kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

目利き力

2023-03-23 06:31:36 | 日記
注目のFOMCでFRBは0.25%の利上げを決めました。パウエル議長は物価安定と金融シス
テム安定の問題を切り分け、金融政策はあくまでマクロ経済環境に応じて実行する姿勢を
強調しました。市場が期待する利下げ転換についても「基本シナリオでない」と述べまし
た。

事前の市場では地銀2行の破綻による混乱で利上げ無しという予想もありました。一方
FRBが利上げを見送ると「金融システムはそこまで危機に瀕しているのか」という連想が
働きかえって市場の混乱に繋がるという見方もありました。その点では議長の説明は利上
げと金融安定化は切り離して考えるというもので、今回の利上げ決定は説得力のある判断
だったようです。

それでもダウが530ドルの大幅下落だったのは利上げ局面で市場の反応が一方通行になり
易いということなのでしょうか。改めて金融引き締め局面での投資の難しさを痛感するよ
うな最近の動きです。健全とみられていた地銀2行の突然の破綻はリスクがどこに潜んで
いるのか不安を高めることになりました。

引き締めの終盤を迎え市場の一部には株価の復調を期待する向きもあります。しかしこれ
までの急激な引き締めの結果市場であちらこちらで綻びが出てきそうです。地銀2行の破綻
は個別銀行の特有な問題が影響したものであり金融システムの不安に結びつくものではない
というのが当局の見解です。

しかしこれほど急激な利上げが行われなかったのなら破綻は避けられたかもしれません。
昨年3月から始まった利上げ局面はかつてないほどの利上げ幅の大きさを速さです。2021年
末時点で2022年の利上げが0.25%で4回というのが上限の見方でした。0.75%という通常の
3倍の利上げを連続して複数回したというのは本当にサプライズなのです。

今後も投資家は利上げ局面での様々な株安要因と向き合わなければなりません。厄介なのは
長期投資家が基本様子見である状況で短期筋による予想外の株価変動が頻発することで方向
性が見えづらくなっていることです。波乱相場では内容のしっかりしている銘柄への目利き
が欠かせません。
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