kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

パナソニック劇場

2014-05-13 04:53:19 | 日記
パナソニック株がこのところ冴えません。12日も前日比6円安の1055円と8日に
つけた年初来安値1045円に僅か10円と言うところまで下げてきました。年末年
始にV字の業績回復を囃して賑わったのが嘘のような最近の軟調な値動きです。

昨年のテーマは異次元の緩和での円安メリット株を買う流れや業績不振からリ
ストラで蘇った変身銘柄を買う流れがありました。リストラで大きく業績も株価も
復活した銘柄の代表がパナソニックでした。株式市場ではこのありようを「パナ
ソニック劇場」と呼んでいました。

業績は巨額の設備投資をしたプラズマパネル工場等の減損処理などで2012年
13年と2年連続で7000億円を越える最終赤字を出すことになり13年には無配に
転落しました。株価は2010年の大発会の日には1338円でしたが業績悪化を織り
込むように下げ続け12年11月6日には376円まで下げました。2年も経たない内に
7割近くも下落した計算になります。

ちょうど日本株が当時の野田首相の衆議院解散発言から上昇基調に乗ったよう
にパナソニックも11月の安値後は右肩上がりの綺麗なトレンドを描くことになりま
す。翌年の13年決算で前年に引き続いて構造改革で7000億円を越える赤字が
見込まれるというニュースが出ても上昇トレンドは崩れることなく5月の急落から
もいち早く回復してその後2014年1月16日の1408円の高値までほぼ一本調子で
上昇しました。

パナソニック株はトヨタや野村や三菱UFJなど5月高値を抜けない主力銘柄とは
明暗が分かれる形でした。好業績な銘柄よりもリストラで復活しその後の業績変
化率の高い銘柄のほうが持て囃されたのが昨年の相場の流れでした。2013年当
時はパナソニックの業績見通しは厳しい見方が多かったために空売りも多かった
ようです。その後は信用取引での取り組み妙もあり息の長い上昇相場が続きま
した。

しかし株価は皮肉なもので業績がV字回復を確認したと同時に上昇の勢いは衰
えジリジリと値下がりに転じました。株価には先見性があるといわれています。
業績悪に先行して底値をつけたことは冒頭の記事で書きました。V字回復を明ら
かになった時には既に株価はそれを織り込み当面のピークをつけたのかもしれ
ません。株価に先見性があるのなら当てはまることです。

普通の会社に戻ったパナソニックは12日現在も18倍弱というPERが市場平均を
まだ上回り上値の重さに繋がっています。今後余程の好材料でも出現しなけれ
ば「パナソニック劇場」の第2幕は期待できないようです。当面は戻っても小幅な
上昇に止まりそうです。
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