kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

利益の質

2023-03-28 05:57:32 | 日記
3月相場では急ブレーキがかかってしまいましたが、コロナショックからいち早く立ち直り
株価倍増を遂げたのは大手総合商社でした。GAFAMなどコロナ禍で人気化した大手テック
が2022年にはピークを付け尚も調整していることを思えばこのところの調整でも影響は軽
微にとどまっています。

もっともPERは伊藤忠を除けば三菱商事や三井物産、丸紅、住友商事とも5倍台と日経平均
採用銘柄平均の4割程度です。PBRも三菱商事と三井物産は1倍を割り込んでいます。配当
利回りの高さや自社株買いといった株主還元策は各社積極的に行っています。

それでも低評価の要因は利益の質にあるようです。27日付の経済紙のネット記事には総合
商社の双日が取り上げられていました。27日の終値は58円高(2.24%)と反発しましたが
3月上旬の高値からの急落に対する自律反発の域を出ないかもしれません。

2022年3月期には経常利益、純利益とも3倍になりました、2023年3月期も二桁増益が予想
されています。それでもPERは5.5倍、PBRは0.77倍の水準です石炭事業の利益が3割を占
めていることから変動の大きさが問題視されているようです。

この収益構造は総合商社に共通します。三菱商事は原料炭事業や原油、ガス事業。三井物
産はガス、石炭、鉄鉱石価格の上昇が利益を膨らませました。資源分野の比率が相対的に
低い伊藤忠のPBRが0.7倍台なのは如何に市場が市況次第で利益が大きく変動する資源、エ
ネルギーでの稼ぎに対して評価が低いのが見て取れます。

海運3社の利益が急増したのも共同出資するコンテナ企業が市況高騰で莫大な利益が出たこ
とです。市況産業は大儲けできる時もあれば市況悪化で赤字になることもあり投資面で額面
通りの評価が出来ないセクターです。今年世界景気は悪化が予想されていますから今期より
も来期以降の業績不安が懸念されます。


コメント
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