kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

中国から吹く風

2023-03-07 06:39:44 | 日記
日本株復活なんて景気の良い言葉が出てきそうな3月相場になってきました。2営業日
続けて300円を超える上昇を演じました。昨年11月の高値水準まで上昇しました。しか
も特定の値嵩株だけで押し上げられたものではないところがポイントです。

年初来高値を更新した銘柄は185に及びました。業種は建設から鉄鋼、機械、電気、商
社、サービスなど広範囲に及んでいます。相場の核が見当たらないという指摘はありま
すが、バリュー株物色でPBRの低い業種は幅広いという事なのでしょう。

年明けの四半期決算では業績の下方修正も多かった景気敏感株でしたが、10~12月期は
中国がゼロコロナ政策をまだ続けていたころで当然中国経済の不調が日本企業の足を引
っ張りました。

ところがゼロコロナ政策を止めたことで中国経済の回復を示す経済指標が出てきたこと
から中国関連と言われる鉄鋼や機械それに電気などは今後業績の回復が期待できるとい
う流れがバリュー株トレンドの波に乗ったようです。

コロナ禍で株式市場を席巻したのはGAFAM+Tに代表される大型テク銘柄でした。オー
ルドエコノミーの代表格である鉄鋼や機械株などは成長が見込めない景気循環株として
の低評価で安値圏に放置されてきました。大手鉄鋼株や地銀株は黒字で配当も実施して
いるにも拘らず一時はPBRが解散価値である1倍を大きく下回る0.5倍程度の評価でした。

投資の世界では成長株投資が長期投資の世界では王道だという見方に変化はないでしょう。
しかし成長株だけ保有していればいつでもリターンが得らものではないことは飛ぶ鳥を落
とす勢いだったGAFAMの昨年の不振が示しています。市場は生き物でまた人気銘柄もグロ
ースやバリュー株もその時々の状況で移り変わる。

今人気のバリュー株ですが、中国景気の回復期待が追い風になっています。確かに経済指
標からは回復を示す内容です。それがゼロコロナで抑えられていた需要が一時的に出たも
のか、持続力のある回復なのか今後の推移を注意しなければなりません。

米国では引き締めがより高く、より長く続くということが既に既定路線になってきました。
市場ではゼロランディングなんて都合の良い見方も出てきましたが、ここにきて引き締めが
長引くことでハードランディングも再び懸念されるようになりました。米国経済が失速すれ
ば中国からの輸出にも影響します。

バリュー株に多い景気敏感株には米国や中国の景気が落ち込めば逆風となります。中国景気
回復期待という中国から吹いてきた風は吹き続けるのか、止まってしまうのか手放しの楽観
は出来ないようです。
コメント
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