『マッサン』方言

2015-01-07 14:29:07 | 塾あれこれ
例によって朝ドラは新聞のBGMです。

以前は一度に複数のことを受け取れたものですが
今は、難しい。
一度にひとつ。

中学くらいではTVで野球中継を見ながら
学校の宿題をし、よく親に叱られたものでした。

今、受信能力は落ちていますが、朝ドラは話が単純で
ときおり耳に残るセリフだけでおよそ筋を追えます。

暫く前の回ですが耳に入ったセリフ
「はよう稲」

ベテラン女優さんが仰った。

???だったのですが1秒して「早う去ね」だったと
気づきました。
方言のアクセントを間違えていたのですね。

方言における「音」はとても重要なのに
学芸会のような気分にさせられましたね。


主演のマッサンは比較的、広島弁になっています。
難しいでしょうにねえ。

廻りの有名な俳優さんもまずまず。
とはいえ時に妙なセリフになっています。

著名な役者さんはお忙しいし、
スタッフも駄目出しをためらわれるのでしょう。
(ドラマ作りとしては二流だけど)

もっとも戦後の日本映画の巨匠作品でも
大阪弁すら奇妙でしたから、TVでここまでくれば
進歩はしていると言えますけれど。

ベテラン俳優としても折角方言に苦労しているのに
妙な発音はホントは恥でしょう。

もっとも私も戦後のことしか知らないし
小5迄は備後で育っていたりで、大きな口は叩けません。

(現在と戦前とそれほど違わない、という前提で続けます)

全国の方が見るドラマですから、方言は「印」です。
落語にでるお百姓言葉と同様のことで、必ずしも
リアルである必要はありません。

でもね、その中で少しは「らしさ」も欲しくなります。

マッサンが、広島を離れていつまでもコテコテの訛りで
あったかどうか。
特に、対外的に敬意を現さねばならないときに
「よろしゅう、おねがーしますで」は無いよね。たぶん。


方言の豊かさも欲しいですね。

『どのように』をいつもいつも「どがいに」だけでは
不自然です。
「どがいな」「どがい」「どがあな」「どがあ」

他にも
「どげな」「どげえな」「どげえ」

共通語に近く「どうような」「どうな」「どう」「どっ」

もちろん「~な」だけではなく「~に」もあります。

場合によっては感情を込めて語尾に「ら」を加え
「どげえなら」なんて使い方もあります。

尾道から広島に来て驚いたのは「どんとな」
女の子がよく使っていましたね。
「これ、どんとな組み合わせじゃろ」なんてね。