kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

春の訪れはまだ先?

2022-02-18 06:02:43 | 日記
市場はFRB利上げ加速と地政学リスクの高まりのダブルパンチで身動きの
取れない状況が続いています。今日の米株が大幅下落したことから日経平
均は再び2万7000円割れとなりそうで、厳しい展開が予想されます。

NYダウは17日大きく下落しましたが、まだ高値からの下落率は7%ほどです。
1月24日のザラ場安値3万3150ドル(10%)でいったん下げ止まり反発しま
した。ナスダック指数はナスダック指数は一時19%下落しました。S&P500も
10%を越える下落率です。

昨年には一度もなかった10%を越える本格調整がやっと今年出てきました。
インフレ懸念に端を発した相場の変調は簡単には収まらないというのが答え
なのでしょう。調整がどこまで続くのか、どのくらい深くなるのかは不確定
要因が多くはっきりしたことは言えません。米株の調整が一巡しなければ日
本株の立ち直りは期待できません。

特に高成長株の代表格だたリクルート株がまだ下げ止まりません。同じ成長
株でも半導体関連の東京エレクやスクリーンは底堅くなっているようにみえ
ます。PERはリクルートやエムスリーほど高くなく、しかも成長ストーリー
が見えやすいことも影響しているのかもしれません。

年明け1ヶ月半で東京市場は明暗が分かれました。低PER、高い利回りの代表
格の商社や海運が残り、キーエンスやオムロンなどの設備投資関連銘柄が崩れ
ました。ソニーGや日立など構造改革で収益力を取り戻した銘柄も昨年までの
人気が離散し冴えない状況です。

市場の流れは成長株から配当利回りや低PERのバリュー株に向かっているよう
ですが、成長株の底値が見えない状況では日経平均が戻りを試す展開にはなり
ません。まだ春は先のようです。

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大外れ

2022-02-17 06:09:56 | 日記
週明け14日の日経平均は616円安、15日は214円安と続落し16日は一転595円
高と大きく上昇しました。ウクライナ情勢や米国の金融政策を巡って猫の目の
ような目まぐるしい相場はまだしばらくは続くのでしょうか。

週明けから世界の市場は今後の収益環境への悲観論から株は売られ、バリュ
エーション(投資尺度)調整も進みました。予想PERは米国が19倍、欧州が
14倍、日本が13倍といずれも過去5年平均の水準近辺まで低下しました。

一時期の割高感は薄れているものの市場は製造業を中心に半導体不足や鋼材
穀物など原材料高が業績の重荷になるとの見方が広がっています。今期も増
益が続くなら割安感も出てきたことになりますがコロナ特需による好調は短
命に終わりそうだという見方もあり投資家の悩みは尽きません。

特にコロナ禍で世界の中央銀行が推し進めた未曽有の金融緩和がインフレ懸
念から急激に引き締めに向かい成長期待が大きくPERの高い銘柄は逆風にな
りどの水準で下げ止まるのか見通しがまだつかないところです。

日経平均が明確に2万8000円を割り込んだのが2月19日でした。それからおよ
そ1か月間2万6000円台での日数は少ないことから現時点では2万7000円割れ
は底値だという市場の見方なのでしょうか。一方2万8000円をすぐに回復でき
なかったことから3月末にかけて戻りがあるとしても当面は上値が重いのかも
しれません。

市場が一番気にしているのはFRBの利上げが今年何回あるかです。既に3月に
1回目の利上げ確率は100%のようです。0.25%なのか0.5%を一気に引き上げ
るのかまだ市場のコンセサスは定まっていません。年始時点では日本の市場
関係者は6月利上げ開始が多数でした。

利上げ回数も今年3回程度がメインシナリオでした。しかし既にこのシナリオ
は破綻しているようです。日経平均が3万円回復どころか2万7000円台で低迷
しているのも仕方のないことでしょう。年明け1ヶ月で相場シナリオは大きく
変更余儀なくされました。前提条件が変わったのであれば結果も大きく違って
きます。

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リクルートお前もか

2022-02-16 05:50:32 | 日記
国内の感染者数は2月上旬がピークで減少に転じたようです。緊急事態宣を出
さずに沈静化に向えばある程度の安心感は出てきそうです。経済再開銘柄の中
心銘柄の一つであるOLCが今月高値更新しています。他の銘柄にも裾野が広が
るかどうかがポイントです。

一方経済再開銘柄でも外食セクターは一部の企業を除いて懸念材料が山積です。
一番の懸念は光熱費や材料費、人件費などのコスト上昇が業績に与える影響で
す。特に低価格な業態は値段を上げれば客足が遠のき、据え置けば利幅は一層
削られます。多額の時短協力金のおかげで増益になった企業もあり一過性の利
益です。先行きには注意が必要です。

一方コロナ禍で大活躍した銘柄の調整はまだ終わっていなのでしょうか。高成
長期待で高PERでも市場の人気の中心だったエムスリーは1年前に上場来高値を
付けてから1年経過しました。2月以降は下げ止まってきたようにも見えますが
まだ楽観はできないかもしれません。

リクルートの高値はエムスリーよりも10ヶ月遅れの11月でした。15日は決算を
受け大きく下落しました。14日の終値は高値から3割下の水準でしたが、1割を
超える下げは売り圧力の強さを感じます。市場環境次第で下振れする可能性も
あります。それも相場です。

今後自律反発はあるでしょうが、本格的に株価が立ち直るにはエムスリーのケー
スを考えるとまだまだ時間が必要かもしれません。コロナ禍で人気の出た銘柄に
は投資マネーが集まりました。業種を問わず大きく上昇した銘柄には注意が必要
です。

インフレ懸念からFRBは年初に市場が予想した以上に利上げをする可能性が日々
高まっています。多くの投資家も予想できなかった1~2月期の大幅調整はまだ逃
げ遅れた投資家が多いことを意味しているのかもしれません。

超金融緩和下でのポートフォリオの見直しが今後も続けば値ごろ感だけで人気銘
柄への買いは「落ちてくるナイフを掴むな」という格言をもう一度考える必要が
あるのかもしれません。エムスリーやリクルートといった成長期待の高い銘柄の
バリエーションの修正がどこで収まるのかその答えはまだ見えてきません。

FRBの利上げがあと何回、そして合計上げ幅がどのくらいになるのか。少なくと
も昨年までの市場にやさしい金融政策にはもう戻りません。金融緩和下で切り上
がったPERはあるべき水準に収斂しそうです。
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インフレに怯える

2022-02-15 06:26:28 | 日記
今年は出遅れ日本株に海外投資家から見直し買いが期待され早期の3万円回
復は既定路線のようでした。プロと言われる市場関係者はどこを見落として
いたのでしょうか。NYダウとの日経平均の差は年末時点よりもむしろ拡大
しているのが現状の姿です。

インフレ懸念の高まりでバリュー株の多い東京市場は見直し買いが期待され
ましたが、世界景気の悪化懸念から景気敏感株の先高期待は高まりません。
足元の好業績が株価に織り込まれることもなくインフレと景気後退が同時進
行ですスタグレーションに怯えているようです。

円安メリットよりも円安デメリットが市場のムードを悪くしています。エネ
ルギーや素材それに農産物価格の上昇と円安が加わり今年は値上げラッシュ
です。賃金上昇を伴わない物価上昇は国内の購買力の低下を招き負の側面ば
かりが気になります。現状で115円を超える円安を歓迎するムードは市場に
は聞こえてきません。

リーマンショック前と違って日本の産業界では現地生産が進み以前ほど円安
メリットが得られません。昨今の自動車の減産も原因はサプライチェーンが
国内では完結せず世界に広がっているからです。部品の多くを輸入している
なら円安でのマイナス効果もあります。

日本でも値上げラッシュで少なくとも国民に影響のあるガソリンや電気料金
食料品価格なども円安分の価格転嫁も含まれています。欧米ほどではないけ
れど日本でもインフレを意識する局面に入ってきたようにも思えます。

これまではインフレとは無縁だと思われた日本でした。しかし原油価格や穀
物価格などあらゆるものが上昇しています。それに加えて円安も加わり海外
発のインフレはじわじわと日本に迫っています。賃金上昇が伴わない物価高
は国民生活を直撃します。

企業が価格転嫁を十分に出来なければ企業収益は悪化します。賃上げする余
力が無ければ結果的に景気は悪化します。今年はインフレとの戦いが最大の
市場のテーマになりそうです。インフレに強い或いはインフレが追い風にな
る企業に市場の目が向かうかもしれません。
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7.5%

2022-02-11 06:16:58 | 日記
10日、米長期金利は2年半ぶりに2%の大台を突破し、米株への売り圧力も強ま
りました。朝方発表の1月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率は
7.5%と市場予想を上回る伸びを記録したことから米金利先物市場では3月半ば
の次回会合で0.5%の利上げに動くとの予想が前日の2割台から一気に9割以上に
高まりました。

5月と6月にも0.25%ずつ利上げして7月が始まるまでに1%の利上げが必要になる
との認識を示したとセントルイス連銀のブラード総裁の発言をブルームバーグ通
信は伝えています。市場の何より心配しているのは自動車生産が半導体不足の影
響で停滞している状況で中古車価格が急騰するなど供給面での制約が大きい今回
のインフレ抑制での急激な利上げは景気を冷え込ませる懸念が大きいというもの
です。

結果的にインフレの進行と金融引き締めによる景気悪化が同時に進行するスタグ
フレーションの現実味が増していることです。これまで市場の一部には金利が上
昇しても過去の局面に比べて水準は尚も低いという見方がありました。しかしコ
ロナ禍で未曽有の金融緩和が行われ投資家はぬるま湯に慣れきっていました。

米株が過去平均よりも高いバリエーションであることは事実です。業績の伸び以
上に株価が上昇したのは緩和マネーの押し上げでした。11月には新興EVメーカー
のリビアンが上場後に時価総額が10兆円を超えるなど一部に過熱があったのは確
かです。第2のテスラと言われてまだ1台も市販していないメーカーが10兆円の
評価されるというのが後から振り返るとバブルだったなあと言われるかもしれま
せん。

インフレは一時的だと1年前パウエル議長は発言していました。しかしその見方は
間違っていたというのが昨年秋以降の一連の動きです。ハイテク銘柄でもバリエー
ション面から割高感の残る銘柄中心にまだまだ調整は続くようです。インフレが
沈静化するかどうかが見えてくるのは夏以降かもしれません。それまで市場のボ
ラティリティは高まる局面と低下する局面を繰り返すかもしれません。

日本株についても多くの市場関係者が3月の年度末までに9月高値を更新して3万
2000円程度まで上昇するシナリオを出していましたが、1ヶ月ちょっとで早くも
シナリオの書き換えは避けられないようです。高バリエーション銘柄中心に下押
し圧力が続くということを覚悟する必要があります。

株価は最終的には業績が決めるものです。しかしどの水準まで買えるかは市場環
境が決定権を握っています。コロナショックからどうしてここまで株価が上昇し
たのはその理由を解明することなく値ごろ感だけで買い向かうのは危険です。流
れを読まないと投資で成功することは叶いません。

次回の更新は15日を予定しています。
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