岩国市 会 員 山本 一
1歳10カ月の孫が、よく見ないと見えないような小さなごみを持ってくる。「えっ! これが見えるの」。どうやら目は確実に追い越されたらしい。まてまて、耳も私よりはるかによく聞こえるようだ、と思いめぐらす。
成長著しい孫。私は衰退の一途だ。次は五体のどこが抜かれるのだろうか。記憶力も既に負けているかもしれない。走るのもボール投げも、負けるのは時間の問題だ。
片言の孫に「20歳になったら一緒に飲もうね。じいちゃんの夢だよ」と言ってみる。こっくりとうなずく。その頃は、全てを追い抜かれた90歳越えか。
(2012.11.30 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載
1歳10カ月の孫が、よく見ないと見えないような小さなごみを持ってくる。「えっ! これが見えるの」。どうやら目は確実に追い越されたらしい。まてまて、耳も私よりはるかによく聞こえるようだ、と思いめぐらす。
成長著しい孫。私は衰退の一途だ。次は五体のどこが抜かれるのだろうか。記憶力も既に負けているかもしれない。走るのもボール投げも、負けるのは時間の問題だ。
片言の孫に「20歳になったら一緒に飲もうね。じいちゃんの夢だよ」と言ってみる。こっくりとうなずく。その頃は、全てを追い抜かれた90歳越えか。
(2012.11.30 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載