kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

インフレとの戦い

2022-02-05 07:41:36 | 日記
市場注目の米雇用統計は前月比46万7000人増と市場予想(15万人増程度)を
上回りました。一部には新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染
拡大によって企業活動が停滞し、一時的に雇用の回復が遅れるとの見方もあり
伸び率はゼロあるいはマイナスという見方までありました。

昨年11、12月分も上方修正され平均時給の伸びは市場予想以上でした。米労働
市場の逼迫を示したとして、米連邦準備理事会(FRB)が積極的に金融引き締
めを進めるとの見方が強まり、長期金利の指標となる10年物国債利回りは一時
1.93%台をつけ、2020年1月以来、約2年ぶりの高水準を記録しました。

長期金利上昇で割高感の強いハイテク銘柄の多いナスダック指数が下落し金利
上昇の恩恵を受ける銘柄が多いダウが下落するという教科書通りの展開にはな
らず4日の米国市場はNYダウが小幅安で終わり、ナスダック指数は1.6%上昇し
て引けました。

今週ナスダック指数はアップルの好決算、グーグルの好決算で上昇しました。
しかしその後発表されたメタの決算で同株が急落するとナスダック指数も連動
するように上げました。今度は3日発表のアマゾンの決算が市場予想を越えた
ことで同株が大幅高、前日売られた他のハイテク銘柄にも買いが波及して指数
が上昇しました。

4日の市場に限ってはアマゾンの好決算が長期金利上昇のマイナス分を消した
格好です。日々市場心理が激しく揺れ動き株価が乱高下する様子は投資家が先
行きに大きな不安を抱えていることで短期筋の動きがその日の値幅を大きくし
ているようです。

今週までの日本企業の決算は全体的にはすこぶる好調のようです。下方修正よ
りも上方修正企業が多いようです。円安やコンテナ市況の高騰、資源高という
特殊要因を割り引くことは必要のようですが、決算からは日本株の一定の下値
要因となりそうです。

しかし個別企業では今までの見方を変えなければならない銘柄も出ているよう
です。花王と言えば日用品銘柄の中では優良株中の優良株でした。収益力・財
務内容そして毎年のように増配を続けていることも投資家を引き付けていまし
た。コロナショックで多くの銘柄が急落後しばらく低迷していましたが、花王
株は一時7000円割れましたが直ぐにコロナ前の水準を取り戻しました。この時
点では投資家から同社に対する信頼は厚かったようです。

しかし花王株の好調は長く続きませんでした。2020年12月通期決算の状況が明
らかになってきた夏以降は下落トレンドがすっかり定着しました。コロナの影
響でインバウンド需要が蒸発し花王の化粧品セクターは大きな打撃を受けました。
また感染症対策で日常的にマスク着用や在宅勤務の広がりで化粧をする女性が減
少し国内事業も厳しくなりました。

同じ日用品銘柄の資生堂が2021年12月期の業績上方修正を発表し反発したのと
明暗が分かれました。化粧品事業の収益力の違いが大きかったようです。加えて
原材料高の影響を受けやすい洗剤・衛生用品が主力事業の花王にはより向かい風
が吹いているようです。花王がかつての収益力を取り戻すにはインフレの影響を
どこまで製品価格に転嫁できるかどうかが鍵です。商品の競争力の有る無しが結
果として出てきそうです。

次回の更新は8日を予定しています。
コメント
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