kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

3月相場の賞味期限

2023-03-08 05:49:12 | 日記
米国では10日に米雇用統計、来週は14日にはCPI、15日にはPPIと小売売上高と重要経済
指標が相次いで発表されます。結果次第ではマーケットの波乱に繋がりそうです。7日付
の日経新聞の記事によると2月の機関投資家を対象にした調査によると日本株に対して弱
気が強気を上回ったそうです。

しかし3月の日経平均は7日時点で900円程度上昇しています。この水準は昨年11月以来の
高いところです。一方NYダウは1月高値から3月安値の下落分の半分程度を回復したにす
ぎません。この急上昇でも機関投資家の見方は変わらないのか、もし変化したのならこの
上昇に乗り遅れまいという買いが続くかもしれません。

もっとも悪材料には目をつぶり好材料だけを囃しての上昇という側面もあります。中国景
気の回復はエネルギーや素材価格の上昇を通じて米国のモノの価格上昇に繋がります。CPI
の高止まりにも繋がり引き締めが続くきっかけにもなります。

そうなると一層米国経済のハードランディングが現実味を帯びます。米国への輸出環境の
悪化という流れに繋がり中国経済にも悪い影響が出てきます。現在の東京市場は中国景気
回復期待で機械や商社など景気敏感セクターが高値を更新しています。

当然、歯車が逆回転すれば上昇率が高い銘柄中心に売り圧力が高まります。機関投資家の
慎重な投資姿勢を見る限り下落時に備えてのポジションを多めにしているかもしれません。
10日のメジャーSQまでがこの上昇トレンドの賞味期限なのか、それともSQを通過しても
バリュー株の多い日本株は人気を持続できるのか注意が必要なのでしょうか。

パウエル議長の議会証言を受けて米株は大きく下落しました。利上げ加速が懸念され2年債
利回りは5%の大台に乗せました。10年債との利回り差は1%に広がりました。今月の利上
げは再び0.5%に戻りそうです。日本の機関投資家の見立てのように弱気派が多くなったの
に独歩高になっている3月相場ですが、泡沫の株高に終わるのでしょうか。日本株の真価は
今後の動き次第です。

9日の更新は急用のためお休みします。


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中国から吹く風

2023-03-07 06:39:44 | 日記
日本株復活なんて景気の良い言葉が出てきそうな3月相場になってきました。2営業日
続けて300円を超える上昇を演じました。昨年11月の高値水準まで上昇しました。しか
も特定の値嵩株だけで押し上げられたものではないところがポイントです。

年初来高値を更新した銘柄は185に及びました。業種は建設から鉄鋼、機械、電気、商
社、サービスなど広範囲に及んでいます。相場の核が見当たらないという指摘はありま
すが、バリュー株物色でPBRの低い業種は幅広いという事なのでしょう。

年明けの四半期決算では業績の下方修正も多かった景気敏感株でしたが、10~12月期は
中国がゼロコロナ政策をまだ続けていたころで当然中国経済の不調が日本企業の足を引
っ張りました。

ところがゼロコロナ政策を止めたことで中国経済の回復を示す経済指標が出てきたこと
から中国関連と言われる鉄鋼や機械それに電気などは今後業績の回復が期待できるとい
う流れがバリュー株トレンドの波に乗ったようです。

コロナ禍で株式市場を席巻したのはGAFAM+Tに代表される大型テク銘柄でした。オー
ルドエコノミーの代表格である鉄鋼や機械株などは成長が見込めない景気循環株として
の低評価で安値圏に放置されてきました。大手鉄鋼株や地銀株は黒字で配当も実施して
いるにも拘らず一時はPBRが解散価値である1倍を大きく下回る0.5倍程度の評価でした。

投資の世界では成長株投資が長期投資の世界では王道だという見方に変化はないでしょう。
しかし成長株だけ保有していればいつでもリターンが得らものではないことは飛ぶ鳥を落
とす勢いだったGAFAMの昨年の不振が示しています。市場は生き物でまた人気銘柄もグロ
ースやバリュー株もその時々の状況で移り変わる。

今人気のバリュー株ですが、中国景気の回復期待が追い風になっています。確かに経済指
標からは回復を示す内容です。それがゼロコロナで抑えられていた需要が一時的に出たも
のか、持続力のある回復なのか今後の推移を注意しなければなりません。

米国では引き締めがより高く、より長く続くということが既に既定路線になってきました。
市場ではゼロランディングなんて都合の良い見方も出てきましたが、ここにきて引き締めが
長引くことでハードランディングも再び懸念されるようになりました。米国経済が失速すれ
ば中国からの輸出にも影響します。

バリュー株に多い景気敏感株には米国や中国の景気が落ち込めば逆風となります。中国景気
回復期待という中国から吹いてきた風は吹き続けるのか、止まってしまうのか手放しの楽観
は出来ないようです。
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もみ合い上放れ

2023-03-06 06:46:21 | 日記
3日の日経平均は大きく上昇して2万8000円の大台手前まで上昇しました。週末の米株高
もあり今日は2万8000円を回復しそうです。2万8000円台を終値で維持できれば昨年12月
の日銀会合前の水準を取り戻すことになります。

円相場は既に日銀会合前の水準まで円安が進みました。大発会からの上昇は度円相場の
動きと連動しているようです。そうなると日経平均が2万8000円からさらに上昇するには
円相場の動向次第なのでしょうか。今週予定される日銀会合やCPIの発表で相場の行方が
変わるのかも注目されます。

2万7500円前後の揉み合いが下放れたと思ったら直ぐに上方向にはねました。まるでより
高くジャンプするには一旦しゃがみ込み反動をつけたかのようです。今週はメジャーSQが
ありますが、この勢いだと少なくとも週前半は堅調な展開なのでしょうか。米国の雇用統計
発表が第2週にずれ込んだことも不安材料が先延ばしになったことで結果的には良かったの
かもしれません。

先週の東京市場はバリュー株優位の展開でした。中国景気の回復期待がバリュー株に多い
景気敏感セクターである鉄鋼、機械などの一段高に繋がりました。これまで予想されたよ
りも人気が持続しています。中国景気に関してはどこまで回復できるのかよりも期待先行
が気になるところですが、投資家の多くが賛同すれば流れは続きます。

米国ではFRBがより高く、より長く金融政策を続けるというのがコンセサスになってきま
した。2月中旬以降ダウが調整を迎えているのはそんな背景があるのではないでしょうか。
一方日経平均は年初からダウに見劣りしましたが、このところ急激に追い上げ先週末時点
では逆転しました。

日銀のさらなる政策変更が当面なくなりそうなことや中国景気の回復期待が日本株優位の
展開を支えています。中国からのインバウンド再開期待でもまだ空運や電鉄は年初来の安値
近辺です。このところ人気のマツダやホンダ、日産に比較してトヨタも同様に年初の安値
から僅かに上昇しているにすぎません。

先駆したした銘柄の上昇が鈍化してもこれらの銘柄が上昇する余地が出れば相場は支えら
れます。3月相場は前半に要注意と思っていましたが、どうやら私の不安は外れたようです。
不安が高かった分、以外高もあるのでしょうか。
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再びもみ合い相場

2023-03-03 06:25:14 | 日記
日経平均は先週22日の下げでもみ合いを下放れるのではないかと懸念されましたが
その後持ち直し再び2万7500円を挟んだもみ合いに戻ってきました。もっとも日足
チャートを見る限り寄付きよりも終値が低い陰線が目立つことです。やはり上値で
は戻り売り圧力が強い状況は変わっていないようです。

先週の売買動向をみると個人投資家は900億円程度の買い越しになりました。おそら
く22日の大幅下落時に押し目買いを入れたのでしょう。一方頼みの海外投資家は前週
の2331億円の買い越しから一転2263億円の売り越しに転じました。海外投資家が本格
的に買いに転じたという見方はまだないようです。

信託銀行は先週1339億円の売り越しとなり前週の1519億円の売り越しから高水準が
続いています。信託銀行は年金の売買が反映されると言われています。国債の利回り
が12月の日銀の政策変更もあり上昇しています。債券利回りの上昇で年金資金はリス
クの高い株式の運用比率を下げても予想利回りを確保できるということが影響してい
るのでしょうか。

銀行の売り越しも続いています。企業との持ち合い解消が要因でしょうか。市場はPBR
1倍割れ銘柄物色が続いています。鉄鋼や建設など持ち合いが多い老舗銘柄が多いこと
や銀行株の底上げもお互いに持ち合いを解消するには良いタイミングかもしれません。

日本企業が筋肉質の体質を取り戻すには資産効率の改善は待ったなしです。もっとも
持ち合いを解消して増配したり自社株買いに向けたりしても短期的には株高要因です
が、成長ストリーが同時に欠かせません。低収益部門の整理や成長が見込める分野で
のM&Aなどが必要です。企業の本気度が試されます。
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早くもシナリオの見直し?

2023-03-02 05:59:07 | 日記
2023年相場も2カ月経過しました。各市場は年初予想とどんな動きだったのでしょうか。
為替市場は昨年11月以降の円高トレンドが持続し今年は緩やかな円高になるという見方も
ありました。しかし実際の円相場は1月の128円から足元では136円台と円安が進みました。

日銀総裁の交代で早期の金融政策の変更が期待されましたが、その後の国会での発言でも
当分は緩和姿勢を維持することが明らかになりました。また米国でも1月の雇用統計の結果
が強かったことなどから利上げは春先には停止という予想は後退しました。長期金利も3.5%
から一時4%を越えました。円安進行と米長期金利上昇は連動しています。

米株がこのところ息切れ気味なのは再びインフレの高止まりが懸念され引き締めが年初の
予想よりも長引くとの懸念からです。決算発表も終わり市場は再びミクロからマクロの経
済に移ってきたことで改めてインフレ動向で相場が揺れ動くことになっています。

日本株にとっては円安は輸出企業の業績を底上げすることでプラスに働きます。先週から
ダウに比べて日経平均が底堅く推移しているのは円安・日経平均高というトレードをヘッ
ジファンドがしているなら円安メリットが実体経済よりも株式市場に強く出ている可能性
もあるのではないでしょうか。

もっとも円安メリットを受けると予想されている自動車セクターでは尚も半導体供給が不
安定で生産が正常化していません。いくら円相場が円安に振れても生産が制限されていて
は恩恵は限定的です。また米国市場では日本車メーカーの収益は自動車販売に伴う金融部
門の収益が貸し倒れ率の上昇で逆風を受けています。

また中古車価格の下落が進みリース車の再販売でメーカーの収益が悪化しているとのニュ
ースも出ています。円安は自動車メーカーとしてはプラス面とマイナス面があるというこ
とを考えておかなければなりません。円安イコール自動車メーカーの輸出採算の向上から
のプラス面ばかりが聞こえてきますが、必ずしもそうではないというのが答えのようです。

自動車セクターでもっとも恩恵にあるトヨタ自動車の株価は円相場が1ヶ月で8円円安に振
れたにも拘わらずほぼ横ばいです。現在の割安株相場が続いているのは主力銘柄の手掛け
づらさの側面も影響しているのではないでしょうか。
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