お守り

　腸の再検査に行く羽目になった。昨年までの検査で「別状なし」だったのに１年で！　半信半疑だったが、やや狼狽した。
　検査日を決め、いよいよ実行の朝、孫へ「行ってらっしゃい」にマンションの下まで行くと、白い封筒を娘が渡した。
　「どうしたの」「お見舞いに」「えっ」「検査に行くのでしょう」「ケンサよ」と言いながら受け取った。
　９時から４時、やっと検査が終わって帰りながら「あのお守りのおかげで……」と感謝。夕方「ありがとう。お守りのおかげで無事でした」とやさしさ、感謝をこめ封筒を返した。
　　　鹿児島市　東郷久子（74）　2008/12/3　毎日新聞鹿児島版掲載

卯の花によせて

　卯の花の匂う垣根に時鳥……。卯の花をスーパーで見つけた。一瞬あらっと思い懐かしいネ。何とおからでした。早速買い竹輪、ハム、干しシイタケ、ニンジン、ニラと一緒にフライパンで炒めました。砂糖にしょうゆ、赤ワインで味付け。昔の素朴なおからの味でした。グルメの時代ですが夫も舌鼓を打ちました。食欲の秋。お豆腐がある限り卯の花も永遠に消えないでしょう。寒い季節にはキビナゴ、ネギ、ショウガで卯の花スープでもしましょうか。工夫次第では何の材料でも腕一つでおいしい料理が作れる。で、我が家の温か料理の代表作です。
　　　加治木町　堀美代子（64）　2008/12/2　毎日新聞鹿児島版掲載
　　　写真はyushitaさん