kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

7.5%

2022-02-11 06:16:58 | 日記
10日、米長期金利は2年半ぶりに2%の大台を突破し、米株への売り圧力も強ま
りました。朝方発表の1月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率は
7.5%と市場予想を上回る伸びを記録したことから米金利先物市場では3月半ば
の次回会合で0.5%の利上げに動くとの予想が前日の2割台から一気に9割以上に
高まりました。

5月と6月にも0.25%ずつ利上げして7月が始まるまでに1%の利上げが必要になる
との認識を示したとセントルイス連銀のブラード総裁の発言をブルームバーグ通
信は伝えています。市場の何より心配しているのは自動車生産が半導体不足の影
響で停滞している状況で中古車価格が急騰するなど供給面での制約が大きい今回
のインフレ抑制での急激な利上げは景気を冷え込ませる懸念が大きいというもの
です。

結果的にインフレの進行と金融引き締めによる景気悪化が同時に進行するスタグ
フレーションの現実味が増していることです。これまで市場の一部には金利が上
昇しても過去の局面に比べて水準は尚も低いという見方がありました。しかしコ
ロナ禍で未曽有の金融緩和が行われ投資家はぬるま湯に慣れきっていました。

米株が過去平均よりも高いバリエーションであることは事実です。業績の伸び以
上に株価が上昇したのは緩和マネーの押し上げでした。11月には新興EVメーカー
のリビアンが上場後に時価総額が10兆円を超えるなど一部に過熱があったのは確
かです。第2のテスラと言われてまだ1台も市販していないメーカーが10兆円の
評価されるというのが後から振り返るとバブルだったなあと言われるかもしれま
せん。

インフレは一時的だと1年前パウエル議長は発言していました。しかしその見方は
間違っていたというのが昨年秋以降の一連の動きです。ハイテク銘柄でもバリエー
ション面から割高感の残る銘柄中心にまだまだ調整は続くようです。インフレが
沈静化するかどうかが見えてくるのは夏以降かもしれません。それまで市場のボ
ラティリティは高まる局面と低下する局面を繰り返すかもしれません。

日本株についても多くの市場関係者が3月の年度末までに9月高値を更新して3万
2000円程度まで上昇するシナリオを出していましたが、1ヶ月ちょっとで早くも
シナリオの書き換えは避けられないようです。高バリエーション銘柄中心に下押
し圧力が続くということを覚悟する必要があります。

株価は最終的には業績が決めるものです。しかしどの水準まで買えるかは市場環
境が決定権を握っています。コロナショックからどうしてここまで株価が上昇し
たのはその理由を解明することなく値ごろ感だけで買い向かうのは危険です。流
れを読まないと投資で成功することは叶いません。

次回の更新は15日を予定しています。
コメント
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