はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

散歩に思う

2008-12-15 21:03:29 | はがき随筆
 木々はすっかり葉を落とし、風に吹き寄せられた落ち葉はまだ色を残している。冬を越せば木々にはまた若葉がもえ、落ち葉は土に還り次の命をはぐくむ。自然の摂理の中では、冬は希望の種を宿している。
 しかし人の世では──。連日、内定取り消しだの解雇だの、背筋が寒くなる話が聞こえてくる。突然職を失った人々にこれからどう希望を抱いて暮らしてゆけというのだろうか。他人事ではない。我が家の次男坊もただ今就職浪人中。「多分4月には採用されるはずだ」というが、採用決定の通知を見るまでは生きた心地がしないこのごろ。
   出水市 清水昌子(55) 2008/12/15 毎日新聞鹿児島版掲載