kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

インバウンド

2015-01-21 09:06:37 | 日記
相変わらず大手証券の関係者はバラ色の相場展開を予想(期待)しています。
米国が早ければ6月遅くとも9月には利上げに踏み切り年後半にかけて一段
と円安が進み日本企業の業績に追い風が吹くという理屈です。円相場も円安
も125円から130円くらいまで進むというのが現状では市場のコンセサスのよう
です。

もっとも米国の長期金利は1年前の3%から現在は1.8%台に低下しました。
年末時点の2%からさらに低下した原因は原油相場の一段安やECBの緩和
観測、スイスフランショックなどが重なり流動性も高く安全資産の筆頭格の米
国債に世界のマネーが流れ込んだことです。日本の長期金利も日銀の追加
緩和で国債市場が品薄になりもはや今までの経験では考えられないくらいの
利回り(0.215%)と過去最低の水準を連日更新しています。

しかも原油価格低迷は続きそうであり世界でおきている異次元の低金利状態
は長引く可能性が高くなりそうです。この状態で果たしてFOMCが利上げに動
くのか。大方の今年の利上げシナリオにもし変更があれば金融市場もある程
度の混乱は避けられないかもしれません。

これまでの原油価格の下げやスイスの為替介入断念なんて半年前には誰が
予想したでしょうか。現在考えられる条件でのシナリオは予想外の出来事がい
ったん発生すれば軌道修正も必要です。状況次第では混乱も避けられません
。今年は投資作戦を考えるにあたってはメインシナリオとは別のシナリオも用意
しておく必要はありそうです。常にサプライズがあることを前提にしなければなら
ないでしょう。

机上の計算だけでは今年の相場は乗り切れないと考えるべきです。本来安定
感はあっても成長性に乏しいディフェンシブ銘柄という位置づけです。業績の
変化率も低いというのが投資の教科書では指摘しています。そのディフェンシ
ブ銘柄の代表格である食品銘柄のPERが成長株のように市場平均を大幅に
上回る水準まで買い進まれています。いくら業績変動の少ないディフェンシブ
銘柄といえども債券のように満期があり元本で帰ってくることはありません。

食品だけでなく電鉄、陸運、日用品などディフェンシブ銘柄はリスクオフの時に
マネーの逃げ込むジャンルといった従来の姿から東京市場では新たな成長株
になったような株価の推移です。この現象がリスク過敏症がもたらしたものな
のかあるいはインバウンド消費で成長銘柄になる兆候なのか現時点では判断
が難しい事柄です。インバウンド銘柄は今年も主要なテーマになるのでしょうか。
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