kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

栄枯盛衰は世の常

2012-04-26 08:42:03 | 日記
NTTがまだ前身の電信電話公社だった時代その設備投資の大部分は
電電ファミリーと言われた企業が独占していました。親方日の丸の下で
安定した仕事量が確保されて業績も順調そのものでした。特に大手3社
(富士通、NEC、沖電気(現OKI))は通信機分野だけでなくPCや半導体
まで手掛けるようになり一時はPC分野や半導体分野で世界市場をリード
する存在なったこともありました。

電電公社が民営化されNTTになりそれまでの公社時代のような景気対
策としての設備投資の大盤振る舞いは出来なくなり民間企業としては当
たり前ですが、費用対効果が重要視され電電ファミリーとしてもかつての
うま味は急速に薄れていきました。今から思えば親方日の丸の下で変革
を怠ったことが後々日本の通信機各社の苦戦の伏線だったのかもしれ
ません。

3社の中でまず最初に経営不振に陥ったのが業界3位の沖電気でした。
多角化部門として参入した半導体事業が投資競争に敗れて赤字事業に
転落その後撤退に追い込まれました。一方NECはPC98シリーズが国
内パソコン市場を独占しました。それに加えて携帯端末事業ではシェア
トップを獲得しITバブル相場では3450円(2000年)という信じられないくら
いの高値を付けました。

その後NECのPC事業はウィンドウズ98の登場とともにそのシェアを大き
く落とすことになりついに昨年レノボと統合されました。また携帯端末事業
では後発のシャープにシェアトップを奪われここ数年はご存じの通りスマ
ホの爆発的な普及についていけず昨年の年間販売台数はわずか500万
台でした。海外大手が年間1億台以上販売するという現状ではこの差は
簡単に巻き返せる数字ではありません。

NECもスマホの開発に注力し再び海外市場に打って出るということです
が、アイフォンやギャラクシーの優位性が続く海外市場でどこまで通用
するのか厳しい戦いが続くことは確かです。また最近中国では1000元
(日本円で1万3000円)という低価格の中国製スマホが人気だそうです。
高価格帯は上位2社、低価格帯は現地メーカーという棲み分けが今後
新興国で一般的になれば日本製のスマホの立ち位置はどうなるのでし
ょう。

NECはその後の業績不振から抜け出せず優良子会社(日本電気硝子
やアンリツなど)を切り売りしながら赤字を埋めてきました。一方OKIは
企業規模を大幅に縮小してしましたが、稼ぎ頭のATMが中国でヒット
また子会社で手掛けるプリンターもタイ洪水の影響がなくなる今期には
収益に貢献しそうです。株価も年初来安値69円(1月4日)から業績の復
調を評価して136円(4月25日)と不振企業が多い電機業界の中で頑張っ
ています。ど底をみたOKIの株価がNEC154円(4月25日)昨日の値動き
だけでも勢いの差は歴然です。

一度はドン底を見た企業が復活の足掛かりをつかむ場合もあれば長期
低迷から抜け出せずないケースもあります。株式市場はいろんな鏡で企
業を写し出します。このままいけばOKIの株価がNECを越える光景が今
年中にみられるかもしれません。株価は最終的には業績を反映するとす
れば収益改善の目途のつかないNECよりもOKIに軍配が上がるのは仕
方ないことでしょう。
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