はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

「成長と衰退の現実」

2012-12-01 16:28:47 | 岩国エッセイサロンより
     岩国市  会 員   山本 一

1歳10カ月の孫が、よく見ないと見えないような小さなごみを持ってくる。「えっ! これが見えるの」。どうやら目は確実に追い越されたらしい。まてまて、耳も私よりはるかによく聞こえるようだ、と思いめぐらす。

成長著しい孫。私は衰退の一途だ。次は五体のどこが抜かれるのだろうか。記憶力も既に負けているかもしれない。走るのもボール投げも、負けるのは時間の問題だ。

片言の孫に「20歳になったら一緒に飲もうね。じいちゃんの夢だよ」と言ってみる。こっくりとうなずく。その頃は、全てを追い抜かれた90歳越えか。

  (2012.11.30 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載

「しあわせな距離」

2012-12-01 16:27:33 | 岩国エッセイサロンより
   山陽小野田市  会 員   河村 仁美

幸せな夫婦になるコツは、奥さんが趣味に没頭できる時間を確保し、会話を増やしつつ、さらに旅行や老後についてたくさん会話することだそうだ。   

「人が走るのを見て何が楽しいの」とあきれられるくらい駅伝やマラソンの現地観戦が趣味の私。車の免許を持っていないので、必然主人と2人旅になる。 

先日、テレビに映った2人を見て義姉が「隣じゃなくて微妙に離れていた」と不思議がった。主人に言わせると、不安にならないくらいの距離だそうだ。早いもので結婚30周年。主人の距離の取り方が上手だったのだろう。老後もよろしくね。

(2012.11.30 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載

平和学ぶ子 頼もしい

2012-12-01 16:26:13 | 岩国エッセイサロンより
    岩国市  会 員   横山 恵子

 岩国市内にある平田小6年生の日曜参観を見せてもらう機会があった。

 子どもたちは、語り部の人たちの話を聞いた後、広島市中区の原爆資料館、平和記念公園を訪問。帰って班に分かれ、平和新聞作りをしたとのこと。

 参観日当日、班ごとに前へ出て、新聞を黒板に張り、一人一人が自分の感じたことを発表した。

 発表では、被爆の実態に衝撃を受けたこと、世界に今もあるたくさんの核兵器のこと、被爆から10年後に自血病でなくなった佐木禎子さんへの思いなどが、ひしひしと伝ってきた。

 新間には平和を願う鶴の絵が描かれ、しっかりと握手した手と手の絵の下にはsmileとpeaceの文字。その発想に感心した。 ´

 まさに、仲間同士の努力と絆の結晶のような平和新聞だ。日本の将来を担う子どもたちを頼もしく思い、元気と勇気をもらった。

  (2012.11.30 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロンより転載