kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

中国過剰生産問題

2024-06-02 08:55:03 | 日記
日米市場とも週末の反発で一旦は一方的な株安に歯止めがかかったのでしょうか。米国株は
5月31日発表の4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、おおむね市場の想定に沿ったイン
フレ圧力の後退を映す内容となったことで市場に安心感が広がりました。大きく下落した後で
値ごろ感もあったのでしょう。月末のドレッシング買いもあったのかもしれません。

もっとも9月にFRBが利下げ開始に踏み切るには雇用統計やCPIなど数多くの指標がインフレ
低下を示す内容になっていなければなりません。これからも発表される指標結果で株式市場は
振り回されそうです。米国では物のインフレ低下が進む一方、サービス分野の低下がなかなか
進みません。

日本市場の場合は日銀の早期利上げが予想が市場で高まり長期金利が急上昇しました。日本株
の買い材料だった低金利に転機がくるのでしょうか。日銀の緩和政策が結果的に日米金利の差が
縮まらず円安トレンドに歯止めがききません。春先にはFRBの早期の金利下げが円安の歯止めと
期待されましたが、利下げ時期が先送りになり米国頼みの円高反転は希望薄になりました。

日銀の金融政策は本来為替市場をターゲットにしたものではありませんが、大幅な円安が結果的
にエネルギー価格の上昇や輸入物価の上昇で国民生活に大きな影響が出ています。円利を上げれ
ば住宅ローン金利の上昇や中小企業の金利負担が増え、これもまた国民生活に大きな影響が出ます。
日銀としては上げるにしろ据え置くにしろどちらも国内景気の押し下げ要因となり難しい判断が
あるようです。

東京市場は日本企業の資本効率の改善や株主還元の拡充を材料にした上昇も一服しました。生成
AI関連銘柄の爆買いも影が薄くなりました。慎重すぎる今期のガイダンスが株高の重しになって
いるとしたら四半期決算での上方修正が盛り上がれば不安は一掃できるのでしょうか。四半期で
の上方修正がみえてくるにはもう少し時間がかかりそうです。

中国の過剰生産問題も大きな懸念材料です。太陽光パネル価格はこの1年で5割も下落しました。
欧州では現地メーカーが存続の危機に達しています。中国が過剰生産問題は存在無いという主張
を続ける間は中国が自主的には生産制限をする可能性は低そうです。米国のように国内産業を守る
ように関税を引き上げるなどの対策が今後必要かもしれません。

一方関税に引き上げは中国の反発を招き対抗処置を取るでしょう。欧州では太陽光パネルだけで
なく中国製EVも輸入急増も本題視されています。EV分野の方が自国産業に与える影響は大きそう
です。日本では既に汎用的な太陽光パネル分野では自国企業が撤退しています。EVではHVや軽自
動車の普及で充電設備の不足などで国内市場のシュアは大きくはありません。

中国が国家ぐるみで多額の補助金を使って無造作に増産体制をとり余剰になった製品を輸出ドライ
ブで世界中に出すという政策は多くの国で増す増す摩擦を生みそうです。秩序さる産業政策に中国
が舵を切らない限りこの問題は解決しないでしょう。

次回更新は4日を予定しています。
コメント
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