kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

トップの経営方針

2014-05-14 08:47:21 | 日記
12日の日産で自動車大手8社の決算が出そろいました。前期は円安効果や駆け
込み需要もあり7社(ダイハツは小幅増益)は大幅な増益を達成しました。今期も
国内販売の低迷や新興国通貨安の影響を欧米中心に販売を伸ばしカバーし高
水準の利益を確保できる予想です。もっとも前期の大幅増益に比べると増益でも
一桁台前半の期初見通しですから見劣りすることは否めません。

決算発表後も自動車各社の値動きは鈍いままです。昨年ひと際値動きの良さが
目立った富士重重工やマツダの中堅メーカーも今期見通しが前期の大幅増益か
らかなり減速するということで4月の株価は大手3社以上に軟調です。各社の株価
は既に今期業績を先取りするように昨年の高値から2割前後下落しています。株
価水準からみれば収益の踊り場はある程度株価に織り込みつつあるようですが
当面は出直りにはしばらく時間がかかりそうです。

世界販売では大手3社で見方が分かれています。トヨタは駆け込み需要の反動で
国内販売は二桁減それを米国や中国の販売増でカバーして1%の微増と予想し
ています。ホンダは販売好調なフィットや軽自動車のNシリーズの販売拡大を見
込み今期も国内販売は二桁増を計画しています。欧米や中国での販売も増える
予想で世界販売も12%と強気の計画です。日産は国内販売こそ11%減を予想し
ていますが新車投入で欧米やアジアなどでも販売を伸ばし世界販売は9%増と
強気の販売計画を立てています。

もっとも前期はホンダも日産もトヨタ以上に世界販売を伸ばしましたがトヨタの
利益の伸びに比べて見劣りしました。原因は円安メリットの違いや積極的に生
産能力を拡大しているホンダや日産の投資負担の重さも関係しているでしょう。
また2社は生産能力増強もあり利益率よりも販売台数を追い求めたことにも販
売増がそのまま利益増へと繋がらなかったようです。

トップの姿勢にもその差が出ています。特にトヨタと日産では対照的です。豊田
社長が今期は前向きな足踏みでむやみに台数を追わず足元を固める姿勢を鮮
明したのに対してゴーン社長は今期も積極的に拡販に努めるとの方針を示しま
した。トヨタは急激な拡大路線がリーマンショック後の赤字転落の原因だったと
いう反省もありそうです。

昨年今後3年は原則として工場の新増設を凍結してまずは損益分岐点を下げリ
ーマンショック後のように需要の急減があっても黒字を確保できることを目指し
ています。具体的には販売が700万台になっても黒字確保が出来るような体制
作りです。今期は各社の戦略の違いが出ているようです。着実な成長を目指す
トヨタ社長と尚も積極的な拡大策を突き進むゴーン社長の経営方針の違いが
鮮明になっています。

13日の日産株は前期業績が市場予想を上回ったこともあり44円高(5%)の
913円と上げが目立ちました。株価は869円と安値圏にあったことも上げ幅が
大きかった理由です。もっとも日産は前期中間決算で大幅な下方修正をした
前科があります。販売拡大が会社見通しのようにいかなかったケースも投資
家としては考えておくべきかもしれません。この点には今後も注意が必要です。

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