモ帖」では、
クリスマスに、鹿屋キリスト教会牧師のクリスマスメッセージを番組にしています。

今年もクリスマスの飾り付けが終わった華やかな教会堂で取材をさせて頂きました。
題は「クリスマスのこころ」
「受くるより、与うるが幸いなり」という聖書の言葉からお話下さいました。

皆さんご存じのオー.ヘンリーの「賢者の贈り物」です。
番組の挿入曲は、鹿屋教会ハンドベル演奏を使わせて戴きました。
こちらもまだ練習半ばだったのですが、何とかまとまりました。

とてもホットな番組になりました。
放送時間は12月21日金曜午後8時20分から
再放送が12月23日日曜午前5時20分
再々放放送は同日午後8時20分からです

もしお聞きいただける方はOsumi FM Network 77.2

です。

あと何日…

2012-12-21 20:19:30 | アカショウビンのつぶやき


 お正月まで、何日…ではありません。
クリスマスまでのカウントダウンです。

23日は、キリスト教会のクリスマス礼拝で、信愛コーラスの賛美をします。
2ヶ月かけて練習しましたが、まだまだ仕上がりません。

あーあ
とうとう最後の練習でした。

「いざ われら こぞりて ほめたたえん
主の 御栄えを」
このフレーズ最後は、なんとfff 3つ。しかもフェルマータ…

天才モーツアルトの曲ですからねぇ。

本番で練習以上の成果を出せるよう頑張ります。

まだまだ私は

2012-12-21 17:05:33 | はがき随筆
 北薩合唱祭に行きました。知人たちと、おしゃべりが弾みました。が、この人は、誰だったっけ。名前が思い出せない人がいました。私のアタマがパー? 
 と、なぜかピンク・レディーの局「UFO」か゛手のひらを広げた振り付けと一緒に鳴り響いています。そして、稲光のように思い出したのは別人。今は亡きK子さんです。戦争未亡人でしたが、明るい人で「♪地球の男に飽きたところよUFO」と、歌って踊って笑わせてくれた人でした。あ、選挙カー。門前まで走ります。冷え切った手と手を握りしめ、私はまだまだ、飽きない地球人に乾杯!
  阿久根市 別枝由井 2012/12/21 毎日新聞鹿児島版掲載

さらば青春

2012-12-21 16:57:48 | はがき随筆
 アパートの4階まで駆け上がり、外から声を掛ける。「おばさん、久野です。学生の時お世話になった久野です」。45年ぶりに東京都豊島区千早町の和田ふじ子さん宅を訪ねた。丸顔に丸眼鏡のおばさんは、当時10人ほどの学生の面倒を見た。時まさに学生運動の真っただ中。キャンパスは日々ロックアウト。マージャン、パチンコ、酒に明け暮れた。ラジオからは千賀かほるの「真夜中のギター」が流れていた。「体調を崩して施設に入ったって……」。そう告げられる。もうこの世では会えないだろう。おばさんとわが青春に一礼して、その場を辞した。
 霧島市 久野茂樹 2012/12/20 毎日新聞鹿児島版掲載

アイロン

2012-12-21 16:52:00 | はがき随筆
 母の三回忌を手伝ってくれた福岡の娘にお礼の電話をした。その際、ついアイロンの具合が悪いことを告げると、娘は「後で電話をする!」と叫び、ガチャッと切った。娘の慌てた様子を案じていると、ベルが鳴った。「結婚式の引き出物にアイロンをもらったのでも使っていた物をごみに出したの。持ち帰ってきたので使ってね」。娘の説明にホッとしたり噴き出したり…。早速、コードがない重みのあるアイロンが届いた。新品同様の品でありがたい。「お互いに助かったねえ」と声をかけ、さすった。今は洗濯物のしわを楽しみながら伸ばしている。
  出水市 清田文雄 2012/12/19 毎日新聞鹿児島版掲載

静寂と歓声と

2012-12-21 16:45:46 | はがき随筆
 我が家の恒例になったゴルフ観戦も3年目。今年は世界ランキング3位のドナルドが参戦、技術の高さに息をのむ。ひいきの選手に付いて歩くが、静寂と歓声の繰り返しで、プレーに入る瞬間から動きを止め、会話がやみ、ボールを打つ音を待つ。そして歓声と拍手が起きる。従って数秒のプレーを見るためにほとんどの時間は歩く。いよいよ最終ホール。コースの反対側には子供ランドが設けられていて、ヨチヨチ歩きの女の子と母親が玩具のパターで遊んでいる。
 息を止める必要もなく、ほほ笑ましい。師走の風が吹き始める時、別世界の風を楽しむ。
  志布志市 若宮庸成 2012/12/18 毎日新聞鹿児島版掲載

声の一目ぼれ

2012-12-21 16:39:45 | はがき随筆
 ラジオ番組の制作に携わる女性から電話があった時、どこか懐かしいような声で心地よかった。会話の中の彼女の感性の弾みがまぶしく、その声に私は一目ぼれ?した。
 由紀さおりの「夜明けのスキャット」や、ビートルズを初めて聞いた時も、声の一目ぼれだった。「夜明けのスキャット」は声も素晴らしかったが、作曲者のいずみたくの感性にも驚いた記憶がある。
 ビートルズは、いきなり主題へ入っていく曲作りとか、常識を覆す暴力的な感性の弾みが、歌声やエレキ音とマッチして私にはたまらなかった。
  伊佐市 清水恒 2012/12/17 毎日新聞鹿児島版掲載

陶芸で幸のシロヘビ

2012-12-21 16:27:01 | 岩国エッセイサロンより
2012年12月19日 (水)

   岩国市  会 員   片山 清勝

 陶芸教室へ仲間入りして5年。年末には翌年のえとを作る。今年はヘビに挑戦。岩国市は天然記念物のシロヘビの生息地で、対象に恵まれている。

 姿そのままではただの白いひもになる。漫画風にアレンジし、愛らしくかわいい姿を思い付いた。

 初日は原型を作る。頭は大きめに、細く長い胴は太く短くしてとぐろを巻き、愛嬌のある姿にした。

 2日目は素焼きへ色付けした。特徴の白い胴と柔和な赤い目を細心の注意を払って描いた。まずは狙い通りに仕上がる。

 陶芸仲間は同年配が多く世間話も弾む。いつも和やかな創作風景が広がる。作品を褒め合ったり助言したり、時には厳しい評価も下す。

 シロヘビは福運・金運の守り神として、地元では古くから愛護されている。

 家族と仲間の来る年の「健康と福と幸」の願いを粘土に練りこんだ。月末の窯出しを楽しみに待っている。

   (2012.12.19 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロンより転載

「祖母の願い」

2012-12-21 16:26:09 | 岩国エッセイサロンより
2012年12月18日 (火)

   岩国市  会 員   片山 清勝

師走になると思いだす。祖母は新聞の切り抜きをとじた「忠臣蔵」を開き、浪士それぞれの活躍をよく話してくれた。

子どもの頃で、話のほとんどを覚えていない。それでも、吉良が悪くて浅野が気の毒、いつの聞にか忠臣蔵のイメージができていた。そんな影響か「風さそう」で始まる浅野内匠頭の辞世の句を、意味の分からないまま暗唱していたから不思議だ。

その頃、我が家は3世代が同居。祖母は孫で次を担う長男の私へ、家を守ることの大切さを教えたかったのでは。今になってそんな思いをしている。
   (2012.12.18 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載

「主婦活も厳しい」

2012-12-21 16:24:24 | 岩国エッセイサロンより
2012年12月16日 (日)
     岩国市  会 員   中村 美奈恵

 高校時代の友人が「就職活動のアドバイスをして」とメールしてきた。今春娘が大学に入って学費がかかることや、夫の定年退職が近づき生活が不安になったという。実母の世話などで専業主婦をしていた彼女が働くのは二十数年ぶりだ。
 「いいよ」と返した私は40歳の時、3歳の三男を保育園に預けて働くことにした。ようやく理解ある会社に就職したものの7年目にリストラにあった。すぐ次の会社に勤めたが、1年足らずで辞めた。再び就活を繰り返し、今の会社で働き始めたのは48歳の時。そんな経歴を知っているから相談してきたのだろう。 
 2日後、彼女とハローワークで待ち合わせた。職種、時間、賃金……。パソコン画面に条件を打ち込む。細かく入れるほど会社は絞られる。条件を緩めなければ面接にも行けない。私の場合は通勤距離と休日を譲った。 
 「求人票は細かく見てね。雇用保険は絶対必要よ。焦って決めたら続かないよ」
 経験を交えた話に、彼女はうなずいたり顔をしかめたりした。
 就活はエネルギーがいる。面接の後はぐったり。不採用が続くと落ち込む。そこを頑張らなくては決まらない。
 励まし別れる時、「貴重な時間を使わせたから」と彼女がケーキをくれた。もうそんな気遣いはしないでね。
 主婦活は大学生の就活に負けないくらい厳しい。
    (2012.12.16 毎日新聞「女の気持ち」掲載)岩国エッセイサロンより転載

はがき随筆11月度 入賞作品

2012-12-21 15:56:17 | 受賞作品
 はがき随筆11月度の入賞者は次の皆さんです。

【月間賞】21日「幻想の駅跡」田中健一郎(74)=鹿児島市
【佳作】4日「訳ありパート」鵜家育男(67)=鹿児島市
27日「93個」道田道範(63)=出水市

幻想の駅跡  旧南薩鉄道の吉利駅が憩いの場に整備されたので、訪れて回顧に浸る内容です。戦前から戦後にいたる吉利駅の一こま一こまが、どこにでもあった庶民の生活であり、また、日本人の歴史でもあった情景を、しばしの幻想として思い浮かべる味わい深い文章です。それにしても、日本はこれからどこへ行くのでしょう。

訳ありパート  奥さまのパートによる貯金の目的を列記しただけの内容ですが、おかしみのなかに愛情が漂っている文章です。舟木一夫や韓流ドラマのための貯金は「自分への褒美」、また「孫への送金」と「老犬クロの治療代」のためとは、なんともほほえましい貯金。このような目的のためなら、疲れることもないでしょう。

93個  あまり大きくもない木に、柿の実が鈴なりになった。若葉の頃から収穫の時期まで見守ったお母さまは、売りに出そうか、人にあげようかと大忙し。「7ヶ月も母の守をしてくれた柿の木に感謝」の一文が光っています。それに、「木守り柿」を5個残したということも、読む人の心を暖かくしてくれます。

 この他に3編を紹介します。
 弥栄三郎さんの「蚊」は、安眠を妨害する蚊との対話です。春から秋まで、眠りを妨げ続け、挙げ句の果ては、血が滴らんばかりのおなかを抱えて壁にとまっている。南国ならではの情景ですが、このような文章が書けるのは、心に余裕があるからだと思います。

 鳥取部京子さんの「恩師に感謝」は、一本の書道用大筆にまつわる父の思い出、恩師への感謝などをつづったものです。大筆にまつわる逸話が中心をしっかり固めているので、ぐらつきのない文章になっています。

 新川宜史さんの「65の旅立ち」は、65歳になった途端に押し掛ける年金請求の手続き、介護保険被保険者証、インフルエンザの予防接種通知書、介護保険料納入通知書などなど。私も実感していますが、最近の老年は忙しいですね。それらを羅列したところが、文章を効果的にしています。
  
鹿児島大学名誉教授・石田忠彦