kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

シナリオ変更の必要

2022-02-19 08:54:09 | 日記
もはやロシア軍のウクライナ侵攻は不可避なのでしょうか。日本時間19日7時
台の海外報道ではバイデン大統領はプーチン大統領がウクライナ侵攻を決断し
たと伝えています。ただ、緊張緩和に向けた外交努力の余地はまだあるととも
伝えています。

戦争には莫大な費用が掛かるというのはこれまでに証明されています。またロ
シアが侵攻すれば米国や欧州など西側諸国からの経済制裁は避けられずロシア
経済には大きなダメージです。できればプーチン大統領も戦争は回避したとで
しょうが、安全保障に関係する事案であることから経済よりも優先されること
になるかもしれません。

西側諸国としても原油や天然ガスの大国であるロシアへの制裁は供給懸念から
資源価格の一段の上昇でインフレがさらに加速する懸念もあります。一昔前は
遠くの戦争は買いという格言がありましたが、当事者がロシアなだけに今回は
事情が違うようです。

もっとも実際に侵攻が始まれば相場はアク抜けから上昇するかもしれません。
ポイントはどこまで市場が悪材料を織り込んでいるかです。今年の市場はイン
フレがどこで収まるのか、中央銀行の引き締めはどの程度まであるのかです。
インフレの要因の一つである半導体不足などのサプライチェーンの混乱はまだ
続いています。

コロナ禍で未曽有の金融緩和があり株価は業績の伸び以上に上昇しました。引
き締めが本格化する状況で結果的にバリエーションの調整はどの程度進んだの
でしょうか。侵攻が開始され一時的に悪材料の一つがアク抜けしたとしても根
っこの部分のインフレの先行きが見えない限り反発も一過性に終わるかもしれ
ません。

東京市場では今週キーエンスやオムロン、ファナックなど設備投資関連銘柄の
下落が目立ちました。いずれの企業の今期業績は好調です。しかし今後金融引
き締めが利きすぎて景気悪化になれば真っ先に売られるセクターです。コロナ
禍からいち早く景気が回復した中国ではこのところ工作機械受注に変調が見ら
れます。中国経済の息切れが世界的な景気悪化で一段と落ち込む懸念もありま
す。

世界の景気敏感株という位置付けの日本株にとっては好ましくない展開です。
PERが13倍まで低下した日本株には割安感も指摘されていますが、今後業績
悪化がもし表面化すると一株利益が減少することでPERが高くなり割安感が
低下する懸念もあります。

今年前半に多くの市場関係者が3万円回復から一段高を予想していました。し
かし、現状は今週末時点で2万7000円前半です。少なくとも3月期末までの株
高シナリオの書き換えが必要なことは明らかです。

次回の更新は22日を予定しています。
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