はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

古希を迎え趣味深める

2010-10-09 21:40:47 | 岩国エッセイサロンより
2010年10月 9日 (土)

   岩国市  会 員   片山 清勝

先日、古希を祝って岩国市営バスの1乗車が100円になるという「敬老者優待乗車証」が市から届いた。錦帯橋は無料で渡れるとある。うれしいが、いよいよ高齢者の一人に認定されたかと、ちょっと複雑な気持ちになった。
 特別の趣味もなく、40年余りを会社人間で過ごし、その束縛が解けたらただの在宅老人にならないかと、一抹の不安を抱きながら定年を迎えた。
 それから間もなく10年。70歳となる。幸いなことに、この間の機つかの出会いが定年前の不安を解消してくれた。
 日々の出会いを短い文章にして投稿、自己啓発を図ろうという同好会。粘上で世にひとつの焼き物を楽しむ創作の集い。地域の歴史や文化を勉強する会。今はこれらにすっほりとはまっている。
 そして仲間と教わり、刺激を受けることで、高齢というイメージは薄れ、充実の日々を実感し、感謝している。
 そうはいっても高齢。これからも体調に気を配りながら、マイペースで今の楽しみを深められるよう精進していこうと思う。

   (2010.10.09 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロンより転載

秋の気配は…

2010-10-09 19:55:01 | アカショウビンのつぶやき
 「お母さん、キンモクセイが咲いてるぞ、気がついたか」
毎年、夫にそう言われるまで、あの高貴な香りに気がつかない私。教えてくれる相方が居ない今は、生け垣が真っ黄色になってやっと気がつくありさま…。

 それでも今年だけは、本当に咲くのだろうかと気になって仕方がない。今年の長雨と猛暑は植物にとっても過酷な環境だったようで、鉢植えは言うに及ばず、庭木までも危ない状況だった。
 いつもはびっしり花をつけるキンモクセイなのに、いつになっても蕾が見えない。
 毎年、鈴なりに実を付けるフェイジョアも病気にかかり、もうダメかと諦めかけたが、見事に復活してようやく実がふとりだした。
 真っ赤に庭を彩る彼岸花も数えるほどしか咲かなかった。
 彼岸も過ぎ、風も雲もすっかり秋の気配だけれど、酷暑に痛めつけられた植物たちはまだまだ回復していない。
 
 今日は涼しいと言うよりも寒いと言いたい朝だった。これから駆け足で秋が深まり、冬に突入なのかなあ。
 衣替えもだんだんしんどくなってきた。本気でシンプルライフを実践しなくちゃ…と思うこの頃です。

by アカショウビン
 

2万円也

2010-10-09 12:30:23 | はがき随筆
 飼いネコのモモの右ほおが血まみれ。病院では「引っかいたかバイキンが入ったか、膿んで肉が腐って落ちた」と。6㌢も縫う。引っかき防止の幅15㌢のプラスチック製のものを首に巻いてボタンで留める。
 さっそく子どもたちに報告。名古屋の次男のお嫁さんには写メールをする。仕事から帰った息子は「衛星放送のアンテナみたいだ」と。こちらでも、夫がまったく同じことを話し、お嫁さんは「さすが親子ですね」。
 普段は無口な2人だが、DNAのつながりを実感した。夫のほおもゆるんでいた。モモの治療費、2万円もなんのその。
  いちき串木野市 奥吉志代子(62) 2010/10/9 毎日新聞鹿児島版掲載



モモちゃんは、生まれて初めての体験に首を振り振り歩いたり、パニック状態だったそうですが、エリザベスカラーが似合ってますよね。
1ヶ月半、志代子ママは治療に悪戦苦闘、傷はすっかりよくなりました。
by アカショウビン



写真は奥吉さん提供。