kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

米国発の逆風

2023-03-12 09:34:31 | 日記
2万8000円定着は今回も短命に終わってしまうのでしょうか。米国市場の株安にも抜群の
耐性を保持してきた東京市場でしたが、メジャーSQを境に流れは変わってしまうのでし
ょうか。

注目の米雇用統計は前の月より31万人余り増加し、市場の予想を上回りました。失業率は
上昇(3.6%前月比0.2%増加)したものの低い水準が続いています。また、労働者の平均
時給は前の年の同じ月と比べて4.6%、前の月と比べて0.2%上昇し、こちらは市場の予想
を下回る伸びとなりました。平均賃金の低いサービス業の就業者の比率が上昇したようです。

依然、雇用市場はタイトな状況のようです。パウエル議長は利上げ幅に関してはあくまでも
経済指標次第という方針のようですから、今週発表されるCPI結果が注目されます。もっと
も米シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻が世界の銀行株安に波及しマネーは安全資産
である米国債を買う動きが広がり米10年債利回りが一時3.6%台と約1カ月ぶりの水準まで低
下しました。

市場予想を上回った雇用統計の結果にも拘わらず、3月の会合での利上げ幅が0.5%の予想が
6割を越えていたものが0.25%の利上げ確率と拮抗してきました。SVB以外でも債券の含み
損を抱えている金融機関は中小銀を中心に多いとの指摘もあります。FRBの急激な引き締め
がその背景になるとしたら利上げ再加速は不確実性を高めます。

SVBに資金を預けている預金者はスタートアップ企業がほとんどです。預金保険でカバーさ
れるのは25万ドルまでです。SVBの預金量の89%は保険対象外との報道もなされています。
破綻の影響は間接的に仮想通貨市場の混乱も引き起こしています。

ビジョンファンドを通じてスタートアップ企業に投資しているSBGが357円安(6.26%)と
10日の取引で急落したのも今回の騒動が影響しているようです。急激な利上げがスタート
アップ企業を取り巻く環境に負の影響を与えるという副産物が出てきました。米国発の混乱
が過熱気味だった日本株に高値波乱をもたらすのでしょうか。

それとも元々ユニコーン企業が少なく成長株市場とは一線を画していた日本市場が相対的に
影響は少なくて済むのでしょうか。どちらに転ぶにせよ当面はボラティリティの高い状態が
続くかもしれません。このところ円安・株高の連動性が高まっていただけに円相場の行方も
気になるところです。海外市場では米長期金利の低下で2円程円高が進みましたが、この流
れが一過性なのかも注目されます。

次回の更新は14日を予定しています。
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