セピア色した一枚の新聞切り抜きを大切に保存している。それは昭和63年4月12日付。「昭和恐慌の前夜に良く似ている」。紙面をハッと緊張して読む。人生の大先輩の方が「私は昭和恐慌での銀行倒産で失職を経験している。君も将来の大不況には心しなさい」と言っていた。この記憶がよみがえる。現在の自営業は強い量販店の進出で不安が予想される。ここで熟慮して1年後に人生で一番苦しい選択をして180度転換する。幸いこの選択が大成功して今日の安心がある。新聞は私にとっても、社会にとっても常に大事な木鐸である。忘れない。
鹿屋市 小幡晋一郎 2012/11/2/5 毎日新聞鹿児島版掲載
鹿屋市 小幡晋一郎 2012/11/2/5 毎日新聞鹿児島版掲載