kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

日本株の正念場

2023-03-24 05:56:49 | 日記
政策金利の最新の見通しから米国の利上げは5月に0.25%を引き上げて終了するとの見方が
出てきました。市場には年内の利下げを期待する動きもありました。それだけにFOMC後に
パウエルが年内の利下げは考えていないという発言が22日のダウの大幅安に繋がりました。

FRBが過去1年間で計4.75%の急速利上げに動き、金融システムにきしみが生じています。
預金の流出と債券の運用損失拡大で米銀シリコンバレーバンクなどが破綻し、中堅銀行の
経営不安が収まりません。

米連邦預金保険公社によると、米金融機関全体の債券の含み損は22年末時点で6204億ドル
(約80兆円)と1年前の79億ドルから急拡大しました。中堅銀行中心に経営不安が収まらな
いことから一段と融資姿勢は慎重になりそうです。このことが景気悪化に繋がりインフレも
低下する。結果的に景気低入れの為にFRBは利下げに追い込まれるというのが市場の見立て
です。

景気減速観測から米国市場ではキャタピラーなど景気敏感株が軟調に推移しています。一方
アップルなど大型テック銘柄はこのところ堅調に推移しています。金利引き上げ停止そして
その先の利下げでグロース銘柄には追い風になるという見方のようです。

23日の日経平均は米株の大幅安にも拘わらず、47円安と小幅な下落で終わりました。経済紙
に鉄鋼、商社などの高配当銘柄に配当取りの動きがあることを理由に挙げています。もっとも
3月末の配当権利付き最終売買日を過ぎれば買い材料は消えます。さらに高配当銘柄は景気敏
感株が多く反動安が懸念されます。

市場は今後利上げの行方よりも米国景気の先行きに関心が高まりそうです。景気後退はあるの
か、あるとすれば浅く済むのかそれとも深刻なものになるのか。FRBの金融政策もそれによっ
て大きく変わりそうです。世界の景気敏感株という位置付けの日本株の正念場はこれからです。
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目利き力

2023-03-23 06:31:36 | 日記
注目のFOMCでFRBは0.25%の利上げを決めました。パウエル議長は物価安定と金融シス
テム安定の問題を切り分け、金融政策はあくまでマクロ経済環境に応じて実行する姿勢を
強調しました。市場が期待する利下げ転換についても「基本シナリオでない」と述べまし
た。

事前の市場では地銀2行の破綻による混乱で利上げ無しという予想もありました。一方
FRBが利上げを見送ると「金融システムはそこまで危機に瀕しているのか」という連想が
働きかえって市場の混乱に繋がるという見方もありました。その点では議長の説明は利上
げと金融安定化は切り離して考えるというもので、今回の利上げ決定は説得力のある判断
だったようです。

それでもダウが530ドルの大幅下落だったのは利上げ局面で市場の反応が一方通行になり
易いということなのでしょうか。改めて金融引き締め局面での投資の難しさを痛感するよ
うな最近の動きです。健全とみられていた地銀2行の突然の破綻はリスクがどこに潜んで
いるのか不安を高めることになりました。

引き締めの終盤を迎え市場の一部には株価の復調を期待する向きもあります。しかしこれ
までの急激な引き締めの結果市場であちらこちらで綻びが出てきそうです。地銀2行の破綻
は個別銀行の特有な問題が影響したものであり金融システムの不安に結びつくものではない
というのが当局の見解です。

しかしこれほど急激な利上げが行われなかったのなら破綻は避けられたかもしれません。
昨年3月から始まった利上げ局面はかつてないほどの利上げ幅の大きさを速さです。2021年
末時点で2022年の利上げが0.25%で4回というのが上限の見方でした。0.75%という通常の
3倍の利上げを連続して複数回したというのは本当にサプライズなのです。

今後も投資家は利上げ局面での様々な株安要因と向き合わなければなりません。厄介なのは
長期投資家が基本様子見である状況で短期筋による予想外の株価変動が頻発することで方向
性が見えづらくなっていることです。波乱相場では内容のしっかりしている銘柄への目利き
が欠かせません。
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波乱相場からヒントを探る

2023-03-22 04:03:13 | 日記
ダウは週明けから2営業日続伸しました。欧州市場ではドイツ銀行など銀行株が上昇して
いるようです。円相場は132円台まで戻しています。今日の東京市場は反発しそうです。
SVBの破綻からクレデ・スイスの経営不安に飛び火しました。銀行のドミノ倒しが市場
心理の悪化に繋がりました。

しかし経営危機で株価が急落していたファースト・リパブリック・バンクの支援策が出て
きたこと、USBによるクレデ・スイスの買収が決まるなど金融システム不安の交代を好感
する形で取り敢えず市場が落ち着きつつあるようです。FOMCで利上げがどうなるのかパ
ウエル議長はどんな発言をするのか不透明要因が晴れるのでしょうか。

大手テック株でもアップルやマイクロソフトは先週から堅調に推移しています。半導体セ
クターではエヌビディア株が力強く上昇しています。SOX指数は2月初旬の高値水準を回
復しています。成長株の中でも割高感が強くなく稼ぐ力の強い銘柄が真っ先に戻りを試す
展開になってきたようです。

東京市場でもアドバンテストは連日10年来高値を更新、東京エレクやスクリーンそれにディ
スコから信越化学まで銀行などバリュー株が崩れる中でも堅調な展開を続けています。今後
の相場展開のヒントが隠されているようです。

SVBなど地銀2行の破綻は個別企業の問題で、米国の金融システム自体の問題ではないよう
です。もっともFRBの急激な利上げが保有債券の含み損が膨らみ銀行経営に足かせになって
いることは共通の懸念事項です。今後銀行の融資姿勢が消極的になり景気悪化が加速すると
の見方も出てきました。

FRBが利上げを続けなくても景気悪化によるインフレの鎮静化が進むとの見方もあります。
近い将来の利上げ停止に繋がれば市場の流れは再びバリューからグロースに戻るのかどうか
も注目点です。波乱相場が落ち着くのか3月相場の注目点です。
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相場は予想していない材料に弱い

2023-03-19 06:44:58 | 日記
3月相場は桜より一足早く散ってしまいました。メジャーSQまでの上昇相場がSQを境に
急転直下の急落相場へ。2万8000円後半まで上昇していた日経平均は一時2万7000円割れ
ました。週末17日には323円高と大きく反発しましたが、当日の米国市場では株安、円高
が進んだことから週明け20日の日経平均は再び2万7000円割れで始まりそうです。21日が
祝日になること、それにFOMCが21日、22日に開催されることもあり値ごろ感からの買い
も期待薄かもしれません。

3月上旬まで日本株の流れはバリュー株物色でした。銀行や商社などが先導役でした。
しかし米中銀が突然破綻したことで債券の含み損問題が大きく報道され銀行株は大きな
下げを余儀なくされました。商社株も原油安など資源価格の下落とともに一転売りを浴
びました。

今回の相場急変でマクロ系ヘッジファンドは大きな損失を出したと言われています。彼ら
は金利上昇、株買いというポジションを積極的に膨らませていたところSVBの破綻から
金利低下、株安が進み大きな損失を出したと言われています。当面は新たなポジションを
構築できないとも言われていて市場の流動性も低下するとも言われています。市場参加者
が減少すれば相場が一方方向に振れやすくなります。ボラティリティの高い状態が続き
一層機関投資家が慎重姿勢になると相場の回復も遅れます。

WHIは65ドル台、円相場も10年債、2年債とも利回りが低下したことで131円台まで円高が
進みました。週明けの市場でも先週の流れが続き銀行株や商社株それに円高で自動車や
電気、機械銘柄には売りが出そうです。一方原油安や円高で電力やガス銘柄には追い風に
なり株価の支援材料になるかもしれません。

米国では地方銀行2行の破綻で銀行の融資姿勢が慎重になり景気下押し圧力が懸念される
という見方も出ています。年明けにはFRBに急激な金融引き締めにも拘わらず堅調な経済
指標が続いたことからノーランディングという楽観論も出ていました。しかしここにきて
銀行の破綻もあり俄かに景気が失速するという見方が高まってきました。

FRBはインフレの行方だけでなく景気にも目配りするような金融政策の舵取りが必要に
なりました。市場の動揺がどこまで続き、その結果金融政策がどう変わるのか、あるいは
変わらないのか当面は方向感の定まらない市場になりそうです。
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半導体関連は別格

2023-03-17 05:41:46 | 日記
経営不安から株価が急落していたクレデ・スイスにスイス中央銀行が資金供給策を使った
手元流動性の調達を発表し、経営不安に対する市場の警戒がいったん後退して株価は反発
しました。NYダウはECBが市場予想に反して0.5%の利上げを嫌気して一時300ドルあまり
下げ場面もありました。

しかし大手銀行11行が経営不安が続く米地銀のファースト・リパブリック・バンクに日本
円で4兆円の預金で資金支援すると伝わると金融システム不安が和らぐとみた買いが広がっ
ってダウは371ドル高で引けました。

これを受けて東京市場でも今日は反発するのでしょうか。来週はFOMCが開催されます。
市場の予想では0.25%という利上げが行われたそうです。ECBのように市場予想に反して
利上げが0.5%になれば一波乱は免れないでしょう。

東京市場で先週末続いていた銀行株や機械株などのバリュー株物色は崩壊しました。個々
の日足チャートを見れば崖から急落する如くの下落です。海外短期筋による相場の脆さを
露呈しました。今回の大波乱をキッカケに相場の流れが変わるのか、それとも変わるのか
注目されます。

結論から言うとPBRが1倍割れしている銘柄でも株主還元の余力や成長ストリーの有無など
で今後は選別が出るかもしれません。おそらく0.5倍以下の銘柄は総じて厳しい状況なの
ではないでしょうか。0.8倍とか0.9倍の銘柄に比べて稼ぐ力や株主還元も限定的なことが
厳しい評価としてあるのではないでしょうか。

0.5倍以下の銘柄は余程の思い切った経営改革を行わなければ上値は限定的ではないでしょ
うか。経営改革が軌道に乗り収益力を取り戻すには時間が必要です。株価の評価はやはり
業績動向です。それも足元だけでなく中長期的な期待です。

その点今週の波乱相場でも抜群の値持ちの良さを示したのが半導体関連銘柄です。半導体
ウエハの信越化学、アドバンテスト、スクリーンHD、東京エレクトロン、ディスコは暴落
相場で輝きを増しているようにも見えます。米国市場でもSOX指数は今週堅調でした。競
争力の強い半導体関連はグロースセクターでも別格のようです。

同じグロース銘柄でも一時持て囃されたエムスリーやリクルートそれにモノタロウが下値
模索の状態であるのとは対照的です。やはり一時的な景気循環で需要減退があっても市場
が今後も拡大する期待が背景にありそうです。PERもこの3銘柄よりも総じて低いというの
も安心感があるのかもしれません。
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